【10月19日】今日の植物豆知識 011

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ぐーてんくーまー!!
農業系Webデザイナーのkumattoma(くまっとま)です。

今回は、特に今日と関係も無いのですが、近頃よく見かける秋といえば!な植物のお話をしたいと思います。

ずっと取り上げたかったことなので、少しテンション高めかも(笑)

今日の主役は厄介な黄色いヤツ

このタイトルだけで分かる人は、中々強者ですね。

どちらかというと好かれない側にいて、空き地とか線路脇にボーボーに生えてるアイツ。私も正直好きではないです(笑)。

でも、この子の持っている能力がすごいんです!

知られざる植物たちの熱い戦いを知って頂きたい!!

というわけで今回の主役は、そう!
「セイタカアワダチソウ」です!!!

まずは紹介から

見出しバレをしたくないので、隠しつつ進みますが、
まず「セイタカアワダチソウ」について簡単にご説明。
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・・なんか見るだけで鼻がムズムズしてきそうですね。

セイタカアワダチソウは、
・キク科
・観賞用に輸入されてきた帰化植物で、蜜源植物としても優秀
・同じ属のアキノキリンソウ(別名:アワダチソウ)よりも背が高いことからこの名がついた。
虫媒花なので、花粉が風によって飛散はしない。
→花粉症の人の敵として見られがちだけど、それはブタクサ。濡れ衣なのです。
・生育が旺盛で、北海道から沖縄までほぼ全国、田舎でも都会でも見かける超有名植物!!

名前の由来を深堀り!

セイタカアワダチソウは、漢字表記だと「背高泡立草」。

何が「泡立つ」のか??
旦那に聞かれて、え?花の咲いた感じがそう見えるからじゃないの??

どうやらそれだけではないらしいので調べてみると・・

本当に泡が出るらしいんです。

どうやらサポニンという界面活性作用を持つ物質が含まれているんだとか・・

咲く前の黄緑くらいの蕾の状態の花穂部分を刈り取って干したものを、熱湯につけてシャバシャバすると泡立つんだそう。香りもキク科っぽい感じの薬草の良き香りがすると・・本当に薬効もあるからすごいよね。

説明が長くなりそうなので記載しませんが、葉とつぼみで効能が違うそうです。

セイタカアワダチソウ薬草泡風呂
勇気のある方は是非!(笑)


【植物からも嫌われている?】いいえ、秘密があるんです。

さてさてさて、
このセイタカアワダチソウの写真を見て、不思議に思うことがありませんか?
↓↓↓↓↓
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一面セイタカアワダチソウがフィーバーして、他の植物がほとんど生えてないなと。

単純に生育が凄まじく背が高いから、他が負けちゃうだけなのでは?

いえいえ実は、セイタカアワダチソウには他の植物を寄せつけない能力があるんです!!

その能力がずばり、

アレロパシー(他感作用)!!

生存戦略のための特殊能力とは・・

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セイタカアワダチソウにおけるアレロパシー(他感作用)とは、他の植物の生長を抑制する作用のことを指し、根からとある化学物質を出すことでセイタカアワダチソウフィーバーが起こるのです!

しかしながら、上手いことばかりでなく・・
この能力には、諸刃の剣的な面があります。

土壌中の濃度が増していくと、他の植物の生長だけでなく、自らの種子の発芽障害を引き起こすのだとか。そう、万能ではないのです。

このアレロパシー、他の植物でも確認されていて、連作障害の原因の一つや帰化植物の勢力拡大の要因としても知られていますが、日本の植物で初めて実証されたのが千葉

そしてその植物こそ、セイタカアワダチソウなのです。


昔と今で違うこと


このアレロパシーを有する以外にも、ススキなどの日本の植物が敗れ、セイタカアワダチソウの勢力が増した理由があります。

・セイタカアワダチソウと同時期に天敵の害虫、病気が日本に入り、それに抗えなかった日本の個体群弱体化していた。
・土壌中に蓄積したモグラやネズミといった動物がもたらす栄養分を、深く根を張るセイタカアワダチソウが吸収し、より旺盛に繁殖した。

そして今、状況は変わります。

自らの能力に足を引っ張られ、日本の個体群は耐性がつき始め、栄養分として一役買っていたモグラ達はその数を減らし・・

以前よりセイタカアワダチソウの勢力は弱まり、ススキなどの植物も勢力を取り戻しつつあるとのこと。

未だにセイタカアワダチソウが強い土質というか環境のところは相変わらずな気もしますが・・・

まぁ、海外行ったらススキも立派な厄介者だったりしますから。
クズ(葛)なんて、グリーンモンスターと呼ばれいて現地の生態系を荒らしまわる侵略者です。

日本でも厄介者ではありますが、四季のある日本と違って1年中快適なとこだとすんごい困るそうな・・


植物の世界の魅力

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一見静的に見える植物間でも、このような攻防が繰り広げられていると思うとすごく面白い。

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新天地で自分の居場所を広げるのが得意な植物も、
その勢いのままに世代を超えて繁殖を続けていくことはできなかった。

周りも負けじと耐え忍び、変化し続ける力を持っている。
また、大きな力には、裏がある。

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この、
《種の生存競争的な部分と世界がどこか均衡を保とうとしている感じ。》

《ただ1つの物質、生物で完全となり得ず、その欠けた部分を補うために変化していく感じ。》


0と100では語れない

理想を維持し続けることの難しさ


思いっきり一個人の見解というか感じたことを綴ってしまいましたが、そんなところが魅力的。

植物とか微生物とか好きなのはそういうところもあるのです。

そして、そのメカニズムなんかを解き明かし、便利に使おうと企てるヒトの強かさもあれば、ツメが甘くて失敗しちゃうのも愉快というか・・うん。

同じくアレロパシーを有するヘアリーベッチは、雑草抑制効果狙って農業にも利用されていたりしますしね。しかも、ヘアリーベッチに着生した根粒菌が窒素固定をしてくれるのですき込むと緑肥にもなる!そしてかわいい!!(←これ大事。)



最近の趣味

今回ブログを書くにあたり、改めてセイタカアワダチソウについて調べていたら、ここ最近変な癖が。もはや趣味。

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そう、実際にセイタカアワダチソウの衰退具合というか、密度チェックをしています(笑)。

線路脇、道路脇、河原、工事現場、休耕田、空き地などなど至る所にいるセイタカアワダチソウについつい目が・・

見た感じだと、確かに独占してないエリアもあるけどフィーバーも健在してるかなと。土壌中の酸性度とか養分とかの環境的な要因が影響してるのかな?

こういうの考えると面白いけどキリがないし、答えを導き出せる頭は所持してないので、ある程度調べたら妄想するくらいにしてます(笑)。

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