『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。言いにくいワケは、生徒さんは1人1人状況が異なり、一般論のアドバイスがつねに当てはまるとは限らないからです。
ですのでタイトルも「ひとり言」。本コラムの内容に有効性があるかと問われれば、私自身の中学受験や長年の指導で実践を心がけ、結果を出してきた事実を挙げるのみです。』
中学受験での国語の伸び率はどれほどか
国語はたとえば算数に比べて、成績が上がりづらい教科です。ココナラでのオンライン授業での経験をもとに、伸び率の目安を具体的な数字でお示ししたいと思います。
受験までおよそ8ヶ月のあいだ、週1回1時間の授業を継続受講していただいた生徒さんの場合を例にとりましょう。
国語の偏差値ですが、わかりやすいことにきっかり10上がりました。
これぐらい伸びれば、第1志望の圏外から十分狙える位置までステップアップできます。
実際、見事第1志望の中学校に合格してくれました。
むろん講師との相性もあれば、生徒さんの性格、学習環境などさまざまな要素がからんできます。
同じ期間、同じ頻度で取り組んだからと言って、全員必ず10上がる保証はありません。
また「倍の週2回にしていたら20上がる」というような、単純な計算の話でもないのは当然です。
それにひと口に「10上がる」と言っても、「44から54」と「57から67」では状況がかなり異なります。
この生徒さんの場合は、あくまでどちらかと言えばですが、後者よりは前者に近い状況でした。
もっと言えば50台後半の偏差値を60台後半にまで上げるのは、私の体験では至難の業です。最低でも1年半は時間がないと、そもそも無理ではないかと思われます。
なぜ国語の成績は上がりづらいのか
ところでなぜ、国語は成績が上がりにくいのでしょう?
一番の要因は、テストでつねに初見の文章を読まねばならず、柔軟に対応するだけの基礎力や応用力を身につけるのが難しいからだと思います。
ただ逆に言うと、設問のパターンは数が限られており、答え方のコツは一度つかめば何度でも応用がききます。
それでもなかなか伸びない場合は、たいてい語彙(ボキャブラリー)の少なさが足を引っ張っているケースが多いです。
漢字と違って語彙は詰め込み式では定着づらく、ふだんの生活の中でコツコツ増やしていくしかありません。
もちろん役立つ参考書も最近は増えているので、ある程度時間をかけて意識的に学習することで不足を補うことは可能です。