子育て中の方に読んでもらいたい。子供の「見える」は信用しないで!

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こんにちは。Henzelです。

今回は眼の病気「弱視」についてお話したいと思います。

私は一児のパパです。
視能訓練士パパとして思うのが自分の子供が弱視にならないように注意しておこう!です。

弱視って聞いたことがあると思いますがなかなか深く考える機会ないですよね。特に学ぶこともありませんし興味がない方がほとんどではないでしょうか。

しかしこれこそが視能訓練士が世の中のお父さん・お母さんに発信していくものだと感じています。本当に大事なことです。子供の将来のためにぜひこの記事を読んで、目の大切さを知っていただきたいです。そして知り合いの方にもぜひ発信していただければと思います。

みなさんにわかるように説明していきますね。

眼の発達について

人の感受性期間

感受性期間とは、視力の発達する期間のことです。
視力は言葉や歩行などと同様で成長に伴い発達していきます。

人の感受性は、生直後は低く、生後1ヵ月~18ヵ月が非常に高いです。その後徐々に減衰していきますが8歳頃まではかなり残存していると考えられています。それ以降は訓練しても発達しにくくなります。個人差はありますが9歳では限界です。

視力は3歳で視力1.0に到達し、大人と同様の見え方になると言われています。

弱視とは


弱視とは医学的には『視力の発達が障害されておきた低視力』を意味します。

通常の眼は、裸眼で見えにくくても眼鏡をかければ見えますよね?これは視力の発達がきちんとしているからです。

弱視は眼鏡やコンタクトレンズを装用しても視力そのものが出ない状態です。

眼の発達障害があるため、「見る」という機能を果たさないということです。

本来、感受性期間において眼に刺激を与えながら成長していくのですが、なにかしらの成長の邪魔が入り、刺激が行われなかったことからこういうことが起きます。

弱視の原因には、斜視、屈折異常(遠視)、不同視(左右の度数の差が大きい)等その他にもいろいろな原因があります。


すべての弱視に関する内容は話が長くなり難しくなりますので、ここでは抜粋して説明しますね。


斜視弱視

斜視とは右眼と左眼がそれぞれ別の方向を見ている状態です。たとえば右眼はまっすぐ見ているが左眼が外にはずれている。これを外斜視といいます。内に入り込んでいるものを内斜視といいます。

こういった斜視があると、まっすぐ向いている眼は『見る』という刺激が与えられ視力が正常に発達しますが、もう一方の外れているほうの眼は刺激がなく視力が発達しません。斜視の種類によっては交互にまっすぐ向いて両眼とも視力が発達することもあります。

両眼が別の方向向いていても見えてるんじゃないの?と思った方もいるのではないでしょうか。

たしかにまったく見えないわけではありません。

まったく見えていないわけではないからこそ、右眼と左眼がそれぞれ別の方向向いていると、それぞれの眼で見ている景色はどうなると思いますか?

景色が違いますよね。
これが頭の中で2重に感じてしまうのです。これを複視といいます。

2重に見えるとしんどいので、脳が勝手に片眼の景色を消そうとします。これを抑制といいます。つまり抑制がかかったほうの眼は『見る』という機能が働かず、さぼってしまいます。このまま放置して、感受性期間を過ぎるとその眼はもう弱視になり大人になっても視力が出なくなってしまいます。


屈折異常弱視

遠視による弱視です。これが最も多いかもしれないです。

通常、視力は手元(近見)から発達します。近視の場合は遠くが見えなくても近くが見えているので視力は発達していきます。なので近視は弱視になりにくいです。

遠視は目の構造的には遠くも近くも焦点が合っていません。
しかし自分の調節力を使うことで遠くも近くも見えています。
つまり眼鏡をかけるか、自分で見ようとする力が働かない限りピントが合っていないので、目に刺激を与えることができません。

この刺激を与えないまま感受性期間が過ぎると、弱視になります。


不同視弱視

不同視とは左右の眼の度数に大きな差がある状態のことをいいます。
より大きな屈折度数があるほうが弱視になることを不同視弱視といいます。

これも主に遠視です。近視ではほとんど不同視が影響して弱視になることはありませんが、よっぽど強度な近視とかであれば弱視になる可能性もあります。

弱視になる要因は屈折異常弱視に少し似ています。片眼にだけ強度の屈折異常があると思っていただければいいかと思います。

例えば右眼は遠視がゆるく自分の力で見えるとしましょう。左眼の遠視度数が強い場合、左眼は見えにくいですよね。でも日常的には両眼を開いて生活しているので右眼が見えていれば、自覚的に見えづらさは感じません。そのため左眼が見えていないまま気付かずに放置してしまう可能性があります。このまま放置して感受性期間を過ぎるとどうなるかもうわかりますよね?

弱視になります。




弱視のこわいところ

先ほどご説明したように弱視の原因はいろいろありますが、どれも眼が眼としての機能を果たさない。眼鏡をしても視力がでない眼になってしまうということです。

これは将来、警察官になりたい!パイロットになりたい!と思っても、慣れない可能性が出てきます。
つまり職業選択の制限が出てくる可能性があるということを知っておいてください。


この記事のテーマでもある『子供の「見える」は信用しないで!』の話をします。

まず子供自身にとって自分の見え方はそれが当たり前で普通なのです。
それは比較のしようもありません。

実は斜視や不同視が隠れていたという場合も片眼が見えていれば日常は見えているので、もう一方の眼が見えていないことに気付いていないのです。

いつもおもちゃで遊んでいる。外で元気に遊んでいる。ゲームやYOUTUBE見ている。特に見えにくそうにはしていない。と親は感じてしまいます。
仮に聞いたとしても本人は『見えている』と言うでしょう。

そのまま小学校入学し、はじめての健康診断。

『視力が出ていないから眼科受診してくださいね』となったらどうでしょう。

小学1年生って7歳ですよね?感受性期間は何歳でしたでしょうか?

そうです。8歳です。そこから必死に弱視訓練や治療をして視力が出ることもありますが、出ないこともあります。

仮に1年生の時に親が危機感を持たずスルーして翌年に受診したとしましょう。

どうですか?もう限界間近ですよね。この子供は弱視になってしまう可能性大なのです。

実際に小学校の検診ではじめて気付くという親御さんは多いです。

ですからそうならないために視能訓練士としてお伝えしたいことがあります。


3歳児検診に必ず行きましょう


3歳になったときに3歳児検診ってありますよね。

もちろん行かなければならないのですが、視力検査ってどのような方法でおこなっていますか?

自治体によって異なりますが、眼科スタッフが検査してくれる地域もあれば、やりかたを説明した紙が配られて親が見様見真似で検査するっていう地域もあります。

親が見様見真似でする場合は特にそれで終わらせないでください。

視力なんてものは不確かです。まずは眼科でしっかり検査することが大事です。

3歳で検査できるの?と思うかもしれませんができます!

もちろん理解がうまくできない子や集中力が持たない子はたくさんいます。むしろほとんどの子がそんな感じです。

しかし、少しずつ出来る検査を増やし、病院の雰囲気にも慣れながら眼の状態を把握していくことで、早期に対応することができます

何もなければ安心ですし、弱視になりそうな傾向がある場合には感受性期間の限界までに余裕をもって治療に取り掛かることができます。

3歳で受診したらまだ5年もあります。5年もあれば成長して集中力もアップしますし、訓練もしっかりできるので弱視の心配は減りますよね。

子供が見えにくそうにている。眼をパチパチしている。目線が合わない気がする。斜視かな?と気になることがあればすぐに行ってとりあえず見てもらいましょう。

気になることがなくてもとりあえず1回は受診してみましょう。




・・・というのが今回私が一番発信していきたいことです。

私も子供がいて父親という立場ですので、独身時代に比べるとこういう情報をもっと発信しないとなー・・・とすごく感じているので今回はこのようなお話をさせていただきました。

こわがらせるような話が多かったかもしれませんが、訓練すればきちんと視力がでて、弱視は防げます。

だからこそ放置していて気付くのが遅くなると後悔します。

最近では昔より弱視が少なくなっています。
それは3歳児検診が普及してきていることが一番大きな理由だと思います。

みなさんもぜひ子供の将来のため目のことを軽視せずにしっかり向き合っていきましょう。



他にも眼に関する記事がありますので、ご参考ください。


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