苗字のルーツがわかりにくい地方ってあるの?

記事
コラム
 これまで、数千件の苗字調べ、ルーツ調べをしてきたのですが、その中で気付いてきたのは

「苗字やルーツが調べにくい地方」「氏族の動向がわかりにくい地方」

がある!ということです。

 もちろん、全国どこであっても、みなさんのご先祖様に対する思いは変わらないので、ルーツを知りたい!という気持ちはどこでも同じなのですが、実際には「ここはちょっと難しいぞ!」というエリアがあるのも事実です。


 そこで、今回は、「ルーツがわかりにくい地方」をいくつか紹介してみたいと思います。もし、万一、その地方出身の方がおられたら残念に思うかもしれませんが、それでもあえて調べてみる価値はあるかもしれません。


=========


◆ 北陸地方 ◆

 なんと言っても、ルーツを追いかける上で苦戦するのは「福井県・石川県・富山県・新潟県」です。

 これらの地域は「旧・越(こし)地方」「越(こし)の国(くに)」と呼ばれたエリアで、「越前・越中・越後」に相当するのですが、とある理由で江戸時代以前のルーツが、非常にわかりにくいです。

 その理由というのは「加賀一向一揆」です!

 そもそも、地名と苗字はとても強く結びついているのですが、ある氏族が「ここを領地とするぞ!」と主張するために「地名を苗字として名乗る」のが一般的です。

 なので、基本的には荒っぽい言い方ですが、「その苗字と同じ武将がそこらへんにいる」というのが普通の地域なのですね。

 だから戦国時代などの記録を見て、「その地域に、おなじ苗字の武将が活動していて、なおかつその武将の先祖は鎌倉時代や室町時代の守護地頭などの分れ」なんてことが判明すれば、まあざっくりですが、その人は、その武将らの氏族の子孫と考えても、あながち外れてはいません。

 もっとズバリだと、その県や市や郡の「市町村誌」に、「この苗字の人は、この武将の子孫の家柄」とはっきり書いてあることすらあるくらいです。


 ところが、加賀一向一揆というのは、「地縁に基づいた集団」ではなく、「信仰に基づいた集団」なので、その土地とは関係なく、けっこうダイナミックに動きます。

 一乗谷の越前朝倉氏と戦ったり、信長と戦ったり、「旧越国エリア」をあっちこっちへ移動するので、(それも地場の拠点と関係なく動く)追いかけるのが大変です。

 それどころか、一向一揆のメンバーというのは、上下の身分がしっかりした「指揮系統」がはっきりしているわけではなく、「神仏の前には平等」のイメージが強いので、「偉い大名→強い武将→中堅の地侍→足軽や土豪」という序列になっていないのです。

 もちろん、一向一揆衆にも名だたる武将はいることはいるのですが、それ以外は影が薄いのが実態・・・。

 加賀は「百姓の持ちたる国」と呼ばれたように、一種の「共和国」になっていたので、序列がはっきりしないのは、当然でもありました。


 最終的に、旧越国の苗字はどうなっているかというと、明治前後になってから「昔の氏族」ではなく、「村の中でどこらへんに住んでいたか」で苗字をつけたパターンも多いようです。

 となると、おおもとの氏族を追いかけようにも、その痕跡すらわからない。村じゅう、みんなそんな感じ、ということもあります。



========


◆ 北海道地方  ◆


 北海道は、明治になってから移住した人たちで構成されているエリアです。この地方は、ある条件さえ満たせば、とてもわかりやすいのですが、その条件が満たせないと、一気に難しくなります。


 その条件とは、「戸籍を辿って北海道からまずは脱出すること」です。

 ご自身で戸籍を遡って取得なさって、「〇〇県から来たらしい」というところまでわかっていれば、あとはけっこう追いかけられるのですが、「おじいさんの戸籍をとったことがありません!」という場合だと、一般論しかお伝えできない場合があります。


 まず、「屯田兵」だった場合は、しっかり名簿が残っているので、そのものズバリご先祖さまと名前の突合せができます。

 集団開拓の場合や、各藩が領地を北海道に持った場合の武士の移住も、追いかけやすいです。

 集団での開拓は、石川県など、特定の地域からみんなでやってきているので、出発地側にも記録があるし、開拓・定住地のほうにも記録があったりします。


 ところが、「呼び寄せ」などで後からやってきたものについては、個別のおうちの事情が強くなるので、非常にわかりにくいのです。

 どこそこに最初に親戚が開拓にやってきて、それから世代が変わる間に、その親類が縁を伝ってやってきた、といったものや、炭鉱関係で九州の炭鉱から移ってきた、などは、その人の個人的な話の部分が大半なので、公的資料で追いかけるのが難しくなります。



========


 もし、ルーツ調べに不安がある場合は、ココナラさんでは事前に見積もりを取れたり、DM(ダイレクトメッセージ)機能で、問い合わせができるので、ご依頼前に相談してくださってもかまいません。

 ぜひ、そうした機能をご活用ください!
















サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す