asian28のプチ中国語講座③ ~上達への近道~

記事
学び
みなさんこんにちは。
asian28です。

さて、第3回目は意外に間違ってしまう「只」について説明してもらいます。それではトーア先生、お願いします。


1.「只」は「ただ~」なのか

トーア:はい。それでは第3回をやっていきましょう。先程下記の中国語をニコに日本語訳してもらいましたが、見事に間違えていたので問題にしたいと思います。間違いを指摘して正しい日本語にして下さい。
《文章の背景》ゴリラの研究をしている獣医師が、実験のために助手の女性にゴリラと長期間暮らすようにお願いしていたが、その後女性がゴリラと仲睦まじく接しているのを見て、獣医師が気付いたこと

作为兽医,我知道可怜的彼得(这只大猩猩)爱上了她。

トーア:では、まずニコにもう一度訳して貰おうかな。因みに「彼得」は「ピーター」でゴリラの名前です。

ニコ:「獣医として、可哀想なピーター(ただのゴリラなのに)が彼女を愛してしまったのだと分かった。」

トーア:うーん、( )の中がおかしいんだよね。

ニコ:(このただのゴリラ)じゃないの?

トーア:さあ、ミッチーはどう訳したのかな?

ミッチー:あらー、「彼得」って「ピーター」だったのね。私はてっきり「可哀想な彼」だと思ったわ。でも「得」をどう訳すのかが難しいなって。思いっきり間違えたわー💦

トーア:まあ、日本人的にはややこしいかもしれないけど、「彼」は中国語で「他」だよね。ニコの間違いとピーターが分かったことを踏まえて、もう一度トライしますか?

ミッチー:よし、ニコの間違えを踏まえてちょっと考えます。( )の中がおかしいんだよね・・・もしかして・・・あ、そういうことか!


2.量詞の「只」

ミッチー:「獣医として、可哀想なピーター(このゴリラ)が彼女を愛してしまったのだと分かった。」となるのかな?「只」はゴリラの量詞ということで良いのかな?

トーア:はい正解です。それが言いたかったのです。「只」が必ずしも副詞の「ただ~」という意味にはならないのです。ここにも感覚で訳してしまうと間違えるという問題が潜んでいるということを言いたかったのです。因みに、この量詞の「只」は実に幅広い使われ方をするのは知っていますか?

ニコ:ゴリラに「只」を使うということは、動物全般に使えるの?

トーア:そうだね。まず鳥・獣・虫などの動物に使います。例えば、

一只乌鸦=1羽のカラス
一只狮子=1匹のライオン
一只蟋蟀=1匹のコオロギ

トーア:それと、対になるべきもののうちの一つを数えるのにも使います。例えば、

一只手=片手
一只袜子=靴下の片一方
一只袖子=片袖

ニコ:へえー、動物だけじゃないんだ~。これは覚えておいた方がいいね~。


3.まとめ

トーア:今回のケースでは、「只」という量詞を知っていれば訳はそんなに難しいことではないんだけど、知らないと寧ろ副詞の意味に引っ張られることがあるということ。日本語の量詞も難しいけど、中国語の量詞も負けず劣らず難しいし、日本人にとってややこしいのは、量詞が日本語と同じ場合と全然違う場合があるということかな。例えば、

一杯啤酒=一杯のビール(量詞が同じ)
一条鱼=一匹の魚(量詞が違う)

ニコ:確かに!量詞を知っているのと知らないのとでは大違いだね。よし、分かった。これを機に量詞の勉強頑張ろう!

トーア:おお、意気込むのは良いんだけど、闇雲に暗記してもなかなか大変だから、一度出て来た量詞は確実に覚えることが大事かな。先程例に出した「条」なんかは

一条鱼=一匹の魚
一条黄瓜=一本のキュウリ
一条影子=一筋の影

という具合に、日本語だと全て違う量詞になったりするんだよ。でも「条」には法則があって、「細長いもの」の量詞になっているわけだね。まあ、ニコに「細長くない魚だっているじゃん!」と突っ込まれそうだけど・・・

ニコ:あら、先に言われたわ~。でもなんとなく分かるよ。感覚は鋭いから!

トーア:さっきは感覚で訳して間違えたんだよね・・・

ミッチー:いずれにしても、今回も勉強になりました。一度間違えた所はしっかり復習して間違えないようにしないとね。先生、ありがとう!

▼日中翻訳を依頼するなら

ありがとうございました。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す