【短編小説】同じ顔

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ある朝、男が目覚める。
普段どおり身支度してアパートから出ると、隣の奥さんと出会う。
男は「お早うございます」と挨拶して驚く。なんと奥さんの顔が男と同じ顔なのだ。男は見間違いかと思って何度も見るが、やはり男と同じ顔。そこへ管理人が来るが、管理人もまた、同じ顔。男は気味が悪くなって、そこから逃げだす。
しかし、街に出た男はさらに驚く。街に行き交うすべての人が、男と全く同じ顔なのだ。
男は錯乱して、その場に倒れる。
男が気がつくと、病院のベッドの上。「あれは夢か」とホッとして傍らの医者と看護婦を見ると、やはり男と同じ顔…。


これが、君に頼まれていた漫画のストリーである。君はまだ未熟で人間の顔を書くと、すべて同じようになるというものだから、こういうストリーにした。なお、結末は思いつかないので、君が考えてくれ。
                                 完


《蛇足》
 以前、ネット上で公開していた拙作オンライン小説です。/00.09

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