志賀直哉旧居

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奈良市の高畑はかつては春日大社の神職が住んでいた「社家町」でした。
明治維新以後、神社にも世襲制が廃止されて次第に神職らが高畑の地を離れるようになりました。現在も当時の名残を伝える分厚い土塀に囲まれた家々が連なっています。

大正から昭和にかけて、この地には多くの文化人たちが居住しました。一帯にはレトロな雰囲気の近代風の建築の建物が建ち並んでいて、洗練されつつもノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。

志賀直哉はこうした高畑に住んだ文化人の一人。現在も残されている旧宅には昭和4年から9年間住んでいました。彼の代表作「暗夜行路」はこの地で完成しました。この家には小林秀雄や武者小路実篤ら多数の文化人も訪れることになったため、その文化的交流の舞台として「高畑サロン」との別名でも呼ばれる空間となりました。

かつて春日大社の神職たちが通った「下の禰宜道」、「中の禰宜道」、「上の禰宜道」という3本の道がありました。このうち「下の禰宜道」は志賀直哉旧居の前から伸びていて、「ささやきの小径」とも呼ばれています。かつてこの地に住んでいた多くの文化人たちが散歩で通ったといわれています。

かつて春日大社に出勤していた神職たちやこの道を散歩した文化人たちに思いを馳せながら道を歩いて、春日大社に向かってはいかがでしょうか。

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