小論文の書き方 実践編

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コラム
実践編として、ここでは二つのパターンの出題傾向と解答のコツを書いていきます。
一言でまとめると「若く、これからの時代を担う人々に、出題側は何を求めているのか」を念頭に置いて解答するということです。
詳しく解説していきます。

出題パターンのひとつは時期系です。
近年だとコロナ禍での社会生活についてや、SDGs、DXに関する設問がこれにあたります。
対策分野は学部学科によりますが、学部系統に関係する分野でここ数年議論されはじめた問題などは出題されやすくなります。

このような設問の場合、まず課題に据えられている現象・問題についての正しい知識の有無で周囲と差がつきます。
すべての社会問題などに精通することはまず不可能ですが、自身の受験する学部学科に関連する事項などは押さえておきましょう。
その際、SNSや動画サイトにある個人のまとめよりも省庁や内閣府、世界的機関が出しているメッセージなどの「一次情報」を読むようにするのが大切です。

もうひとつは普遍的な課題についての出題です。
教育系や看護・医療系などが顕著ですが、受験生のスタンスや考え方が問われます。
教育者のあり方、医療従事者としてのケアなど、実際に仕事に就いた際にどのような立ち回りをするかという問いです。
過去問から出題の傾向が読み取りやすいのが特徴です。
解答のコツは、まず受験する大学のモットーなどを把握した上で、自分の将来の姿を想像しながら述べることです。大学側が育てたい人材と自分の考えがマッチしているかどうかは入学後の学生生活自体にも関係してきます。

いずれの出題傾向についても共通して私が指導しているのは、「時代の逆走をしない」ということです。
極端なNG例を出しますが、「環境保護のために自動車を全廃する」「教育を受ける対象を制限する」などです。
現在の社会で享受している恩恵を手放して、過去に回帰しようとする思想は存在しますが、それを受験用の小論文の解答とするのはお勧めできません。
なぜならば、社会全体のあらゆる人々にそれを強制することは実現し難く、どこかに負担を強いることになるからです。
また、解答者のアイディアやオリジナリティも欠けがちな借り物の論述になってしまいます。

大学という研究機関で、あなたがどういう未来を意識しながら過ごすのか。入試はその確認の場面でもあるのです。

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