私にご興味を持っていただいた方向けに、もうちょっと詳しい私のプロフィールを書いてみたいということで書き始めた、今回はその後編です。
前編では私の会社員時代をざっと書きましたが、今回はその後の話です。
今はフリーのキャリアコンサルタントとして仕事をしている私が、なぜこの仕事を選ぶようになったのかという経緯をお話ししたいと思います。
とある大学の学内企業説明会でのできごと
まずは会社員時代の話に少々戻るのですが、私が定年後の仕事を選ぶきっかけになった印象的なできごとがあったので、それをお話したいと思います。
新卒採用シーズンのある日、私はある大学で催された学内企業説明会に参加していました。
夕方になり、会場内の学生もまばらになり、私もそろそろブースの店じまいをして帰ろうかというとき、一人の女子学生が最後まで私の前に座っていました。
一通りの説明は終わった後だったので、私は最後のこの学生とざっくばらんに雑談をしていました。内容は憶えていないのですが、おそらく、
「就活の状況はどう?」みたいなことから始まって、何かアドバイス的なことも話していたのかも知れません。
それも終わり、会場を後にしようとしていたとき、出口に立っていた就職課長氏が私を呼び止めるのです。そして、
「西川さん、今、最後まで残っていた学生がいましたよね。彼女、とても良い話を聞かせていただいたと喜んでいましたよ!」
と言ってくれたのです。
その帰り道、私は胸の奥から湧き上がるような温かいものに包まれるような気持ちになっていました。その感覚は、今までのどんな仕事でも味わったことのないものでした。
充実感とも、達成感ともまた違う、この温かな、何か。
私としては、たいしたことじゃない話を雑談的にしていただけだったのですが、それが思いがけず、あの学生に喜んでもらえた。
私のしたことで、直接誰かの役に立って、喜んでもらえた。
それは、今までの長い会社員生活の中で、味わったことのない感動でした。そして、
「こういうことが仕事でできたら、どんなに幸せなことだろう」
と、私は思ったのです。
この日のささいなできごとが、私がキャリアコンサルタントの道を選んだ、大きなきっかけでした。
おかげさまで、今はあの日に味わった温かな気持ち、直接誰かの役に立つ幸せを日々、味あわせて頂いています。本当に幸せなことです。
私が定年後再雇用を選ばなかった理由
60歳の定年退職を前に、私は選択を迫られていました。
希望すれば65歳までの5年間、再雇用されて今までと同じ仕事を続けることはできます。
それを選ぶか、60歳の定年を機に、「やりたいこと」にチャレンジするか?
前者では、5年間の収入と安心感が得られます。安全な道です。
後者では、自由が得られますが、仕事そのものにありつけるかわかりません。つまり、リスクがあります。チャレンジです。
思えば、今まで37年間、私は安全な道だけを歩いてきました。40代で全く職種を変えたことはありましたが、同じ会社の中でのこと。特に何かにチャレンジするということなしに、この年まで来てしまいました。
それでいいのか? このまま何にもチャレンジすることなく、一生を終えるのか? チャレンジするなら、まだ気力も体力もある今しかないんじゃないか。
そこで1つの賭けに出ることにしました。
キャリアコンサルタント(厳密には当時はまだ国家資格ではなく、CDAという民間資格でしたが、便宜上そう言います)になる勉強を始め、定年前に資格が取れたら、再雇用は選ばず辞めよう。
逆に、定年までに資格が取れなければ、再雇用を選ぼう。
そう、上司にも宣言しました。
結果として、試験には一発で合格することができ、宣言とおり、60歳の誕生日で、長かった会社員生活を終わることにしたのです。
とある大手人材会社に契約社員として再就職
資格は取れたものの、定年退職日の時点では、まだ仕事は見つかっていませんでした。
でも不思議と不安や危機感もなく、「もう会社に行かなくていい!」という開放感をしばらくは満喫していました。
晴れた平日の昼に、海に行ってビールを飲んでは、「あいつら今仕事してるんだろうなあ!」と思ったりしたものです。
そんなあるとき、色々応募していた案件の中から、ある大手人材会社に採用されました。
その企業の中で、厚労省からの委託事業を請け負う部門で、地方就職を希望する学生の相談に乗ったり、セミナーを運営したりという仕事です。
単発的に東京近郊のいろいろな大学に行ったり、就活イベントの相談ブースで相談に乗ったりしていました。
今までに経験したことのない大企業というものをこの歳になって初めて経験した時期でもあったのですが、この仕事も数ヶ月で終わることになりました。
そして念願だった大学での就活支援の開始
厚労省からの委託事業は毎年入札で決まりますので、次年度も続くとは限りません。
しかしありがたいことにそのときのマネージャーが、系列の会社で受注している大学での就活支援の仕事を紹介してくれたのです。
しかもその大学は、私が住んでいる横浜市内にありました。
あのある日の大学での学内企業説明会で感じた喜び。そのときから私が一番やりたいと思っていた、学生さんの支援の仕事が巡ってきたのです。
以来、大学のキャリア相談室での就活支援の仕事をメインの仕事としてさせて頂いています。幸いにももう5年目になりました。
おっと、今回も思っていたより文字数が多くなってしまいましたので、このへんにしておきたいと思います。
ココナラのことまで書けなかったので、次は「番外編」とか言って、また書いてみましょうか。(いつまで続く?w
最後までお読みいただき、ありがとうございました!