腸閉塞‐老年期‐入院7日目  ゴードン-1-アセスメント

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【はじめに】 

このブログでは、アセスメントと看護計画の見本をご紹介します。 

当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです!
※ ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用してください。 

私が看護学生の時、先生や先輩の見本を確認させていただき、 
「なんだこんな風に書けばよかったのか!」と、書き方が 一気に整理できるようになりました。 
プロの作成方法を見ることで、理解が進み、知識が身につき、文章力をつけることにも役立つと考えています。
ぜひこのブログを参考にして、アセスメント力を向上していただければ幸いです。

【留意点】
当ブログの内容を無断で複製・転用・配布することは、禁止します。 
・内容は適宜、最新の内容に更新することがあります。
・看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なります。

【サービス紹介】 
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 ※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。


【今回の情報】

〇基本情報
・氏名:K氏
・性別:男性
・年齢:67歳
・現病歴:腸閉塞
・既往歴:虫垂炎、大腸がん
・身長:170 cm
・体重:75 kg
・家族構成:妻と二人の成人した子供と孫がいる
・職業:退職した元会社員(営業職)
・性格:温厚で落ち着きがあり、自己主張があまり強くない
・嗜好:和食が好きで、特に寿司と天ぷらが好き
・飲酒:週に2-3回、ビールを飲む
・喫煙:かつて喫煙していたが、健康を考えて10年前に禁煙した
・趣味:釣りと庭いじりが好き。特に孫と一緒に釣りに行くのを楽しみにしている
・食事:全量の食事を自力で摂取できていた。現在は絶食中で、退院後は好きな和食を毎日楽しみにしている。
・水分:1日に約500~700mlの水分を自分で摂取している。現在は水分のみ摂取可となっている。
・嚥下力:嚥下状態は正常で、特にむせ込むことはない。
・認知機能:認知機能は正常で、日常生活や会話に困ることはない。
・睡眠:一晩で約6時間睡眠している。不眠症はなく、睡眠剤の使用もない。
・服薬:薬の服用は規則正しく、飲み忘れはない。薬の種類と服用時間をきちんと管理している。
・コミュニケーション:人とのコミュニケーションを楽しんでおり、特に孫と話す時間を楽しんでいる。
・歩行 移乗:歩行や移乗に支障はなく、自力で行えている。
・排尿:1日に5回程度、排尿しており、量は各回で約200ml。自力でトイレに行き、介助は不要。
・排泄:2日に1回程度、大量に軟便~普通便が排泄される。3日目まで排便がない場合は下剤を増量して服用し排便コントロールをしている。自力でトイレに行き、介助は不要。
・入浴:週2回程度入浴し、その際の移動や着脱は自分で行っている。
・着脱:衣服の着脱は自力で行っており、介助は不要。
・アレルギー:特にアレルギーはない。
・信仰:特定の信仰はないが、年に数回、仏教のお寺に行ってお経をあげることがある。

〇入院経緯
"K氏は、以前から大腸がんの手術歴があるため、その影響で経時的に通過障害が生じ易い体質となっていた。そのため、食事や排泄には常に注意を払っていたが、ある日突如として腹痛と嘔吐が始まり、その症状が悪化していく中で普段の生活に支障を来すようになった。自身でも異変を感じていた彼は、家族とともにすぐさま近くの病院へと駆け込むこととなった。
病院での診察の結果、彼の症状は腸閉塞と診断され、緊急入院が決定された。

〇治療経過
この腸閉塞は大腸がんの手術により生じた瘢痕組織が原因であり、その組織が腸内で物理的な障害となり、食物の通過を阻害していた。既に通過障害が発生しているため、全量の食事摂取は不可能となり、水分のみの摂取が許可された。これにより、K氏は退院後、再び好きな和食を楽しみにしている。
●入院当日(入院1日目):腹痛と嘔吐の症状で急性腸閉塞と診断され、緊急入院。閉塞の可能性がある部位を特定するために、内視鏡検査を行う。それにより、手術ではなく保存療法で症状が改善する可能性があると判断し、静脈栄養を開始して身体状態を安定させる。
●入院2日目:腸閉塞の症状を改善するための薬物療法を開始。抗生物質を投与し、感染の予防を図る。また、腹痛と嘔吐を和らげるための消化器系の薬を服用開始。
●入院3日目:病状のモニタリングを続け、閉塞部位の観察を行う。腹部の痛みと嘔吐の症状が徐々に改善し、保存療法の効果が見られる。静脈栄養は続行。
●入院4日目:腸閉塞の症状がさらに改善し、静脈栄養による栄養状態の維持と薬物療法が効果を発揮していることが確認される。消化器系の薬の量を徐々に減らし始める。嘔気や嘔吐の症状は治まり腹痛もみられていない。
●入院7日目:内視鏡検査で閉塞部位の改善が確認され、腸閉塞の症状が大幅に改善。この結果を受けて、少量の食事も開始の方向である。静脈栄養は継続しつつ、飲食量をゆっくりと増やしていく計画を立てる。イレウス管の挿入を必要としないで済んだことは、症状の改善に対する良い指標となる。抗生剤は内服に切り替えとなった。
点滴内容:ビーフリード輸液1000ml/日

〇バイタルサイン
入院当日(入院1日目):体温 36.8℃、脈拍 88回/分、血圧 138/82 mmHg、呼吸数 18回/分、SPO2 98%(室内空気)

入院3日目:体温 36.5℃、脈拍 82回/分、血圧 134/80 mmHg、呼吸数 17回/分、SPO2 99%(室内空気)

入院7日目:体温 36.6℃、脈拍 78回/分、血圧 132/78 mmHg、呼吸数 16回/分、SPO2 98%(室内空気)

〇言動
K氏「こんなに痛いとは思わなかった。早くよくなりたい」「今回は手術にならなくて良かった。まだ釣りに行けるからね」

妻「主人がこんなに辛そうなのを見るのはつらいわ。でも、先生方が頑張ってくれているから、安心しています」

〇内服薬
・整腸剤:ラキソベロン 寝る前15滴~
・下剤:マグミット 2錠 夕食後服用
・抗生物質:クラリスロマイシン 200mg 1日2回 食後服用
・抗酸剤:オメプラゾール 20mg 朝食前服用
・鎮痛剤:セレコックス 200mg 疼痛時服用

〇採血データ
・総蛋白:7.0 g/dL
・アルブミン:4.0 g/dL
・BUN:22 mg/dL
・GFR:60 mL/min/1.73 m^2
・K:4.5 mEq/L
・Na:140 mEq/L
・Hb:13 g/dL
・WBC:7.0 x 10^3/uL
・ALT:20 U/L
・AST:22 U/L
・CRP:0.5 mg/dL
・LDH:180 U/L
・CK:150 U/L
・TP:7.0 g/dL
・HbA1c:6.5%
・Fasting Blood Glucose:110 mg/dL
・Total Cholesterol:190 mg/dL
・Triglycerides:130 mg/dL
・HDL-Cholesterol:45 mg/dL
・LDL-Cholesterol:100 mg/dL

【アセスメント】

1.健康知覚-健康管理

〇健康状態、受診行動、疾患や治療への理解、運動習慣、服薬状況、身長、体重、BMI、飲酒、喫煙の有無、既往歴
●健康状態
K氏の健康状態は腸閉塞による嘔気症状があったが、完全に閉塞はしていなったことや治療を開始したとで症状は安定している。血液検査結果から、栄養状態は概ね良好であるが、低いGFRから軽度の腎機能障害が疑われる。虫垂炎と大腸がんの既往歴を持ち、現在は腸閉塞のために絶食中であることを考慮すると、K氏の栄養状態と腸の機能は看護の課題である。

●受診行動、疾患や治療への理解、服薬状況
K氏は自己管理能力があり、治療に協力的である。既往歴からは、定期的な受診行動を示していると考えられる。現在、複数の薬を使用しているが、服薬状況は不明である。抗生物質や抗酸剤、鎮痛剤の使用から消化器系の状態と疼痛管理が重要である。 服薬管理や服薬状況について情報収集が必要である。

●身長、体重、BMI、運動習慣
K氏の身長は170cm、体重は75kgであり、これに基づくBMIは正常範囲である。しかし、現在の病状や絶食状態を考慮すると、体重や栄養状態の変動には注意が必要である。また、運動習慣は詳しくは記載されていないが、趣味である釣りや庭いじりからは適度な運動をしていると思われる。しかし、現病状による活動制限や長期的な療養生活により、筋力低下や運動能力の低下が考えられる。

●呼吸に関するアレルギー、飲酙、喫煙の有無
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