発想の転換

記事
ビジネス・マーケティング
新聞にアース製薬の川端克宜さんのインタビュー記事が載っていました。とても興味深く読みました。純粋に面白かった。川端社長は50歳です。若いなと思いましたが、43歳頃に社長に就任、40歳の時に突然時期トップの後継指名を受けたそうです。すごいですね。どこがすごいのか? 情熱と発想の自由さだと思います。就職時、大学就職課の新卒募集で一番上にあったのが、50音順でアース製薬。これが運命の出会い。入社筆記試験は全く歯が立たず、それでも「ハートから湯気が立ち上がっている絵」を描いて熱い思いを表現。作戦が見事に成功して入社。営業に配属され、土日もプライベートなく働きました。でも苦にならない。営業は相手を好きになることに尽きると語っています。営業成績は良好で、35歳で歴代最年少支店長(広島)に抜擢。広島支店の成績をトップにして、38歳で大阪支店長に就任。そして40歳で、当時の社長から後任指名されました。

ここまでは情熱と実績ですが、川端さんは発想の転換がいい。気持ちいいくらいです。アース製薬は元々オーナー企業の色が強く、トップダウン型の組織でした。本社が開発した商品を営業が一丸となって販売するスタイル。川端さんは得意先のニーズに合わせて柔軟に商品を売るタイプでした。「考えない組織になっている」と問題を感じていた。社長になってからは、ボトムアップ型、全員参加型の仕組みを取り入れていきました。アイデア投稿の仕組みもつくった。「殺虫剤」の呼び名も「虫ケア用品」に変えた。それまでなかったマーケティング担当部署も新たに作った。「前例にとらわれずに変えていい」、「お客様目線が大切」、「全員野球をやろう」とメッセージを発信しています。さらに「感染症トータルケアカンパニー」を目指すと言っている。「変化に対応する」にこだわっています。

「発想の転換が大事だ」とよく言いますが、簡単なことではありません。コロコロ変えればいいわけではない。変えていいものと変えてはいけないものを、しっかり選別する必要がある。しかし「転換した方がよい」のはわかっているのに、内部のしがらみや摩擦を恐れて踏み出せないのは問題です。多くは社風や慣例で感性も麻痺していて、「転換した方がよい」とも思わない。発想の転換も訓練です。視線を一段、二段上げたい。虫の目を鳥の目まで上げることが大事だ、とあらためて思いました。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す