性環境に恵まれなかったお客様のお話

こちらは、2021年12月4日に配信させて頂いた内容となります。

本編では、夫がお仕事として性的なサービスを提供致しました「一方通行夫婦の奥様」と「自力では動けない障害をお持ちの方」のお話を綴らせて頂きますが、私がお聞きした内容に幾分かの想像を補填させて頂きますので、実話を元にしたフィクションである認識でご覧頂ければと思います。

【一方通行夫婦のAさん】

女性向け風俗は「女性のお客様に対して、性的な行為」を提供するサービスですが、夫曰く、初めてのご利用でいきなり個室で待ち合わせて、出会って早々にプレイ（性的なサービス）されるお客様は少ないそうです。多くのお客様はそちらのご希望があっても、まずは緊張や不安を解く為に、自己紹介を交えたヒアリング（お客様の希望されるプレイ内容や不快になる・やって欲しくはない行為の確認等）を受けられます。

お客様のフィーリングが合えば、そのままプレイに移行する場合もありますが、初回はお話だけでプレイせずに終了する場合もございます。それはサービス提供者さんとの関係性（相性）に起因するものに限らず、お客様自身が抱えておられる問題に起因している事があるそうです。

今回お話しますお客様は、まさに後者のケースでした。

『人目を気にせず、お話したいです。

　性的なサービスを希望したいですが、出来ないと思います』

希望があるのに出来ないとは、どのような事情があるのだろうか？

画面越しにお客様を想像しながら、夫は「自身を指名してくれた感謝の気持ちと決して貴女の不快な行動をしない事。そして不安や疑問があればいつでも遠慮せず伝えて欲しい旨」を、丁寧過ぎる文面で返信しました。

その文面に気を良くしてくださったのか、それからは少し砕けた文面で何通かメールを交わし、実際にお会いする当日を迎えました。

既婚者で良い年齢の自分が、若くてハンサムな男性と街中を歩くなんて・・というお客様の気持ちに配慮し、待ち合わせは完全個室の飲食店の一室となりました。夫が待ち合わせ時間より15分程前にお店に着きますと、すでにお客様はいらっしゃっていました。

夫「お待たせしてしまって、すみません」

客「いえ！私が早く来てしまっただけですし、それに、まだ約束の時間ではありませんから・・」

夫「僕自身、Aさんに会えるのを楽しみにしていましたから、少しでも早く会えて嬉しいです」

メールでの事前交流はありましても、わかりやすく緊張されているお客様。そのようなお客様へ、夫は穏やかな笑みと肯定的な声掛け、そして一緒に食事メニューを決める等工程で、緊張を解いていきますのはお決まりのパターンのようです。昼間という時間帯のため、お酒の力は使えませんでしたが、それでも小一時間程経ちますと声を出して笑われるお客様の姿がありました。

場が和み、食事がひと段落した所で、夫は「それでAさんは、どのような話を聞いて欲しくて、僕をお呼びになったのですか？」と切り出しました。

せっかくの和やかな雰囲気が、一瞬でピリリと冷えます。ですが、安くはないお金を払って呼んでいますので、お客様も夫を見据えて、ゆっくりと話し出しました。

A「主人の事は好きだけど、、、気持ち悪くて」

これまでAさんは人並みに人を好きになる事はあったそうですが、学生時代は部活に夢中で、恋愛経験が疎いまま大人になってしまったそうです。仕事を始めてからもやはり恋愛事に割く余力は少なく、特別な人を作らず過ごされていました。そのような日々で、唯一交際に発展しましたのが、自身の上司であり、先輩でもありました、現在のご主人様だったそうです。

ご主人様は恋愛対象のAさんだけではなく、部下や店員さん等の万人に優しく、トラブル時でも慌てず変わらず対応される穏やかなお方でした。その温かいお人柄にAさんは強く惹かれ、プロポーズされた時は「きっとこの人となら幸せな家庭が築けるのだろう」と快諾されました。

結婚後もご主人様は変わらず優しい方でした。

「働いているのに、家の事してくれてありがとう」

「疲れていない？体調は大丈夫？たまには外食しようか？」

家事の苦手なご主人様に対し、人並みに家事をこなせますAさんが家の事をしますのは自然な流れで、それに不満はなかったそうです。ですが、主婦と会社員の二足の草鞋を履く日々に、徐々に疲弊し、仕事のミスも目立って来ました。

「生活費の心配はしないで、働くも辞めるも、好きなようにしていいからね」

Aさんはお言葉に甘えて、専業主婦の道を選び、時折パートとして働く生活を送るようになりました。

A「主人には感謝しているんです。・・・ですが」