ブログ
サポート
ログイン
会員登録
ログイン
会員登録
カテゴリから探す
目的から探す
出品者を探す
ブログを探す
仕事・求人を投稿して募集
仕事を探す
単発の仕事
継続(業務委託)の仕事
NEW
仕事を探す
単発の仕事
継続(業務委託)の仕事
NEW
サービス出品
ブログを投稿
サービス出品
仕事・求人を投稿して募集
ココナラブログ
ワーホリでホームレス in Canada(モントリオール)
記事
コラム
KendrickEXPO
2022/11/24 17:35
第五章 投げ銭で生活
ここで金銭面について触れておきたい。
*とても素晴らしい体験だったので、今回は全文無料にしています、ぜひ読んでください。
ここまでご覧の通り、様々な人々にお世話になっているのだが、自分で稼ぐ方法も考えて、実践していた。それは夏に差し掛かり、路上ストリートピアノが設置された時に閃いた。”ここで弾いて賽銭箱をおけば誰か入れてくれるのではないか?”と。早速当時全財産だった3ドルで雑貨屋で、アルミで出来ている丈夫そうな鉢植えにデカデカとTip,Merci!と油性ペンで書き、バッグの紐をつけ、肩から背負えるようにし、後ろから賽銭してもらう方法を思いついた。今となっては思うが、当時はこれが果たしてやってOKなものなのかが気になる以上にお金に困っていた。だし、自分の音楽でどれほど稼げるのだろうと挑戦したい気持ちもあった。さて、準備は揃い、いざ実践してみると、驚くほど皆、コインを入れ始めてくれた。声をかけてくれる者、歩きを止めてその場で聞いている者、踊る者など。皆に気づいてもらえるように洋楽をメインに弾いていたものの、こちらの想像以上に反応がよかった。その中でも印象に残っている”オーディエンス”達を紹介したい。まず、”ピザの男性”。ストリートピアノはモントリオールで様々な場所にあるのだが、メインで弾いていたピアノの近くにピザ屋があった。そこで何切かピザを買った男性が、”ピアノ上手だね、ピザ食べる?”と一切れくれたのだ。ありがたく頂戴し、休憩がてら召し上がった。次に”パンの男性”。こちらもコインの代わりにとんでもない大きさのパンをくれた人である。”ピアノ素敵だね、さっきそこでパンを買ったんだけど、一個あげる”と、その後3日持つほどのサイズのパンをくれた。次に”花の女性”。どうやらこの方はホームレスであったが、”ピアノが素晴らしい、お金はないけど代わりにこの摘んだ花をあげる”と綺麗な花をくれた(写真参照)。よくコンサートの後にもらう花束のような感じがしてすごく嬉しかった。そこで音楽を楽しむのに貧乏も金持ちも関係ないことに気づいた。次は”手紙の女性”。その時は全く気がつかなかったのだが、一通り演奏を終えたあと、賽銭箱に丁寧に折り畳まれた紙が入っていた。全てフランス語だったので、後日友人に読んでもらったのだが、内容は”今、私は足を止めてあなたの演奏を聞きながらこれを書いています。素晴らしいです。私も映像作家を目指しており、あなたもきっと音楽を続けていくのでしょう。お互いに頑張りましょう。”というものだった。直接声をかけてくれる時とは違う何か別の嬉しみがあった。この手紙は今でも取っておいてある。次は”即興!誕生日ソング”である。その日はいつもと違う場所でピアノを弾いており、そこには近くに小さな塾のような学校があった。すると突然、入口から女性が駆け足でこちらに駆け寄ってきた。彼女は”今、中で誕生日パーティーをやっているんだけど、あのハッピーバースデーの曲弾ける?!”と訪ねてきたのだった。曲はわかるがピアノで一度も弾いたことなかったが、ある程度音を確認して、”やってみる”と返すと”10秒後に弾いて!”と言い残し、建物の中へ戻っていった。およそ10秒後に弾いてみると最後に歓声が建物から聞こえた。そして最後に今でも忘れられない”待ち合わせのカップル”である。これは今書いていても思い出して涙が出そうになるのだが、その日もピアノを弾いていた。隣にベンチがあり、よく人が座っているのだが、その時おしゃれな女性が腰かけた。トレンチコートに丸みのあるハットの召し物だった。その後、15分ほどその場に居続け、暫くするとメガネのよく似合うこれまた長身のおしゃれな男性が現れ、その人が見えた否や、女性はベンチから立ち上がり、その場で二人で手を取り合い、腰に手をやる舞踏会スタイルの踊りを、自分が弾いていたピアノに合わせて踊り始めた。その上、その時自分が弾いていたのはDisckosureとSam Smithのコラボ曲”Latch”のアコースティックバージョンを弾いており、その情景たるや二度と忘れられないものだった。二人は踊り終えるとこちらに手を振り、その場を去った。その去り際までまるで映画のワンシーンのようなひと時こそ、ピアノ演奏冥利に尽きるものである。
と、ここまで様々な人に出会い、中にはお札を入れてくれていた人もいたり、ストリートピアノ撤去の夏の終わりまで、誰にも止められることなくピアノを弾き続けた。
時にはこちらが”オーディエンス”となる事も多々あった。ピアノを始めたばかりなのか、たどたどしい演奏に微笑む時もあれば、デヴィット・ボウイのLife on marsを見事の弾き上げた猛者もいた。白いドレッドヘアで裸足のピアニストもいれば、90歳ぐらいのおじいさんがSummer timeを弾いていたり、中には弾き語りをしているおじさんもいた。個性あふれるピアニスト達にまた会いたいと思う。
#ワーホリ
#英語
#ピアノ
#海外
KendrickEXPO
作曲家、ソングライター、ピアニスト / 30代前半 / 男性
一覧に戻る