(昨日の続きです④/全4回)
『それが滾々として流れ広まり、濁を清に変え、人生の価値判断の基準となるのです。』
“心の誠”が人々の間を行き交い醸成されれば、社会全体が清流のように清々しくなり、様々な問題も解消されていく。こうしたことが私たちの生き方を指し示す道標となると言います。
そして賢人であっても1人の力は小さいけれども、不断の“務め”で賢人の想いが広まり、それに共鳴する人が増えることで、“心の誠”が多くの人の価値基準になる。
そのようにして先祖から受け継がれてきた自分達の価値基準を軽んじられることは日本の美意識が軽んじられていることとして憂慮していたのだろうと想像します。
日本に限らず、人の心を大切にしようという動きが広まっています。そんな時代だからこそ、ちょっと立ち止まって樋口一葉が大切に思っていた昔の賢人達の“心の誠”に思いを馳せるのも良いのかもしれません。