ラプソディー・イン・ロンドン  ~パブにて~

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コラム
パブでは毎週末常連さんたちとワイワイやって、時にはギター持参のお兄さんたちの歌に飛び入り参加したりして、遅くまで楽しませてもらった。

週中は、たまにサロンに寄って一杯やってから帰宅したりもした。
ある日、初老のご夫婦から声をかけて頂いた。
「何処から来たんだい?」
「日本です。」
「あぁ日本かい。私のラグビーチームにも日本人が来ていたよ。優秀なプレイヤーだったよ。」
ちょっと心当たりがあったので聞いてみた。
「リッチモンド・クラブですか?」
「えっ、なんでわかるんだい?」
「Mr.Seiji Hiraoですよね?日本代表のプレイヤーです。」
「ほぅそうなんだ。上手だったからねぇ~。」

このパブはリッチモンドの隣町の小さなパブで、日本代表の平尾誠二選手がリッチモンド・クラブに留学していたことを知っていたので繋がった話だ。
その後ラグビー話しで盛り上がった。
帰り際、初老の紳士がつけていたネクタイを外して「これプレゼントするよ。リッチモンドクラブのチーム・タイだよ。」
感激!!
私もつけていたタイをお返しに贈呈した。
「これ、僕のご贔屓の日本のラグビーチームのタイです。宜しかったらどうぞ。」
片田舎のパブのサロンで国際親善タイ交換の瞬間だ。偶然だったけどラグビーチームのネクタイ着けててよかった!

ラグビーのネクタイについては、もう一つエピソード。
南アフリカ共和国へ出張に行くチャンスがあった。言わずと知れたラグビー最強国の一つだ。
当時はまだアパルトヘイト政策下だったものの、既にアパルトヘイト政策の撤廃を宣言していたので非常に興味があった。
またアパルトヘイトへの世界からの抗議制裁として、長年海外チームとの交流を停止されていて、ラグビーW杯にも参加できていない。それにもかかわらず、何故スプリングボクスが最強国の一角として維持できているのか?そのマネジメントにも興味があった。

その出張の際、空港に着いて100人以上の長蛇の列に並んで入国手続きを待っていた時、ちょっと偉そうな空港関係者が声をかけてきた。
「君、そのネクタイはイングランド協会のネクタイだよね?」
「はい。ちょっとしたお付き合いがあって頂きました。ラグビー最強国を訪問するにあたって敬意を払ってつけてきました。」
「なるほど。じゃあ君はこっちに来てくれるかな。」
行った先は外交官手続き窓口。外交官待遇で優先入国させてくれたのだった!
「君は親善特使のようなものだよ。」と連れてきてくれた紳士はウインクして仕事に戻っていった。
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