ワーホリでホームレス in Canada(モントリオール)

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コラム

第八章 波乱は続くよどこまでも

ニューヨークでの欠航のため、本来あったモントリオール観光の分の1日がなくなり、翌日にはトロントへ移動していた。実はモントリオールからトロントへの移動手段を全く考えておらず、昨夜急遽直行バスを急いで予約した始末であった。こちらもなんとか5人分の席を確保でき、トロントへ。到着時はもうすでに夜であり、ここまで観光どころか移動しかしていない彼らである。夕食を済ませ、ホテルへ向かっている時、なぜか外の風景に見覚えがある、そしてそれはホテルに着いたときに確信した。父があらかじめ予約したホテルは自分が22の時に一人でトロントに来た時に泊まったホテルと全く同じだったのだ。偶然にも程があると笑いながらチェックインを済ませ、懐かしい気持ちになった。当時は17才の時に交換留学したトロントに、大人になったら一人で行こうと決めてた旅で、日程がちょうどジャスティンティンバーレイクのワールドツアーと重なり、売れ残っていたものすごい遠い席で彼を鑑賞した思い出がある。明日は皆待望のナイアガラの滝へ行く。やっと観光らしい観光である。ここまでの不幸が気を遣ったのか、素晴らしい晴天で、水辺へ行くには絶好のコンディションだった。滝を楽しんだ後、事前に予約していたAirbnbに移動した。これまた素晴らしい家で、特に地下のダイニングルームは素敵だった。明日はバンフへ移動だ。景色が素晴らしいとのことで、山に興味のない自分でも楽しみになっていた。事実、湖と山の情景は目を見張るものだった。一番有名な場所へはバスへ行くのだが、帰りの便の少なさに皆白目を向いた。雪こそ止んでいたものの、気温はマイナスで雪もまだ沢山残っていたのだが、Uberが拾えるところまで歩こうとなった。Googleマップで見ると徒歩1時間ほどの距離で絶句したが、次のバスが3時間以上後なので歩き始めた。しかし、歩いてみると意外に楽しく、全く人がいなく、自然のみの環境が途轍もなく久しぶりで、気持ちがよかった。景色も素晴らしく、飽きることなく歩き続け、無事にUberを拾い、バンフの小さな町のホテルに向かった。チェックインを済ませ、午後は疲労もあったため、ホテルで静かに過ごした。翌日、祖母がついに疲労で体調を崩した。祖母はホテルで寝てるからと、4人でバンフの小さな町を見て回ることになった。支度をし、ホテルを出ようとした時、すれ違いで配達員が祖母のスーツケースらしきものを持って入ろうとしており、我々は急いでフロントに駆け寄り、このスーツケースの詳細を確認した。やはり祖母のであり、モントリオールから遠路はるばるバンフまでやってきたのだったが、せっかく戻ってきたスーツケースは暫く開かれることはなかった。しかし、事件はその日の夜に起きた。少し動けるようになった祖母はスーツケースを開き、閉じるのを忘れてそのまま就寝した。その時はみんなも寝ていたので部屋は真っ暗、その中で祖母はトイレへ向かった。祖母は自分のスーツケースにつまづいてスーツケースの縁に顎を強打した。ものすごい音がしたので全員目を覚まし、何事かと電気を点けた。
次の日そこは真っ黒いアザになり、かなり目立つものを顔に作ってしまった祖母であった。
明日は東京へ帰る便に乗るため、バンクーバーへ移動し、4人は日本へ、自分はモントリオールへ帰る予定だ。
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