心筋梗塞-壮年期-発症8日目-ゴードン-1-アセスメント

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【はじめに】

このブログでは、アセスメントや看護計画の見本を紹介します。
私が看護学生や新人看護師の時、看護過程の展開をするにあたって、どのように記載したら良いか分からずに困った経験があります。
そんな時、先生や先輩のアセスメントの見本を確認したときに、
「なんだこんな風に書けばよかったのか!」と今まで悩んでいた書き方が、
一気に整理できるようになりました。

「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、
書き方の見本を参考にすることで、理解が進み、自分の知識も広がります。
また、日本語の使い方や言い回しについて、学習することができるので、文章力をつけることにも役立つと考えています。

ぜひこのブログを参考にして、ご自身のアセスメント力の幅を広げる糧にして頂ければ幸いです。


当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです。ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用するようにしてください。

当ブログの内容を無断で複製・転用することは、許可していません。
著作権侵害に当たるので、他の方に見せたり、コピーして配布することは禁じます。

注意点を守って活用していただければ幸いです。


内容は適宜、最新の内容に更新します。
看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なりますので、確認する方によっては、一部不十分な部分がある場合があるかもしれません。


【心筋梗塞の基礎知識】

 心筋梗塞は、冠動脈の硬化により、狭くなった冠動脈が閉塞し、そこから先の血流が遮断されることで壊死を起こし、心筋細胞が破壊された状態である。臨床的には心電図や心筋生化学マーカーの異常を富まない、血行動態にも著しい障害をもたらした状態をいう。
 原因としては、動脈硬化により血管壁に脂質に富んだアテロームが形成され、このアテロームを包んでいる被膜が薄く避けて、その内容物が冠動脈内に流出し冠動脈が閉塞したことにより生じる。アテローム性動脈硬化を進展させる要因には、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、メタボリックシンドロームなどがある。


【サービス紹介】


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といったお悩みの方は、こちらのサービスを利用もございますので、
興味がある方は、気軽にご相談ください。
※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。



【アセスメント例】

〇患者情報

■B氏47歳 男性
■職業・家庭の役割 営業職
■キーパーソンと関わりの様子
妻 毎日16時頃面会に来ている。
■身体的能力
身長 180 cm体重 90 kg
視力、聴力、知覚(触覚・味覚・痛覚など)、 言語、運動能力など日常生活に支障をきたすものはない。
感染症(無)・アレルギー(無)
■気質・感情:我慢強く、何事にも頑張ってしまう傾向がある。
■食事:濃い味付け、塩気の多いものを好む。肉や炒め物などの脂っこいものが好物。 昼食はめん類か丼 
■活動:接待でよくゴルフに行く
■趣味:ゴルフ
■嗜好品:毎日ビール 350mLを2缶飲んでいる。20 歳より喫煙 20本/日程度。
■診断名:急性心筋梗塞
■既往歴:6年前、健康診断で高血圧と高脂血症を指摘された
■<発症から入院までの経過>
6年前に高血圧、高脂血症を指摘され食事指導を受けたが、実施していなかった。時々胸部痛が苦しくなることがあったが、安静にしていると消失したため様子をみていた。本日、営業先から会社に向かっている途中に突然、前胸部から左季肋部にかけて、締め付けられるような激しい胸痛が出現した。顔面蒼白・冷汗を認め、不快感を伴った。しばらく休憩するが改善されず、救急車で病院に搬送された。
■<入院時>
血圧 100/90mmHg、脈拍 120回/分(リズム不整あり)体温36.0度 呼吸25回/分 SpO2:89% 四肢の冷感と顔面蒼白が認められた。
12誘導心電図上V1~V4のST上昇あり。
心筋虚血発作に伴う胸痛発作と考えられ、急性心筋梗塞が疑われた。
静脈ラインよりヘパリン (1,000 単位/L)入りの輸液と酸素吸入(50/分)が開始された。
冠状動脈造影法(CAG)にて梗塞部位を確認後、経皮的冠状動脈インターベンション (PCI)が施行され、発症から 180 分で再灌流が得られた。
LAD(左前下行枝) #6 99%狭窄は 25%狭窄まで改善した。
LCX(左回旋枝) #11 75%狭窄は温存されたまま終了した。
CCU(冠動脈疾患集中治療室)での加療で合併症もなく急性期は順調に経過した。
発症4日目に循環器病棟へ転棟し病室内歩行が許可になった。
■<その後の経過>
発症7日目
バイタルサイン :体温 36.2度 脈拍数72 回/分(整) 呼吸数 14 回/分(規則的) 血圧 140/82mmH
胸部:両肺野の副雑音なし
皮膚:顔色良好 チアノーゼなし 浮腫なし 内出血なし
腹部:皮下脂肪あり 腸蠕動は腹部全体で聴取可
視覚:新聞や本などを読む時、眼鏡を必要とする
リハビリが病室内から廊下歩行 50mに進んだ(心臓リハビリテーション・ステップ7)。運動量の指示も守られており、前後の脈拍測定もできている。B氏は、「病棟内を歩くのは気分転換になる。でも、歩くだけで息切れがする」と話される。病棟内での活動はほぼ自立している。清潔に 関しては、シャワー浴(腰から下)と洗面所で要介助の洗髪が許可となった。「明日、シャワーをしよう」と笑顔である。「髪の毛は入院の前日に洗って以来、洗ってないから洗いたいね」と頭を掻いている。病棟外の検査時は車椅子で移動する。
食事は、毎食全量摂取している。本日の昼食は5分位で全量摂取。 A 氏は「食欲はあるよ。でも量が少ないからすぐお腹がすいて...。入院中は仕方がないね」「いつも昼メシはめん類か丼ものだね。すぐ食べられるものがいいし、好きだしね」とのこと。
睡眠は、良好で約8時間(22~6時)とっている。「寝る前に本を読んでいるよ。読書が好きだ からね」「趣味は、ゴルフかな。接待でもよく行くしね」
「こうみえても結構、なんでものめり込んでしまうほうだよ。負けず嫌いだからね。 仕事も頑張りすぎたのかな。こんなに大きな病気をしてしまって...」とため息ながらに話される。
排泄は、トイレまで歩行。排尿は1日5~6回(尿量1,000~1,200mL)、排便は3~4日に1回。 「トイレに行けるようになったから便も出るような気がするけど。今日はまた出ていない。もともと便秘気味だからね」と話される。最終排便は2日前。
妻が毎日 16時ごろ面会に来ており、下着やパジャマなどの洗濯物や周囲を整理している。子供たちは土・日に面会に来ている。妻は「とにかく仕事一筋の人なので、この入院を機に少し自分のの健康のことを考えてくれるといいのですが・・・」と話される。
■発症8日目
廊下 50m歩行のリハビリが行われた。活動後のバイタルサイン値の変化は以下の 通りである。
<表1> 左から呼吸数 (回/分) →脈拍数 (回/分)→血圧値(mmHg) 
安静時 14~16 72~74 140/84
トイレ歩行後 18~19 76~80 144/90
食事後 17~18 74~76 144/80
シャワー浴 18~20 83~84 164/80
廊下50m歩行後 18~19 78~80 144/88
シャワー浴を行い「久しぶりのシャワーですっきりした。でも湯船に早くつかりたいよ。お湯は熱めが気持ちいいよね」と話される。
食事は本日も全量摂取である。「食事については関心あるけど、実際は妻が調理するからね。そんなに厳しい制限はないでしょ。糖尿じゃないからね」と言っている。
薬は忘れずに服用しているが、それぞれの薬の作用については「詳しくは知らないけど、血圧の薬でしょ」と話される。「血圧が高いと言われたことがあるけど自覚症状がないから気にしてなかった。健康診断では、心臓が悪いと言われたことがなかったからびっくりしたよ。救急車の中で は、胸が痛くて死ぬかと思った。あの痛みがまた起こるかもしれないと思うと少し心配。親父も心筋梗塞で亡くなったしね」「健康には自信あったけど、心臓が悪くなるなんて...」と話される。
同僚や部下たちが面会にきて、A氏に療養に専念するように言っている。「部下は本当によくやってくれているよ。でもあまり迷惑はかけられないからね。早く復帰しないと」と言っている。
入院以来、喫煙はしていない。「CCUではタバコは欲しいと思わなかったけど、最近一服したくなった。退院したら吸いたいよ」「ストレスが溜まると、どうしてもタバコの本数が多くなってしまうね。でも、病気をしたことだし、少し減らそうかな」
15時、「(便が)出たよ。硬くて苦労した。腹に随分力を入れた」と言っている。
妻が、『心臓病の本』を持って面会にきた。「『自分のかかった病気だから、何とかしないと』と言って本を買ってくるように頼まれました。自分のことは自分で決めてきた人なので…。お医者さんの言うとおりにしてくれるといいのですけど」と話される。
特別な宗教や宗教的習慣はもっていないが、床頭台にお札があった。妻が神社で祈願してきたものである。
■【医師からの説明】
心臓に栄養を運ぶ血管が詰まって起きる急性心筋梗塞という病気。カテーテルで拡げる治療と血栓を溶かす薬でかなり改善しました。今後、リハビリが順調に進めば退院できるでしょう。高血圧と高脂血症があるので食事には気をつけましょう。食事については栄養士の指導を受けてもらいます。退院後は、生活習慣を変える必要があります。
■【本人と家族の受け止め方】
本人:今回は順調にいってよかった。こんなに大きな病気になるとは思わなかった。 退院後、自宅療養は妻もいるので心配ないが、仕事のことが心配だ。
妻:今後は食事をはじめ、仕事も無理をしないように注意していきたいと思います。
■<検査結果>
胸部X線 来院時 胸比(CTR) 58%  肺うっ血軽度 
     7日目 心胸比(CTR) 51% 肺うっ血なし 
12誘導心電図 来院時V1~V4でST上昇 7日目 異常Q波、冠性T波
心エコー 来院時 駆出率(EF):45%  前壁中隔の壁運動低下
     7日目 駆出率(EF):55% 
■<採血データ>
項目 単位 来院時 来院
6時間後 発症
7日目
CK U/L 来院時73 6時間後3,857 7日目240
CK-MB ng/dL 来院時26.1 6時間後415.9 7日目3.6
■ 胸痛時の指示
①12誘導心電図
②ニトログリセリン1錠(0.3mg)舌下
③ニトログリセリン舌下後 12誘導心電図
■ 薬物療法
ニトロールR 2 0 mg×2 (朝、夕)
ワルファリン 20 mg×1 (朝)
ヘルベッサーR30mg×3 (朝、昼、夕)
ノイキノン10 mg×3 (朝、昼、夕)
酸化マグネシウム0.5 g×1_(就寝前)
■食事療法
高血圧・心臓病食 1700Kcal 塩分 6g


〇アセスメント内容 全てのクラスター


〇健康知覚-健康管理 アセスメント内容

【健康知覚-健康管理で記載する内容】
■健康状態  ■受診行動  ■疾患や治療への理解  ■運動習慣
■服薬状況  ■身長・体重・BMI  ■飲酒・喫煙の有無  ■既往歴 など


■心筋梗塞とは心臓(心筋)が酸素不足になり壊死する病気である。心筋を取り巻いている冠動脈は心臓に血液と酸素を送っており、これが動脈硬化で硬くなりコレステロールなどが沈着すると血液の通り道が塞がれ、心筋に血液を送ることができなくなる。そのため心筋は酸素不足となり、心筋細胞が壊死を起こしてしまう。心臓は体全体に血液を送り出すためのポンプの役割を果たしており、心筋壊死を起こすと循環動態が阻害されてしまい、生命の維持が困難となる。B氏は、急性心筋梗塞の診断を受け、PCIにより一命を取りとめ、CK・CK-MBも低下している。しかしLADは25%狭窄、LCX#11 75%狭窄の後遺症が残っている。術後は心筋梗塞の再燃や不整脈の出現により、急変の可能性があり、ADLの拡大は十分な見守りの元、実施する必要がある。
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