EとÊの発音の違いに学ぶ

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ハノイ留学当初、私のクラスで、メインでベトナム語を教えてくださっていた先生がいた。
英語バリバリの先生で、クラスメートはベトナム語ゼロからスタートだったので、説明などは英語でしてくれた。
非常に活発で、優しく、フレンドリーな先生だった。
休日は、家に招待してくれて、美味しいベトナム料理をご馳走になった。
ただ、授業の時は鬼だった。虎だった。手に竹刀は握っていなかったが、それに近い恐怖心のようなものがあった。
特に発音に関しては、一切の妥協を許さなかった。私が特に躓いたのは、
E(e)と Ê(ê)の違い。
先生が発音した音を聴き、どっちの音かを当てる程度ならなんとなくわかる。
先生の口の形を見れば一目瞭然だからだ。
Eの時は、口が大きく開く。Êの時は、さほど口が大きくない。
音よりも、口の形に頼って、聞き分ける(見分ける)。これは、あながち間違いではない。

しかし、こちらの発音の番になると、延々と発音矯正をされる。
正直、最初はE(e)と Ê(ê)の違いなんてよくわからなかった。
だって、どっちも「えー」に聞こえるし、いまいち違いがわからない。
しかし先生はできるまで発音させる。何回やらされたかわからない。
教室には「えー」という音だけが延々と響き渡る。
何度も繰り返しているとその時はできる。
数分経って、突然振られるとまたできない。
先生の音だけ聴いても、いまいち違いがわからなかった。
私の理解が正しいのかわからないが、
Ê(ê)は日本人が普通に発音する「えー」に近い
E(e)は日本人が発音する「えー」をいつもより大きな口を開けて発音する
正直なところ、今も正確に発音できているかと言われると、極めて怪しい。
ただ、一つ閃いたことがある。
ベトナム人の言う「正しい発音」を目指して練習することはもちろん大切だが、要はこの2つの音の違いを、自分の中で確立し、相手にわかるように発音すればいいんだと。そもそも、これらの音を単体で発音することはあまりない。何かしら、他の文字がくっついている。
大切なのは、2つの音の違いを明確にして、聞き手がわかるように話すことだ。
EとÊについて言えば、
Êは、日本人が普段発している「え」なので、さほど気にする必要はない。
Eの場合、大袈裟にでも良いので、大きく口を開けて「え」と発音することを心がける。
ベトナム語の母音には、
  傘をかぶっている「Â、 Ê 、Ô」
  おたまじゃくし?がついている「Ư、Ơ」
  お皿が乗っている「Ă」
など、何かしら記号がついた母音がある。
これらの記号は、簡単に言うと本来の母音「A、E、O」の音の流れを、何者かが(唇とか、口の大きさ、形とか)が邪魔しているということになる。
つまり「A、E、O」は、口を大きく開けて発音する。
「Â、 Ê 、Ô、Ơ」の口の大きさは、上の音よりも小さい。
記号がついている母音は、あんまり大きな口を開けて発音しなくても良い。これ、恐らく日本人が得意な方。
どっちかというと、口をはっきり大きく開けて発音する方が苦手な方が多いのではと推察します。
注意すべきは、A、E、Oの発音になるわけです。これらの音を大きく口を開けて発音することができれば、あとは気を抜いても大丈夫。
と、これが簡単にできれば苦労はしないのだが、その後はどのような音においても、正しい音に近い発音と「違いをつける」ことに重点をおいて、先生の鬼指導をくぐり抜けた。
今思えば、こうして厳しく指導してくださったことで、大きく成長できたのだと思う。
10年経った今でも、聴き分けてみろと言われると、正解する自身がない。
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