KFシステムコントローラ取扱説明書(1)

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マネー・副業
目次

0.使用上のご注意

1.はじめに 

2.システムの概要
 (1)KFシステムコントローラとは
 (2)システムの基本構成と概要

3.初期設定
 (1)KFシステムコントローラの設定
 (2)構成ファイルの設定

4.システムの基本操作
 (1)並列実行
 (2)ファイル更新
 (3)自動実行
 (4)ユーティリティ

5.システムの運用と保守管理
 (1)システムの運用
 (2)システムの保守管理

6.おわりに

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0.使用上のご注意

KFシステムコントローラ(以下本品)をご利用いただくに当たり、下記注意事項をよくご覧の上、順守いただきますようお願い申し上げます。


・本品の著作権は、KFシステム研究所並びにKフローが有します。第三者への販売ならびに供与等は、ご遠慮ください。

・本品並びに関連品のご使用に際して生じるいかなる損害に対しても、KFシステム研究所並びにKフローは一切の責任を負いません。また、本品はトレードで収益を上げることを約束するものではありません。必ず自己責任にてご利用願います。

・本システム及びその派生物を、有償無償を問わず、第三者に開示することは禁止しておりますが、運用結果の公開や新規ロジック等の開発につきましては、自己責任において自由に行って構いません。

・本品の実行にはMicrosoft Excelの32bit版が必要です。64bit版や他社製Excel互換ソフトでは動作いたしませんのでご注意ください。なお、本品を動作させるためには、マクロの実行を許可する必要があります。

・Excel2007以降で本品を使用する場合は、原則として「互換モード」をご利用ください。それ以外のモードで保存した場合、本品を起動できなくなる場合があります。

・本品はExcel2003上で開発し、動作確認を行なっています。上記の条件を満たす限り、直近のExcelバージョンでも動作いたしますが、最適化などの実行速度が2割程度遅くなります。何卒ご承知置きくださいますよう、お願い申し上げます。

・一部マクロにて、シートの切り替えなどの度に再計算が行われる場合があります。シートの状態によっては、非常に時間が掛かる場合がありますが、それを避けたい場合は、「オプション」の「数式」にて、「計算方法の設定」の"ブックの計算"の「手動」にチェックを入れてください。

・Excel2013以降では、ブックが開かれるプロセスが変更になりました。それ以前では、エクセルを起動する度に新規プロセスが使用されていましたが、2013以降では既存プロセスが使用されるようになりました。そのため、例えばシステムの最適化演算を行なう場合、従来は新たにエクセルを起動してシステムを読み込めば、個々のプロセスで実行されましたが、2013以降では同一プロセス内で実行されてしまい、処理が著しく停滞する場合があります。新規プロセスでエクセルを実行するためには、Altキーを押しながら起動するか、起動時に-xオプションを付ける必要があります。詳しくはWebやエクセルの解説書等をご覧ください。



1.はじめに

システムトレードを実行するに当たって、システムそのものが主役となるのは、主に開発・設計の段階です。実際の運用局面に入ったら、システムは日々シグナルを発することが主な役割となり、大半の機能は利用されることがありません。

管理・運用するシステムの数が高々数個程度であれば、株価データを更新した後、システムを開いて更新すると共に、シグナルを確認すれば良いだけなのですが、その数が多くなると、システムを順次手動で開くことさえ大変になります。

そんな場合、システムを連続的に開いて更新し、保存してから閉じてくれるツールがあったら、どんなに便利でしょう。
更には、更新したシステムのシグナルや性能を一覧で表示し確認出来たなら、日々のシステム運用が劇的に簡単になることでしょう。

そのような思いによって開発してきたのが、KFシステムコントローラとそれを構成するツール群です。

資金的な理由などにより、実際に運用するシステムはそう多くはないかもしれません。しかし、運用はしないものの、様々なシステムの成績の推移を比較・確認したい場合はあるでしょう。
また、複雑なうねり取りシステムを運用する場合には、それだけで基準システムや追加システム、合成システムなど複数のシステムを、欠落なく順番通りに更新する必要があります。

システム運用面に限らず、例えばシステムのセットアップを行ったり、最適化演算を行ったりする際にも、対象銘柄やシステムの数が多くなれば、手作業で行うのは困難です。
そんな裏方的な仕事を一気に引き受けてくれるのが、KFシステムコントローラということになります。

KFシステムクリエイターは、非常に膨大な演算処理を行っているため、エクセルのマルチスレッド計算や同処理を行うと、オーバーヘッドが発生して却って処理が重くなってしまいます。
そのため、通常はそれらの機能を無効にしておく必要があります。

しかし、そうするとCPUの能力をフルに活用することが出来ません。特に最適化演算では、処理時間を削減するためにCPUパワーを最大限に活用する必要があります。
4コアCPUの場合、マルチスレッド処理を封印してしまうと、CPUは全能力の25%しか利用することが出来なくなってしまいます。

そこで考えられるのが、並列処理です。エクセルは起動する毎に空いているCPUパワーを使用する、という性質があります。
例えば4コアCPUであれば、エクセルを4つ同時起動することにより、CPU能力を100%利用することが出来るようになります。

ここで注意が必要なのは、エクセル2013より以前のバージョンでは、エクセルを起動する度に新規プロセスが使用されていたのですが、以降のバージョンでは既存プロセスが使用されるように変更されたということです。
ただし、マクロなどからエクセルを呼び出す場合は、従来同様新規プロセスが使用されるようであり、特に意識する必要はありません。

並列処理を手動で行う場合、例えばエクセルを4つ同時に起動し、それぞれにKFシステムクリエイターで作成した異なるシステムを開き、最適化演算等の処理を個々に行う必要があります。
それぞれのオペレーションページから「最適化演算」ボタンを押し、演算条件を設定した後、順次演算を実行します。

時系列分析には、通常、1システム当たり数時間掛かりますが、基準システム18種類を全て分析する場合、4コアCPUを用いたとして、4回の4並列演算と、1回の2並列演算が必要になります。
手動でそれらを行う場合、並列演算の準備処理に加え、分析完了後に次のシステムを開き、連続して演算を行うことになります。

複数のパソコンがあれば、処理を各パソコンに分散することにより、連続処理の部分の負荷を軽減することが出来ますが、分析銘柄数が増えると、それも難しくなってしまいます。
特に、分析が深夜に及んでしまう場合には、夜中に起きてシステムを入れ替え、分析を継続する必要が生じるかもしれません。

それらを全て自動化するために、KFシステムコントローラには、連続実行ツールと並列実行ツールが備わっています。
連続実行ツールは、ワークシートに記載された順番に、ブックのマクロ処理を実行します。また、並列実行ツールは、ワークシートに記載されたブックを、別々のプロセスのエクセルで開き、マクロ処理を実行します。

例えば、連続実行ツールにセットアップツールと並列実行ツールを記載して、セットアップツールには18種類の基準システムのセットアップ条件を、並列実行ツールには4つのシステム最適化ツールを記述すれば、セットアップを実行した後、最適化演算を並列実行する処理が自動化出来ます。

もちろん、各条件は事前にシート上で設定しておく必要がありますが、手動で都度設定することを考えれば、遥かに効率的です。

なお、セットアップツールやシステム最適化ツールは、システム上におけるダイアログでの条件設定を、各ツールのワークシート上に予め記述しておく必要があるため、専用のワークシートとなっています。
単純に、KFシステムクリエイター上のマクロを呼び出して、実行できるわけではありません。

これらのツールの在り方や記述方法については、今後、改善の余地があるかもしれません。

KFシステムコントローラでは、システム運用に欠かせない上記のツール群の他に、システム運用とは直接的な関わりのないユーティリティツール群も有しています。
これらは、システム開発に際して参考となる情報をもたらしてくれます。

以上のように、KFシステムコントローラは、KFシステムクリエイターを効率的に運用するために必要不可欠な存在であり、KFシステムクリエイターを包含する巨大なツール群です。
これらのツール群を駆使することにより、効果的かつ効率的なシステム開発~運用が可能となります。

これはKFシステムクリエイターの重要な機能の一つであり、他のシステムやEA等ではけして真似のできない特長となっています。
KFシステムクリエイター及びKFシステムコントローラが、皆様のトレードのお役に立てることを、強く願っています。


2.システムの概要

(1)KFシステムコントローラとは

KFシステムコントローラは、KFシステムクリエイターをより効果的・効率的にご利用いただくために開発されたツール群です。
KFシステムクリエイター単独では成し得ない様々な制御処理を、並列的・直列的に実行することが出来ます。また、システム運用に役立つ様々なユーティリティを提供しています。

KFシステムコントローラ自体は、次図に示すように各ツールをテーブル上に記載したブックとなっています。ファイル名欄に記載された各ツール名(ファイル名)をダブルクリックすることで、それらのツールを起動することが出来ます。

SCTシステム概要a.png

具体的な操作は、起動したツールから行います。ユーティリティやシステムファイルを除く各ツールは、基本的にはそのツールを実行するファイル名の記載と実行ボタンから成り立っています。
ツールにファイル名等の必要事項を記載した後、実行ボタンを押すことで、そのツールの機能が実行されます。

KFシステムクリエイターは単独で機能するトレーディングシステム作成ツールですが、実際にシステムを運用する際には、株価データの更新⇒基準システムの更新(⇒追加システムの更新⇒合成システムの更新)⇒売買シグナルの確認⇒システム・機能判定の確認(⇒各種性能指標の確認⇒各種チャートの確認)、といった手順を日々踏む必要があります。

運用システムや監視システムの数が少なければ、それらを日々手動で更新し確認しても良いのですが、数が多くなるとそれは非常に困難になります。
KFシステムコントローラがあれば、それらを自動で連続処理することが可能となります。

例えば、ファイル更新ツールを用いれば、それに登録した様々なツールを開き、ツール内のマクロを実行することが出来ます。
KFデータマネージャとシステム更新ツール、シグナルチェッカー、性能一覧ツールを順に登録しておき、更新ボタンを押せば、株価データ⇒システム⇒売買シグナル一覧⇒性能一覧、の更新を順次行います。

また、自動実行ツールにKFデータマネージャ、セットアップツール、システム最適化ツールを順に登録しておけば、株価データ取得⇒システムセットアップ⇒最適化演算、というシステム開発の一連の流れを自動化することが出来ます。

更に、最適化演算ツールを並列実行ツールに登録しておき、上記の最適化演算の代わりに並列実行ツールを適用すれば、最適化演算処理を並列実行することができ、システム開発に要する時間を大幅に短縮することが可能となります。

KFシステムコントローラでは、これらのシステム運用効率化ツール以外に、様々なユーティリティツールを提供しています。

ドキュメントギャラリーでは、登録しておいたドキュメントファイルをダブルクリックで開くことが出来ます。フルセットでは、SSブログで公開している1,600本以上の記事や、閉鎖中のKFシステム研究所サイトの解説記事等を、ドキュメントギャラリーから閲覧することが出来ます。

また、KFシステムアナライザでは、作成したシステムの月次、四半期、年次毎の各成績や、統計的振る舞いを分析し確認することが出来ます。

それ以外にも、パラメータ抽出/システム復元ツール、相関係数算出ツール、当日データ取得更新ツール、等を提供しています。
それらについては、以降のセクションにて説明いたします。

KFシステムコントローラは、KFシステムクリエイターを最大限活用するために、無くてはならないツールです。本ツールを活用することで、より効果的かつ効率的で、安定したシステム開発~運用環境を得ることが可能となります。



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