先日、私がコラムで「夢から覚める時に、夢の中で列車に乗ることが多い」と書きましたが、それを読んだ友人のAさんがラインでこんな話を思い出したと教えてくれました。
冬のとても寒いある日、Aさんの友人が初めて自分の家に遊びに来ることになっていた時のことです。まだ携帯電話もなかったころの話です。
Aさんは友人がいつまでたっても自分の家に来ないので、心配になって外に探しに行ったそうです。そうしたら、友人はバス停のところで座ってもうろうとしていたそうです。
急いで体が冷え切っている友人を家に連れてきて風呂に入れて、その後話を聞きました。
そうしたら友人は「お前が迎えに来てくれた時、列車に乗った人たちが俺を手招きして呼んでいる幻を見ていたんだ。お前が現実の世界に引き戻してくれたからよかったけど、あの時、列車に乗っていたら俺は本当に死んでたんじゃないかな」と言ったというのです。
この話はなんとなく宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い出させます。
主人公のジョバンニが顔色が悪くてどこか体調も優れない様子のカムパネルラといっしょに銀河鉄道に乗ってさまざまな旅をする話です。
しかし、その列車に乗れるのは本来は死者であり、銀河鉄道は冥府へ向かう鉄道なのです。
読者の皆様は、この友人の話を聞いて、どんな感想を持たれたでしょうか。
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