真実を直視するための3つの概念

記事
コラム
ジョン・ブロックマンさんの『天才科学者はこう考える』という本は、見慣れている世界を科学者たちがどんな視点で見ているかを教えてくれます。
その中で紹介されていた「私たちの目を真実から遠ざける3つの概念」についてまとめました。
▼こんなことを知りたい人向け
・何が私たちの目を真実から遠ざけるのか
・どんなバイアスが私たちの中にあるのか
・原因を考える時に注意するべきこと

①1つの結果に対して原因は1つだと考えがち
因果律のお話は、以前に仏教の考え方を紹介した時にもでてきました。
・物事には原因があって結果が生まれる
この考えを仏教の世界では「縁起」と呼んでいました。
なにか結果があるとしたら、そこには原因があるというものです。しかし、その原因というのは正確にはひとつでないことが多いです。
たとえば、勉強ができる子供がいた時に「あの子は塾に通っているから勉強ができるんだ」という人がいたとします。
お察しの通り、この子供が勉強ができるのは”塾に通っていうから”だけではありませんよね。本人の努力もあるでしょうし、勉強できる環境などが要因にあるでしょう。
「原因はひとつでない」と頭でわかっていても、ついついそのことを忘れてしまいがちです。なぜならその方が、わかりやすくシンプルで楽だからです。
なにか「これこそが原因なんだ!」と思った時にはちょっと立ち止まって、他に別の原因がないか考えたいですね。
②嫌なことは敵のせいだと考えがち
他人の行動によって何らかの結果がでた時に「本人が選んだのだから本人が原因」と考えるのは危険があるといいます。
「根本的帰属の誤り」といわれるバイアスもあります。
原因を個人の気質に重きをおき、状況的な側面を軽視してしまうものです。
こういう考え方をしていると、何か気に入らない結果があるときに誰に責任があるのかと特定し、その人を罰し、同じことを繰り返させないようにしたくなります。
どうやら私たち人間の脳はそのように進化しているかららしいです。
誰かを悪い結果の原因だとし、周囲に知らせ、その人を集団から排除しようとすることは、自分が属す集団を生き残らせるための本能なんですかねぇ
先ほども説明したように、原因は多くの場合いくつかあって複雑に影響しあっているので偏見や先入観に囚われず罪のない人を責めないようにしたいですね。
③自分は人並み以上にできるとと考えがち
人間は普通、自分自身のことを高く評価します。これを自己奉仕バイアスと呼びます。
人間は成功を自分の実力だと思いたがる一方で、失敗は自分のせいだとは思いたがらないものです。
たとえば、
友達と麻雀をやっていて勝った時には自分の判断が優れていたと思いますが、負けた時にはツモが悪かった、配牌が悪かったと言い訳をしてしまいます。
自己奉仕バイアスとよく似たもので
・楽観バイアス(自分だけは大丈夫と言う思い込み)
・自己正当化バイアス(自分に都合の悪い情報を無視する)
・内集団バイアス(自分の属す集団の評価が高くなる)
などもあります。
バイアスはあるものなので、あることを認識して謙虚に自分や他人の能力を推し量れるとよいですね。
▼まとめ
ということで私たちの目を真実から遠ざける3つの概念でした。
①1つの結果に対して原因は1つだと考えがち
②嫌なことは敵のせいだと考えがち
③自分は人並み以上にできるとと考えがち
この話をみるとやっぱりクリティカルシンキングが重要そう。僕らにできるのはいろんな視点で考えて短絡的に結論ださないように気をつけるくらいですかね。
まだ読めてないですけど冒頭の文章
本書で読んだ事柄は今すぐに読者の助けになるだけでなく、生涯を通じて世界をよりよく理解する助けになるだろう。本書の寄稿者たちは、見慣れている世界を、そして人間の心、感情を、普段とは違った目で見てより深く理解するきっかけを与えてくれる。
なんともワクワクさせてくれる言葉から始まるこちらの本もよかったらどうぞ。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す