UbuntuでWindowsアプリを動かす 〜 VMWare Workstation Player 16の活用

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UbuntuでWindowsアプリを動かす 〜 VMWare Workstation Player 16の活用

Web 開発用のサブ PC として、Linux(Ubuntu)を活用する方法を模索しています。 Web 開発用のアプリだけならば、Linux でも Windows や Mac と同じアプリを活用することは難しくありません。従って、Linux を使うこと自体には大きな問題はありません。 しかし、Windows や Mac でサポートしている商用アプリを使いたい場合もあります。

そこで、Windows のアプリを Linux 上で動かす仕組みのパッケージ「Wine」を導入して Windwos アプリを利用すると言う方法を最初に試しました。実際にかなり多くのアプリを動かすことは可能なので実用上は Linux ベースの PC でもかなり色々な事ができます。

ところが、2021 年 1 月現在の Ubuntu の LTS 版は、20.04 ですが、Microsoft Office 365 をインストールしようとしたところ、OS が Windows10 でないというエラーが出て、インストーラの起動で失敗してしまいました。動作する組み合わせもある様ですが、現在のレビジョン(Ubuntu 20.04/Wine 6.1)と最新の Microsoft Office 365 のインストーラの組み合わせではインストールができない様です。

そこで、実際に使うかどうかは別にして、仮想マシーン(Virtual Machine)を試してみることにしました。

Virtual Machine は VMWare Workstation 16 を試してみました。

この記事は、古い PC に VM を入れてどの程度使えるのかを簡単に検証しましたので、それを紹介しています。

VMWare Workstation 16 のインストール

VMWare Workstation Player 16 はVMWare のサイトから無料でダウンロードできます。

インストールの手順は以下の通りです。

$ sudo apt install build-essential
$ sudo bash VMWare-Player-16.1.0-17198959.x86_64.bundle
2つ目のコマンドはダウンロードしたファイル名を指定します。 VMWare Workstation Player のインストールは以上です。

BIOS 設定で Virtualization を有効にします。

Windows10 のライセンスが必要です
あとは、VM を作成して Windows を入れれば Ubuntu 上で Windows10 を動かす事ができます。VM は仮想マシーンですが、Windows10 をインストールするためには、Windows10 のライセンスキーが必要です。今回は、古い PC を利用していますので、元々の PC に付属していた Windows10 のライセンスを利用しています。

実験に利用している PC はメモリが8 GB の PC のため、VM に割り当てるメモリは当然それよりは少なくなります。今回は、半分の4 GB を VM に割り当てました。Windows のアプリを使う場合は、Linux 側では殆ど仕事をしないという前提で入れる場合はもう少し割り当てる事も可能かと思います。

Microsoft Office のインストール
Wine の場合は、Office のインストーラでつまづきましたが、今回は VM と言うことで、特に問題なくインストールできました。 VM なので、オンラインインストーラを使用することも可能ですが、今回は前回 Wine でインストールをトライした時のオフラインのインストーラを試しました。当然、インストーラから見える OS は Windows10 になりますので、前回の Wine の時のような Windows10 出ないのでインストールできないというようなメッセージは出ませんでした。

Ubuntu で Windows アプリを動かす方法
今回の実験は、Ubuntu 上で VM を使って Windows10 をインストールしてその上で Windwos のアプリを動かすという方法を試しました。

基本的に、VM ですが Windows10 が動作しているので、今回は Office 以外のアプリも試した物に関しては問題なく動作しました。

前回の Wine との違いは、

Wine は Linux の OS 上で Windows のアプリを動作させる仕組み(アプリは Linux が実行)
VM は VM 上で動いている Windows がアプリを動作させる仕組み(アプリは VM 上の Windows10 が実行)
なんか少し難しい話に見えますが、VM を使う場合は Windows10 を動かす分、余計な負担が PC にかかるため、動作がやや遅くなります。 メモリも、Wine 場合は管理しているのが Linux なので8 GB の容量を全て Linux が使うことができます。しかし、VM の場合は、VM にメモリを割り当てるため、Linux が実際に使えるメモリ容量はその分少なくなります。さらに、VM に割り当てられたメモリを Windows が使うため、Windows は割り当てられた分のメモリしか使う事ができません。

つまり、メモリのリソースが2つの OS で分割されてしまうため、有効利用という観点ではマイナスになります。

従って、Ubuntu 上で単に Windows のアプリを使いたい場合は、Wine を利用した方が、メモリなどを有効活用できるということになります。それが理由で最初に Wine を試したのですが、うまくいかなかったので今回は VM を試したわけです。

VM の選択肢も、今回は VMWare の Workstation Player を試しましたが、オラクルからも VirtualBox という VM が無料で提供されています。こちらの方も別途試してみようと考えています。

まとめ
今回は、前回 Wine で Microsoft Office のインストールがうまくいかなかったので、試しに VM を使って試してみました。 VM の場合は特に問題なく、VM のインストール、Windows のインストール、そして、アプリのインストールもできました。

しかし、メモリなどのリソースが完全に分割されてしまうため効率的ではありません。あくまで Windows のアプリが Ubuntu 上で使えるという最低限の機能は使えるという話です。

VMWare 以外の VM も試して、サブ PC の有効利用の標準をもう少し模索してみます。

VM は思った程は性能の低下もないようで Microsoft Office などをどうしても Ubuntu 上で使いたい場合には十分実用レベルで使えます。試すだけでも結構面白いので Ubuntu をインストールしたら是非入れてみてください。意外に便利です。
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