大腿骨転子部骨折-老年期‐入院7日目‐ゴードン‐1アセスメント

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【はじめに】

このブログでは、アセスメントの見本をご紹介します。
私が看護学生や新人看護師の時、看護過程の展開をするにあたって、どのように記載したら良いか分からずに困った経験があります。
そんな時、先生や先輩のアセスメントの見本を確認させて頂き、
「なんだこんな風に書けばよかったのか!」と今まで悩んでいた書き方が、
一気に整理できるようになりました。
「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、
書き方の見本を参考にすることで、理解が進み、自分の知識も広がります。
また、日本語の使い方や言い回しについて、学習することができるので、文章力をつけることにも役立つと考えています。
ぜひこのブログを参考にして、ご自身のアセスメント力の幅を広げる糧にして頂ければ幸いです。
当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです。ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用するようにしてください。
当ブログの内容を無断で複製・転用することは、許可していません。
著作権侵害に当たるので、他の方に見せたり、コピーして配布することは禁じます。
注意点を守って活用していただければ幸いです。
内容は適宜、最新の内容に更新します。
看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なりますので、確認する方によっては、一部不十分な部分がある場合があるかもしれません。

【サービス紹介】
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興味がある方は、気軽にご相談ください。
※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。

【今回の情報】

〇基本情報
・氏名:A氏
・性別:女性
・年齢:88歳
・現病歴:大腿骨転子部骨折
・既往歴:骨粗鬆症
・身長:152cm
・体重:50kg
・家族構成:一人暮らし、二人の成人した子供と定期的に連絡を取っている
・職業:元小学校の先生
・性格:明るい、社交的、少し頑固
・嗜好:日本の伝統文化、特に日本茶と華道
・飲酒:週に一、二回、少量の日本酒
・喫煙:なし
・趣味:華道、読書、散歩
・食事:全量の食事を自分で摂取できているが、食事の途中で疲れてしまうことがあり、時々、スプーンを持つ手を支える介助が必要となる。
・水分:日に1500mlの水分を自分で摂取できているが、水分補給を忘れがちで、家族から声をかけられている。
・嚥下力:嚥下状態は正常で、特にむせこむことはない。
・認知機能:一部の名前を忘れることがあるが、日常生活に支障はなく、一人で生活できている。
・睡眠:普通に睡眠をとることができ、特に不眠症状はなく、睡眠薬は使用していない。
・服薬:一日二回、骨粗鬆症の薬を服用しているが、飲み忘れることはなく、家族が管理している。
・コミュニケーション:家族や友人とのコミュニケーションは活発で、電話やメールで頻繁に交流している。
・歩行・移乗:杖を使用して自宅内を歩行することができ、移乗も一人で行えるが、立ち上がるときには手すりの支援が必要。
・排尿:1日に4~5回、普通量の排尿があり、自分でトイレへ行くことができる。
・排泄:1日に1回、正常量の排便があり、自分でトイレへ行くことができる。
・入浴:週に1回、自宅のユニットバスで入浴しているが、風呂椅子を使用し、浴室への移動には家族の介助が必要。
・着脱:上着のボタンの扱いに苦労することがあるため、大きなボタンのついた服やファスナー式の服を着用し、自分で衣服の着脱を行っている。
・アレルギー:特定のアレルギーは報告されていない。
・信仰:仏教を信仰しており、日常的に仏壇に手を合わせる習慣がある。

〇入院経緯
 2週間前、A氏は自宅での散歩中に滑って転倒しました。転倒した後、A氏は立ち上がることができず、大腿骨に激痛を感じたのです。A氏は息子に電話をし、救急車を呼んでくれるよう頼みました。救急隊員が到着し、応急的な処置を行った後、A氏は最寄りの病院へ搬送されました。
病院での検査結果によると、A氏の大腿骨転子部は骨折しており、骨折の手術が必要と判断されました。その日のうちに手術を受け、手術は成功しました。その後、A氏は病室での安静を指示されました。

 入院後、A氏はリハビリテーションを開始し、現在は歩行の練習を行っています。手術後14日目となる現在、A氏の回復は順調です。しかしながら、骨粗鬆症の治療とリハビリテーションの継続が必要であるため、引き続き入院生活を送ることとなりました。
 手術初日の大腿骨転子部骨折の手術は成功し、その後もA氏の経過観察で異常は見られませんでした。手術後1週間経過したところでリハビリテーションを開始し、最初はベッド上でのレッグリフトから始めました。手術後2週間目には、看護師の支援のもとで床上での歩行練習を開始しました。
 食事は摂取できていますが、A氏は時々疲れてしまうため、食事の途中で休憩を挟むこともあります。骨粗鬆症の薬を服用していますが、A氏は忘れずに飲むことができ、その管理は家族が行っています。水分補給を忘れがちなので、家族からの声掛けにより、日に1500mlの水分摂取が続けられています。
 肉体的なリハビリテーションと並行して、A氏は社会的なリハビリテーションも行っています。例えば、家族や友人との電話やメールの交流が頻繁に行われています。杖を使って移動ができるようになったものの、立ち上がるときには手すりの支援が必要です。週に1回、家族の助けを借りて自宅のユニットバスで入浴しています。

 手術から1ヶ月が経過した現在、A氏のリハビリテーションの進捗は順調であり、これからも継続的なリハビリテーションを行う予定です。

〇バイタルサイン
・入院初日 (2023年7月10日):血圧 125/80 mmHg、心拍数 78 bpm、体温 36.7°C、呼吸数 16回/分、SPO2 98% (室内空気)
・手術後3日目 (2023年7月13日):血圧 130/85 mmHg、心拍数 80 bpm、体温 37.1°C (微熱が続いているが、手術直後の体調変動と考えられる)、呼吸数 17回/分、SPO2 96% (酸素マスクを用いることなく保たれている)
・手術後1週間 (2023年7月17日):血圧 120/75 mmHg、心拍数 72 bpm、体温 36.5°C、呼吸数 16回/分、SPO2 98% (手術後の状態が安定し、血圧や心拍数も通常範囲に戻っている)
・手術後1ヶ月 (2023年8月10日):血圧 120/80 mmHg、心拍数 75 bpm、体温 36.6°C、呼吸数 16回/分、SPO2 98% (一貫して安定したバイタルサインが確認されている)

〇言動
・A氏: 「手術はちょっと怖いけど、早く歩けるようになりたいわ。それに、孫たちにもまた華道を教えたいのよね。」(手術前の日)
・家族(長男): 「母は頑固なので、早く退院したがると思いますが、無理はさせないでくださいね。手術が成功することを祈っています。」(手術前の日)
・A氏: 「この薬、骨を強くするんだってね。忘れずに飲むようにしてるわ。」(骨粗鬆症の薬について、手術後の定期診察時)
・家族(次女): 「母が元気になって、また一人で生活できるようになることが一番です。それに、また一緒に散歩に行きたいな。」(手術後のリハビリ中)
・A氏: 「手術は成功したし、これからはリハビリに専念すればいいのよね?早く杖無しで歩けるようになりたいわ。」(手術後1週間、リハビリ開始時)

〇内服薬
ビスホスホネート製剤(アレンドロネート): 週に1回、朝食前に水と一緒に摂取。骨粗鬆症治療薬。
カルシウム剤: 1日2回、食事後に摂取。骨を強化するサプリメント。
ビタミンD製剤: 1日1回、朝食後に摂取。骨を強化し、骨粗鬆症の予防に役立つ。
高血圧薬(アムロジピン): 1日1回、朝食後に摂取。血圧を管理するための薬。
スタチン製剤(プラバスタチン): 1日1回、夕食後に摂取。コレステロールを管理するための薬。

〇採血データ
・総蛋白: 7.0 g/dL
・アルブミン: 3.8 g/dL
・BUN (尿素窒素): 20 mg/dL
・GFR (糸球体濾過量): 60 mL/min/1.73 m^2
・K (カリウム): 4.5 mEq/L
・Na (ナトリウム): 140 mEq/L
・Hb (ヘモグロビン): 12.0 g/dL
・WBC (白血球): 6.0 x 10^3 /µL
・血糖 (fasting): 90 mg/dL
・ALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ): 15 U/L
・AST (アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ): 20 U/L
・CRP (C反応性蛋白): 0.2 mg/dL
・LDLコレステロール: 110 mg/dL
・HDLコレステロール: 55 mg/dL
・トリグリセリド: 110 mg/dL
・TSH (甲状腺刺激ホルモン): 3.0 µIU/mL
・尿酸: 4.8 mg/dL
・血清クレアチニン: 0.8 mg/dL
・カルシウム: 9.0 mg/dL
・ビタミンD: 30 ng/mL
・フェリチン: 150 ng/mL
・PT-INR: 1.0
・マグネシウム: 2.0 mEq/L


【アセスメント】

1.健康知覚-健康管理
〇健康状態、受診行動、疾患や治療への理解、運動習慣、服薬状況、身長、体重、BMI、飲酒、喫煙の有無、既往歴"
1.健康知覚-健康管理
● 健康状態
A氏は88歳の女性で、健康状態は比較的安定している。一人暮らしをしており、日常生活を自立して過ごすことができている。ただし、骨粗鬆症の存在と大腿骨転子部骨折の経験から、骨の健康が課題となっている。また、食事の途中で疲れることがあり、手すりの支援が必要であるとのことから、身体的な疲労感が見受けられる。排尿や排便は自力で行えているが、立ち上がるときや入浴時には支援が必要であることから、一部の動作に制限がある。視覚や嚥下機能に問題は見られない。

● 受診行動、疾患や治療への理解、服薬状況
A氏は健康状態についての理解があり、自身の病状についても十分な認識がある。一日に二回の骨粗鬆症の薬を服用しており、飲み忘れることはない。服薬は家族が管理しており、飲み忘れが防がれている。しかし、A氏自身も薬への注意力が高まることが望ましい。

● 身長、体重、BMI、運動習慣
A氏の身長は152cm、体重は50kgである。これによりBMIは21.6と算出され、適切な範囲内である。A氏の運動習慣としては、自宅内で杖を使用した歩行がある。しかし、大腿骨転子部骨折の経験から、安全な運動方法や転倒防止についての教育が必要である。
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