母は足が速いので、どんどん距離が離れていく。
私は途中で立ち止まり、母の後ろ姿を見ている。
一度も振り返ることなく歩き続ける母。
みるみる小さくなっていく後ろ姿を見ながら
私はいつもこう考えていました、
もしも今ここで私がいなくなっても、
あの人きっと気づかないだろうな。
ほんとにいなくなってみようかな。
どっかに隠れて、そのまま死んじゃってみようかな。
そのときの
なんともいえない寂しさ、悲しさ、虚しさが、
私の中にしっかりと根を張っていたんです。
心理ワークで色褪せさせるこういった『原風景』があるなら、
その光景を思い浮かべて、まず色を抜きます。
モノクロ動画になったら、それを静止画にして、
その画像を見えなくなるまで縮小、
もしくは削除します(アプリで写真を編集するように)。
こういう作業を何度か繰り返すと
何かのきっかけで原風景が蘇ってきたときも
それほど影響されなくなります。