【サンプル記事】二十四節気と薬膳

記事
コラム
あちこちで薬膳や漢方の記事も書いているので、サンプルとして、二十四節気(立春)と薬膳についての文章を書きました。
約2000字です。



立春(りっしゅん)2月4日頃
節気の詳しい説明
二十四節気では、この日からが暦の上での春であり、一年の始まりです。節分の翌日であり、『春立つ』とも言う日になります。お茶摘みの八十八夜などは、この日から数えての日にちです。

立春を迎えて最初の午の日(初午の日)は、一年のうちで最も運気の高まる日です。初午の日には、稲荷大神のお使いであるキツネに、油揚げやお団子などをお供えします。

また、『立春大吉』と書いた紙札をこの日の早朝に鬼門に貼ると、厄除けとなり、一年間災難に合わない、と言われています。『立春大吉』が、縦書きすると左右対称となるおめでたい字から来ることのようです。

間違えやすいですが、『寒中見舞い』は立春の前日までです。以降は『余寒見舞い』とされます。

気候の詳しい説明
まだ雪も降る季節ではありますが、この時期を超えると寒さが少しずつ和らぎ始めます。外に出るのが少しずつ楽になってくる時期です。

木の芽が出て、梅の花が咲き始めると、気温からしても見た目からしても、春の始まりです。福寿草やヒナギク、ネコヤナギなども咲き始める時期でもあります。まだ緑は少ない季節ですが、外で花を探して愛でてみませんか。

また、立春を過ぎて初めて吹く強い南風が『春一番』です。立春の始まりを頭に入れて、日々の天気に気をつけて見ていると、『これが春一番かな?』と気づきやすいでしょう。

養生法の説明(この時期すべき生活の仕方)
寒さが峠を過ぎて和らぎ始めますが、急に着るものを減らしてはいけません。冷えは万病の元です。まだまだ素肌はさらさないことが肝要になります。

三寒四温ともいい、寒くなったり暖かくなったりが激しい季節でもあります。頭寒足熱を心がけ、特に下半身は冷やさないよう、服装に気をつけましょう。タイツやレッグウォーマーなどが役に立ちます。

春の始まりは、冬の間に貯めた力で新しいことを始める時期ですが、体力(気)が体中によく巡らないと、十分な力が発揮できません。香りの良い食材は気を巡らせます。柑橘類やハーブ、薬味類をとって気を巡らせましょう。大衝などのツボなどを押すのもおすすめです。

部屋にこもるのは避けて、咲き始めた花々を愛でに外に出て、適度に体を動かしましょう。体を動かすことは気を巡らせる助けにもなります。

また、春は風の邪気(風邪、ふうじゃ)によって上半身にトラブルが起きやすい季節とされます。花粉症、カゼによるくしゃみ、頭痛、鼻水、目のかゆみに気をつけましょう。

頭に出るトラブルが多い季節のため、髪を固く結ったままにしないことも大事です。よく髪をとかしてゆるく結い、頭の気の巡りを良くしてあげましょう。

おすすめの食材
・七味唐辛子
日本が誇るミックススパイスです。七味唐辛子に含まれる唐辛子、山椒、生姜などが気を発散させて体を温めてくれるため、まだ寒い時期に良いです。

また、七味唐辛子に含まれる陳皮、青紫蘇などは胃腸を動かし気を巡らせてくれるため、気を巡らせることが大切な春において、とても良い食材です。

七味唐辛子はどんな料理にでも合うミックススパイスで、うまく使えば減塩にも役立ちます。特に、出汁をしっかりとった味噌汁に七味唐辛子を入れれば、味噌が少なめでもおいしく飲むことができます。

また、七味唐辛子をむらなく混ぜ込んだご飯で作ったおにぎりもおいしいものです。

・せり
日本のメジャーな香味野菜(ハーブ)です。強い香りが気を巡らせてくれます。体の余分な熱を取り、水分の代謝を良くするため、熱のこもった関節痛などにも良い食材です。

血もめぐらせてくれるので、肩や首のこりなどにも良いでしょう。強い香りの食材にはストレスを和らげる働きもあるため、せりは4月からの新生活をストレスに感じてこわばった体を緩めてくれます。

気血を巡らせる食材であるため、牛肉や鶏肉など、気血を補う食材との相性がよいです。

・豚レバー
精をつけることで有名な食材です。薬膳では、豚は肉より内臓のほうの効果が強いとされます。

豚レバーは、血を補い、水分代謝を良くし、体を温めます。目をスッキリさせる効能(明目)もあり、目のトラブルが起きやすい春にピッタリと言えるでしょう。

栄養学的には、ビタミンB群の宝庫であり、ビタミンAなども豊富で、糖などのエネルギー源を体力に変える食材と言えます。ニラ、ネギなどと一緒に取ると気を巡らせる効果が加わってより良いです。

・ぶり
この時期によく油の乗ったものが取れる魚です。気と血を同時に補い、体にスタミナを付けてくれます。体力減退、虚弱体質、貧血、息切れ、めまい、眼精疲労などに良いです。

気を巡らせることが春には必要ですが、気の絶対量が不足している人も多いため、気を巡らせる食材と同時に、ぶりのような気血を補う食材を取ると良いでしょう。

山椒、生姜、ネギなどと一緒に取ると、気血を補うだけでなく、気血を巡らせることができます。
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