フラットスラブ構造とは?

記事
学び
スラブは普通フラットでは?と考える方も多いのでフラットスラブ構造とは他のスラブを使用した構造と何が違うの?というところから説明を始めたいと思います。

建築物は通常、床(スラブ)、柱、梁、壁で構成されています。
このうち、梁を無くした構造のことをフラットスラブ構造と言います!
日本ではあまり見られないので建築士を目指す方でも知らない方は多いかと思います。

今回のサムネの背景画像がフラットスラブ構造です。
一見問題なさそうですが、柱と柱を繋いでいる梁がないため地震に弱そうだなということがご理解できるかと思います。

また、荷重の計算が複雑で慎重に設計を行わなければなりません。
ここまで聞くとフラットスラブ構造は梁という概念がなかったころの構造方法なのかな?と思われる方も居るかと思います。

ですが、これは全く逆の考えになります!
フラットスラブ構造は近年登場してきた新しい考え方です。

何故、近年フラットスラブ構造が新しい考え方として出てきているのか、理由は3つあります!

①梁が無いので天井の空間がすっきりして、天井を高くできたり、1層あたりの高さを低く抑えることができるので賃貸面積を増やすことができる

②外側から見たときに床と柱、壁はガラスのカーテンウォールなどで建築すると意匠的に見栄えが良い

③梁がないから当然スラブを厚くすることで耐震性を上げるため、上階からの騒音トラブルが起きにくくなる

いかがでしょうか?フラットスラブ構造のメリットを考えると複雑な構造計算さえ現代の技術力により安全性を確保することができれば、とても近代的な構造方法だといえると思います。

それでは最後に建築士試験での問題例を見てみましょう!

フラットスラブ構造については、一般に、地震力の全てを負担すべきではなく、通常のラーメン構造や耐力壁を併用する
↑一級建築士構造令和元年No.28で出題されています

今回は私のサービス受講生よりこの問題の解説についてご質問がありました。
解説をブログに載せることはできないので私なりに嚙み砕いた解説を載せようと思います。

フラットスラブ構造は最初にお伝えした通り一般的な梁がある構造に比べてスラブの厚さが同じであれば当然構造的には弱いです。

構造計算上はスラブの一部が大梁として考えられて計算されるため、梁が無いという考え方ではなくスラブ幅、スラブ厚の梁を柱間に架けているという解釈をするので梁の水平剛性(地震力に対する耐力と考えてください)が普通の梁に比べてとても弱いです。

そのため層間変位が大きく揺れやすいので、地震の場合は外周部にラーメン構造や耐力壁を使用することで地震力を負担させると良いです。

以上h6684m流解説でした!
専門の方からすると様々なご指摘を受けそうですが建築士を受験するうえでの解釈はこれで十分かと思います。

建築士試験は範囲が膨大で、建築の仕事をされている方はわかるかと思いますが、全ての分野において専門家の方は存在しないのにも関わらず全ての範囲を網羅しなければならない試験です。

全ての範囲において専門家になるまで深く突き詰めるのではなく、試験で問われることを効率よく理解していきましょう!

今回の内容でわからないことがあったりもっと知りたいことがある方は建築士の学科試験勉強法を以下のサービスにて提供しておりますので見ていただけますと幸いです。


今後も不定期に配信していきますのでフォローなどしていただけますと建築士に関する知識が身につくかと思います。
来年度受験の方、私と一緒に頑張りましょう!


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す