自由で好き勝手にやること【言の葉Cafe】

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「俺の給料明細見せようか!?」

ある先輩からの口説き文句です。
僕は様々なトラブルが切っ掛けとなり、会社を辞めて独立しました。

「独立」というとカッコつけすぎですね。
放り出された好き勝手にやっているという方がいい(笑)

どうも演出家とか映像とかやっていますと、聴かれるのは「誰か有名人と知り合い?」などなど。もちろん居ないこともありませんが、正直、会社を辞めた時点から連絡を取ることもありません。

普通に会社をクビになっていて取引先に連絡しませんよね。
それと同じことです。

誰であれ、会社の取引先だし、辞めた以上は僕が関わってはいけません。
なので関係者にまったく連絡を取ることはありません。

ただ、やはりそこそこやってきたので向こうから連絡があることもあります。
その中には結構大きなプロジェクトもありますし、時には別の制作会社にスカウトされることもあります。

それで前出の言葉になるのですが、魅力を感じないと言えばウソになります。
ただ、その金額を払ってでも僕は自由が欲しい。
それは間違いなく本音です。

最近は特に、大きな編成で動きがとりにくい大作は苦手で、どちらかと言えばカメラ一台で気になるカットがあればすぐ撮れるくらいの機動力のある現場が好きです。

脚本にも手が入れやすく、セリフ一つ変更するのに承認が役者以外の承認を待って居られません。光が変わってしまう。

短編映画を2019年に撮った時は完全に現場の雰囲気で進行していました。
そうでなければあのラストの桜が舞い散るカットは撮れなかった。
柔軟に動いてくれた女優に感謝です。

またそうした気持ちに答えたくて、彼女だけのために【90分のディレクターズカット私家版】を創れました。僕的にもあるカットがいちばん好き。

あれだって企業では創り得ないですしね。

タルコフスキーもびっくりの長回しの中、初主演の女優ひとりだけ。
ほんとに二作目やりたかったですね。初主演で遺作になってしまったのが悲しい。

しばらく僕も撮れなくなりました。
でも、創れて良かった。

それは僕が自由だったから。
創りたいものを創りたいタイミングで創る。

それが出来るのなら、僕はいくら払ってもいい。

そう思うと、いまのひとり会社はとても居心地がいいと思います。
プライスレスな居場所、持って居ますよ。

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