システムトレードとは何ぞや?

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マネー・副業
今回は、最も重要なことですが、そもそもシステムトレードとは何であるか、それを行なうことでどんなメリットがあるのかについて、考えたいと思います。

KFシステムクリエイターを起動し、システムトレードを行ないたい銘柄をセットアップしますと、サマリーページには様々な情報が表示されます。
そこには、銘柄名やシステム名、起点日や終点日などといった項目があり、薄茶色や薄赤色の欄は、ユーザーが自由に変更できるようになっています。

起点日や終点日を、株価データが存在する任意の日付に変更しますと、それに合わせて様々な性能指標の値が変化します。また、テーブルNo.欄を"0"に設定し、手動設定欄の値を変更しますと、やはり同様に性能指標の値が変化します。
これらの操作に応じて、場合によっては売買判定欄に「買い」や「売り」などの表示がなされるかもしれません。

ここで重要なことは、日付やパラメータを変更すると、それに応じて性能指標や売買判定などの値が、一意的に決定されるということです。

それは、その操作を行なった日時や人物、パソコン等によって変わることはありません。誰がいつ、どのパソコン(エクセルは対応バージョン要)を用いても、結果は一緒です。
これこそが、システムトレードの最大の特長であり、一般的な裁量トレードでは成し得ないことです。

裁量トレードでは、同じ株価データやチャートを用いても、それを見る人によって売買判断は異なることが普通です。
また、同じ人が同じ売買手法でトレードしても、その時の気分によって判断が分かれることもあるでしょう。

例えば、ある株価チャートを元に、そのチャート上の売買ポイントをチェックしてみます。そうしたら、それを記録し、一旦しまい込んで内容を忘れてしまいましょう。
十分な時間が経過した後に、同じ株価チャートを用いて同様に売買ポイントをチェックします。そして、それを何度か繰り返します。

いくつかの結果が集まりましたら、それらを比べてみてください。いかがでしょうか?全く同じ売買ポイントがチェックされているとしたら、その方はシステムトレードを改まって行なう必要はありません。
なぜならば、その方が行なっているトレード手法こそが、システムトレードそのものだからです。

それ以外の多くの場合は、売買ポイントにズレが生じるものと思います。それはすなわち、その時の気分によって売買判断にズレが生じていることに他なりません。

もちろん、そのことを全て否定するわけではありません。結果的には、それによってより多くの収益を上げている方もいらっしゃることでしょう。
売買ポイントにズレが生じているのは、投資手法が日々進化しているからだ、と捉えることもできます。

同じ事を、トレーディングシステム(KFシステムクリエイター)で行なってみたら、どうなるでしょう?起点日と終点日、そして2つのパラメータを記録し、性能指標を全てコピーします。
その後、日付やパラメータをいろいろと変えてみたり、ファイルを一旦閉じてから再び開いてみたり、場合によっては別のパソコンで開いてみたりしてください。

そして、その後再び、最初に設定した起点日と終点日、パラメータを入力して、性能指標を最初にコピーしておいたものと比較してみてください。
当たり前の話ですが、全く同じ結果が得られているものと思います。これこそが、システムトレードが「システム」トレードと呼ばれる所以です。

すなわち、システムトレードを実践することによって、誰がやっても同じトレード、言い換えれば、その時の気分に左右されないトレードが実現できることになります。

売買判断は、システムが指示してくれます。建て玉数は、システムが指示する場合もありますが、運用者が決定する場合もあります。
マネーマネジメントに関する部分まで、システムトレードに含めるかどうかについては、様々な意見があり、明確な指針があるわけではありません。

一旦出来上がったシステムについては、運用者が行なうことはそう多くありません。日々のデータを更新したり、システムの指示に従って売買したりするだけです。

これらは、日々自動的に処理することも可能です(KFシステムクリエイターではこれらの自動化には対応していませんが、コマンドプロンプトのATコマンドを用いる等すれば、指定時刻にデータ更新を行なったりすることは可能です)。
あとは、システムが正常に機能しているかどうかをチェックするくらいでしょうか。

それでは、運用者(システムトレーダー)は何もすることがないのかというと、そうではありません。運用までの段階は、原則として、運用者が行なっていく必要があります。
トレーディングシステムのロジック開発やシステム作成、パラメータ設定などは、最も重要で手間がかかる箇所ですが、だからこそ、システムトレーダーの腕の見せ所となります。

ただし、ロジック以外の部分は、ほとんどのシステムで共通ですから、通常は、ロジック開発とパラメータ設定に注力することになります。
システム構成の多くの部分は、データ設定と性能評価であり、これらは入出力部分を定式化しておけば、全てのシステムで共通です。そこにロジックを追加することで、様々なトレーディングシステムが出来上がります。

通常のトレーディングシステムでは、ロジックをいろいろと変更してバックテストを行ない、最適なシステムを追求するパターンが多いようです。
その場合、パラメータはテクニカル分析で広く用いられているものを半固定で使用することになります。

一方、KFシステムクリエイターでは、ロジックを固定し、パラメータを全数検索することで、最適なシステムを追求します。
もちろん、そのロジックは、期待値が高いものを複数採用していますし、エクセルで関数を扱える人ならば、新しいロジックを開発してシステムに組み込むことも容易です。

また、独自のフィルターを、追加システムとして提供しています。
これは、通常のフィルターとは異なり、システムが上手く機能しない期間を排除するものではなく、元のシステム(基準システム)の売買タイミングをシフトさせることによって、性能向上を目指すものです。

したがって、フィルターの適用による情報量の低下はほとんど起こりません。それだけ、堅牢性の高いシステムとすることができます。

さて、トレーディングシステムを作成するに当たり、一番手間がかかるのは、性能指標等の評価系です。これらの項目は多岐に渡り、その多くは、時系列で評価しなくてはなりません。

ただし、これらの評価項目は一度定義してしまえば、その後変わることはありませんし、もちろん、全てのシステムで共通にすることができます。
そのため、一旦出来上がってしまえば、その後は全てのシステムに適用することができます。

KFシステムクリエイターでは、豊富な評価項目をあらかじめ備えていますから、運用者は一切の面倒な作業を行なうことなく、銘柄選択とパラメータ設定を行なうだけで、最適なトレーディングシステムを構築することができるわけです。

銘柄設定は(好みもありますので)自動というわけにはいきませんが、パラメータ設定はボタン一つで、あるいはバッチ処理で、自動的に最適化することができます。

システムトレーダーは、原則として、運用までの段階を自分で行うと述べましたが、もちろん、その限りではありません。
資金力のある人は、トレーディングシステムを外注したり、完成品を購入したりする場合もあるでしょうし、機関投資家などでは、システムの開発部門と運用部門とが分かれている場合だってあるでしょう。

システムを自力で開発する人であっても、高級言語でプログラムを組む人やエクセルを用いる人、汎用の売買シミュレーションソフトを用いる人等、様々です。
また、前述しましたように、無意識のうちにシステムを体に叩き込んでいる人だって、いるかもしれません。

しかし、いずれの場合も重要なのは、そのシステムを信頼できるか、という一言に尽きます。
運用するシステムが信頼できないものであるならば、いずれはシステムの出す売買シグナルに従えなくなってきます。それは、システムトレードの終焉を意味します。

シグナルに従って売買し、負けが続いたとしても、そのシステムをよく理解し、信頼しているのであれば、そのシステムを運用し続けることができるでしょう。
そうすれば、いずれはドローダウンを脱し、最高益を更新するかもしれません。

では、大金を出して第三者に作成させたシステムと、自分で苦労して作り上げたシステムと、どちらが信頼できるでしょうか。

その答えは分かりません。愛着という点では間違いなく後者でしょうが、信頼と愛着とは別物です。
しかし、少なくとも、その内容を十分に理解しているかそうでないかでは、信頼性判断に大きな違いが生じることでしょう。

そういった意味では、第三者に作成させたシステムであっても、その内容を十分に理解し、納得して運用するのであれば、運用を継続できるかもしれません。

しかし、多くの場合は、そのようなシステムの中身はブラックボックスになっているのではないかと思います。
そうであれば、システムの内容を理解することは難しく、結局、ドローダウンの深まりがシステムトレードの終了ということになるのでしょう。

ちなみに、KFシステムクリエイターでは、限定版を除いてシステムの全てを公開しています。それらはエクセルベースですので、エクセルの知識があれば内容を理解できますし、お問い合わせをいただければ、その都度回答いたします。
また、ココナラのサービス内容やブログ等にて、適宜、解説も行なっています。

さて、システムトレードを継続するには、そのシステムに関する理解が不可欠ですが、もう一つ、そのシステムの期待値が大きいことが重要であることは、言うまでもないでしょう。
システムを運用し続けても資産が増加する見込みがないのであれば、そのシステムを運用する価値はありません。

では、それを確認する手段はあるのでしょうか?

トレーディングシステムに求められる要件の一つとして、システムの有効性が検証可能であることが挙げられます。これは、言い方を変えれば、バックテストを始めとした様々な検証機能が、システムに備わっているということです。
もちろん、KFシステムクリエイターでは、多彩な検証機能を備えています。

ここで、お気付きのこととは思いますが、システムトレードとトレーディングシステムとは別の概念です。

システムトレードとは、客観的なルールに基づいてトレードを行なうことであり、必ずしもそのルールの有効性を検証する必要はありません。誰がやっても同じ結果になることは求められますが、その結果、収益が得られるかどうかまでは保証しません。

一方、トレーディングシステムとは、システムトレードを行なうためのツールであり、そこには正の期待値が得られることが暗に要求され、それを検証するための機能が備わっていることが必要です。
よく、システムトレードとトレーディングシステムとを混同して用いている例を見掛けますが、注意が必要です。

システムの有効性を検証することが重要だとして、では、それは本当に可能なのでしょうか?
実は、この問題には難しい解釈を含んでいます。

そもそも、システムの有効性とは何でしょう?
それは、有効性のあるシステムを運用し続けるということは、平均的に利益を上げ続けることができる、と考えることができます。言い換えれば、有効なシステムとは「打ち出の小槌」のようなものだということです。

しかし、そのようなシステムは恐らく存在しないでしょう。
存在しない理由はいろいろと考えることができますが、そのようなシステムを複利運用すると、いずれは世界経済規模を追い越す利益を達成してしまう、とすれば十分です。部分が全体を越えられないのは、自明の理です。

では、「現実」の有効性のあるシステムとは、どういった意味で捉えたらいいのでしょうか。
それは、時間的、金額的に、上限があるものの、そこに達するまでは収益を上げる可能性が高いシステムである、と考えればいいのではないかと思います。

そうすると、システムの検証についても、それは期待の裏付け作業に過ぎないのかもしれません。
様々な手段を講じて検証作業を行い、その結果、有効性の高いシステムが得られたとしても、そのシステムがどれくらいの期間機能し続けるかは、実際に運用してみないと分からないのです。

もちろん、統計学的にいろいろな理由付けをすることはできますし、結果的にかなりの長期に渡って利益を上げ続けるシステムも存在するでしょう。
しかし、それはあくまで、全く無作為に売買を行なうよりは、多少の優位性があるに過ぎないのかもしれません。

でも、それで十分ではないでしょうか。
ごく僅かな優位性であっても、それが積み重なれば大きな収益となってきます。そこまでシステムを運用し続けられるかどうかが、重要なのです。

現実のトレーディングシステムでは、様々な可能性を比較し、検討する事ができます。しかし、最終的にどのシステムを運用するのかは、運用者自身が決める必要があります。
最も重要なのは、そのシステムが機能し続けるかどうかを見極めることですが、これまで述べてきましたように、確実なことは言えません。

ただ、そのための方法論は、私Kフローのブログ等も含め、様々な場面で紹介されていますし、KFシステムクリエイターではそのための道具立ても揃っています。
それらを総合的に判断した上で、システムを運用し、期待通りの収益を上げることこそ、システムトレードの醍醐味なのではないかと思います。

⇒Kフロー ブログ


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