両親の相次いだ死から2年が過ぎて、やっと少しずつ書けそうかなと思います。
ここへ来て逆に言葉にする事によって自分も救われていくような気もします。
今日は母の死の直後、母の洗髪をしたことについて書きたいと思います。
在宅介護していた母が息を引き取ったのは夜中でした。何かあったらすぐに連絡するように言われていた担当の看護師さんに電話を入れましたが、朝になったら行くとのことでした。
朝まで息の無くなった母とどう過ごしていたのか・・いくら考えても思い出せなくて不思議です。
私は母の遺体の脇でいつものように眠ったのか?眠らないで何をしていたのか?
朝まで悲しみにくれて泣いていた覚えもありませんが、じゃあ何をしていたのか?まったく思い出せないのです。
朝になって看護師さんと担当医師が来て下さいました。
そこで初めて臨終宣言をしてもらいましたので、母の死亡時刻はその朝の時間となりました。
そういうものなんですね。
その後、看護師さんから「お母さん、シャンプーしてあげましょうか?」と言われ正直驚きました。
母は意識がなくなる前、シャンプーしたがっていたのですが予定すると具合が悪くなったり何だりで
結局シャンプーできぬまま意識もなくなり、そのまま亡くなるという結果になってしまいました。
でも私は実際、その時点で心身ともにかなり疲弊しており、とてもそんな気持ちになれなかった。
ただ、「いえ結構です」とも言えなかった。
なので看護師さんと共に亡くなった母にシャンプーをする事になりました。
看護師さんの指示で大きなゴミ袋を用意し、それを母の肩の下に入れました。
息を引き取って一晩経っていましたが母の体はまだ柔らかく、深く眠ったまま持ち上げられているようでした。
でも、実際に頭にお湯をかけたり、シャンプーしながらこすったりすると
その頭はぐにゃんぐにゃんと柔らかく右へ左へと揺れて頼りなく、手で支えるとただただ重くて
魂が抜けたただの肉体だと確信させられるようで辛くなりました。
この行為は、看護師さんの母への配慮だったのだと思いますが私にとっては本当に辛い思い出となりました。
実際、亡くなった後の体をあんなに触ったり動かすってあまり、しないですよね。
その時は「ああ嫌だな」と思ったくらいでしたが、後になって何度も何度も思い出しては胸が苦しくなるほど衝撃的な体験でした。
それでも、母がしたがっていたシャンプーをしてから送り出せた事は本当に良かったなと思っています。
ああ、またちょっと辛くなってきました。