こんにちは、元公認会計士のeesky福島です(^^)
最近色々な会社がAIを使った資産運用を提言したりしていますが、その中でも有名なのがWealthNaviです。
過去のデータに基づいて、資産配分の設定や金融商品の選定、入金、発注などを全自動でやってくれる仕組みです。
初期投資額100万円で、毎月3万円を積み立てると、30年後に元本1,180万円が50%の確率で2,385万円以上になるという試算がなされていたりします。
*投資なので絶対はないですが
こういったAIを使った投資の場合、物凄いリターンを得られると期待しがちですが、上記の試算データによれば30年かけて約2倍になるという程度です。
例えば月利10%だと1年で元本は約2倍になる計算なので、AI を使った資産運用のパフォーマンスは決して高い訳ではありません。
では、AIを使った資産運用は何が有効かというと、当然知識がなくても、資産配分の設定や金融商品の選定、入金、発注などを行って運用出来るという点ですが、
長期投資で一番難しいのは下がって含み損の時などに当初の計画を中断して止めてしまう事です。
日本の投資信託の平均保有年数は3年くらいなんだそうで、30年も持つ事が難しいという事です。
これは、投資をやった事がある人は分かると思いますが、当初はここまでの含み損は耐えようと思っていてもいざ含み損が膨らむと、もう上がらないのではないかと不安になってしまい、早めに損切り決済してしまったり、少しの損も嫌なので当初の利益確定ポイントより手前で決済してしまったりなどです。
ゆえに、当初理論的に立てたはずの計画を一時の感情で台無しにしてしまうような機会が期間が長くなればなるほど多くなるという事です。
リーマンショックの直前に資産運用を始めても、10年間売らずに持ち続けていれば、しっかりとリターンが出ているというグラフは、さまざまなところで紹介されています。
が、実際はリーマンショックで下がった時にもう上がらないのではないかと思い損切りしてしまう事が多いという事です。
よって、AIではこれを防止するために、
アクセス回数や普段見ない画面へのアクセスといった行動データを、機械学習のモデルにかけて異常値を見つけ、6つのモデルについてスコアリングを行い、通常との違いを示す異常スコアをAIで導き出し、この異常スコアの高いユーザーに、中断を思いとどまらせるようなアドバイスを行うのだそうです。
「例えば、普段と違う深夜などに何度も運用成績をチェックしたり、出金画面にアクセスしたりといった行動が続けば、その人は投資を中断しようかと悩んでいるのではないかと推定できる。その時、メールやアプリのプッシュサービスを使い、長期投資のメリットを改めて説いたり、今後の株価の見通しを伝えることで、投資の継続を促す。」のだそうです。
これは確かに有用なアドバイスだと思いました。
投資は基本的に1人で画面に向かって判断を下すので、ついつい自分の感情に支配されやすくなります。
そこで、当初の計画を理論的に説いたアドバイスを見る事で、冷静になる事が可能だからです。
こういう視点でのAIの活用はとてもよいと考える次第です。
ただ、手数料が運用資産の年間1%というのはかなり高く、
パッシブ運用の投資信託などであれば年間0.1%以下などの商品もあるので、
こういうAIを使っての運用ももう少しサービスが乱立し競争になって手数料が引き下げられた段階から始めるのがよいと考えます。