AIによって奪われる仕事と奪われない仕事

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ディープラーニングなどの新しい技術によりAIはより大幅な発展を遂げました。発展したAIは一部である者の人間と同じことができるようになったため、仕事の一部がAIに取られるような事例が発生しています。

今後もAIは発達するため取られる仕事は多くなりますが、一方でいくら発達しても取られない仕事というのも存在します。どういった仕事がAIに奪われやすく、逆にどういった仕事は奪われにくいのでしょうか。

今回はそうしたAIに奪われる仕事と奪われない仕事について紹介していきます。


AIで奪われる仕事の特徴2つ

AIに奪われる仕事にはどんな条件があるのでしょうか。
奪われる仕事の条件として挙げられるのは
・過去の蓄積が必要となる仕事
・正確性が要求される仕事
の2つです。

AIのメリットは「大量の情報を蓄積できる」ことです。PCなどで使用するHDDは大容量かつコストが大幅に安くなりました。そうした技術の発展はAIにも大きな影響を与えており、AI自身も膨大な容量をもち大量のデータがもてるようになっています。現在のAIはそうした大量に蓄積したデータを活用して仕事を行います。

仕事の中には知識や経験の蓄積が要求される仕事も少なくありません。AIは膨大な容量のデーターベースを活用できることから、人間よりもたくさんの知識や情報を蓄積できるため、それらが要求される仕事は代替えされることが考えられます


さらにAIに限らず機械全般は正確性に優れており、そうした正確性が要求される仕事もAIに奪われやすいです。
1000問の計算問題を人間とAIが解いたとしましょう。人間であればどんなに頭のよい人でも1000問あれば何問かは間違えてしまいます。ですがAIは違います。1000問の問題すべてを正確に回答し、間違えることはまずありません。

このようにAIは人間よりも正確に作業を行えるため、正確性が要求される仕事や数多くこなすことを要求される仕事は代替えされる可能性が高いです。


AIで奪われない仕事の特徴2つ

では逆にAIによって奪われない仕事にはどんなに条件があるのでしょうか。
奪われない仕事の条件は
・責任が発生する仕事
・過去の蓄積があだとなる仕事
の2つです。

AIがどんなに進化してもできないことが1つだけあり、それが「責任を取る」です。たとえば新商品で不祥事が起きた場合、開発したのはAIだからAIに責任を取って謝罪をしてもらうでしょうか。できません。実際にそんなことをしたらバッシングの嵐です。

このように謝罪が発生するような責任をとる行為はAIにはできず、どんなにAIの技術が発展し人間と同じような表情や言動をとろうとも、代替えはできず必ず人間が対応するしかありません。

過去の蓄積があだとなる仕事もAIに奪われない仕事です。膨大な情報を記録できるのがAIのメリットではあるものの、そのことが必ずメリットになるわけではありません。

蓄積した情報にはよいものがあったり悪いものがあり、使うまではよいものか悪いものがわからないも存在しています。AIは大量に蓄積したデータを使うことには優れていますが、データの良しあしを判断することは不得手です。

そのため情報の良しあしを人間側で判断しないといけない仕事に関しては、AIに奪われないようになっています。


クリエイティブな仕事はAIに奪われる

「クリエイティブな仕事はコンピューターにできない」といわれており、芸術系などのクリエイティブな仕事はAIに代替えできないものとみなされています。

ですがそうしたクリエイティブな仕事ほどAIに奪われる可能性が高いです。理由は「クリエイティブな仕事ほど過去の蓄積が要求される」からです。

「クリエイティブな仕事は無から有を作り出す仕事」といわれていますが、正しくありません。彼らの仕事は「有から有」を作り出しているのに過ぎないのです。

そもそも人は何も参考にしないで新しいものを生み出すことはできません。必ず過去に作られたものを発展させたり組み合わせたりして新しいものを生み出しています。

たとえば製鉄の技術。鉄製品を生み出す技術は銅製品を生み出す技術がベースとなって誕生しました。逆に鉄製品を生み出す技術がベースになって銅製品を生み出したという国は存在していません。

銅と鉄の歴史が示すように人が作るものは過去に作られたものをもとに誕生します。過去をもとに新しいものを作るのはクリエイティブな仕事も例外ではありません。

芸術家なら、モチーフを学ぶなどの目的で美術館に通ったりほかの人の作品を写真で見たりした方はいるかと思います。そうしたことは紛れもなく「過去の作品を学ぶ」ことにほかなりません。

美術館などで見た作品をはじめ過去の自分の作品やほかの人の作品をベースに、様々なものを組み合わせて新しい作品が誕生します。

過去の情報を蓄積することはAIの得意分野です。クリエイターたち以上にAIは様々な作品の情報を蓄積できることから、クリエイターのように得られた情報から新たな作品を作れるようになります。

実際にAIによって絵画作成がおこなわれており、クリエイティブな仕事はAIに奪われるかもしれません。


コンサルタント業務もAIに奪われる

経営者に業務改善案などを提案するコンサルタント業務はAIに奪われない仕事の1つとされてきました。ですがコンサルタント業務も仕事内容の特性上、AIに奪われる可能性が高いです。

理由は「データの蓄積と分析が問われる仕事」だからです。
会社の改善案は何も見ずに発言するものではありません。(そんなコンサルタントがいたら問題です。)会社の内部情報や市場、顧客など様々な情報をかき集め、某内な情報から問題点を見つけ出し、改善案を作って提案することになります。

情報の分析はAIの得意分野です。膨大なデータを蓄積できれば、あらかじめ持っているフィルタ機能や検索機能などを使って改善案に必要な情報のみ絞り出してくれます。

改善案の作成も同様です。企業によって問題点は異なり改善案も異なりますが、問題点が同じであれば改善点も同じであるという相関関係が成り立ちます。そのため問題点と改善案のデータセットをAIに蓄積できれば、AI自ら改善案を提案できるようになります。

またコンサルタント業務は全般的に価格が高いこともAIが台頭する理由の1つです。AIの導入目的にはコスト削減があります。そのため人件費などが高い業務ほどコスト削減を名目にAIを導入する意欲が高まるようになります。

先ほど伝えたコンサルタント業務はAIに代替えされやすいことも踏まえると、コンサルタント業務はAIが導入されやすい風土が整っているため、AIに奪われる可能性が高いです。


レジ打ちの仕事はAIに奪われない

AIに奪われない仕事にはどういったものがあるのでしょうか。ここで上げたいのは「レジ打ち」の仕事です。

AIではありませんがスーパーなどではセルフで購入した商品の入力や清算業務がおこなわれています。ですがレジに関する業務でAIが介入することはまずありません。

AIがレジ打ちに介入しない理由は「責任を伴う」ためです。たとえば商品の入力作業をAIに代替えしているときに、入力しそびれた商品が発生し、お客さんがそのことに気づかずに去ってしまった場合はどうなるでしょうか。

AIが入力ミスしたため責任はAIを作った会社に行き、スーパーなどへの損害賠償をすることになります。(契約によって変わるかもしれませんが、ここではそう考えます)

また正確に処理するAIを作ったとしても、お客さん側で清算対象から外れるようなことをされたらどうなるでしょうか。お客さんの犯罪行為なので原因はお客さんにありますが、原因がわかるまではAIを作った会社が責任を取らされることになります。

極端な話に思えるかもしれませんが、レジ打ちの仕事はAIが導入する業務としてはリスクや責任が大きく、AI会社としても採算が取れない業務とも言えます。

ライターの仕事もAIに奪われない

ライターの仕事もAIに奪われない仕事の1つです。「文章はAIにつくれないから」という意見が一般的とも言えますが、ここでは別の意見を上げます。

AIにライターの仕事が奪われない理由は「AIが作った文章を修正する」必要があるためです。

AIは大量に蓄積したデータを活用する業務は得意ですが、データの良しあしを判断する業務は苦手です。実はライターの仕事はデータの良しあしを判断するすることが深くかかわります。

マイクロソフトがオンラインリリースしたチャットボットで、人種差別や性差別の発言を連発したという事例がありました。どうしてAIという人間じゃないものが人種差別や性差別の発言をしたのでしょうか。

AIが人種差別や性差別の発言をしたのは蓄積したデータの影響が考えられます。AIが会話や記事を書くためにはベースとなる会話情報や文章情報の蓄積が必要です。基本的に蓄積するデータは多いほど良いのですが、そうしたデータの中に人種差別や性差別のデータが含まれていたらどうなるでしょうか。

先ほど言ったようにAIにはデータの良しあしを判断する能力はありません。そのため人種差別や性差別を含む発言も「会話や記事を作るための材料の1つ」とみなして使用するようになります。

そうしたデータの良しあしを判断しないで使用したために人種差別や性差別が連発してしまったのです。

そうした問題を解決するのがライター。AIが作り出した文章をライターがチェックして、人種差別や性差別があれば削除したり書きたい内容に合わせて修正したりする業務を担います。

現在は記事を作るようなAIは存在していませんが、技術の発展に伴い記事を作れるAIが登場することもあるでしょう。ですがAIが作った記事が人間の望んでいたものになるかといえば、そうとも限りません。

どんなにAIが発達したとしても人間の要望に100%そった記事は作れませんので、意図しない記事に関してはライターが今後も修正していくことになります。

まとめ

今回はAIに奪われる仕事と奪われる仕事を紹介していきました。多くの記事ではクリエイティブやコンサルタントの仕事はAIに奪われない仕事として紹介されています。

ですが見方によってはそうした仕事もAIに奪われやすい要素があり、絶対に奪われないとは言い切れません。

奪われるといわれる仕事も同様です。そうした仕事にもAIから奪われにくい要素があり、そうしたところを今回ピックアップしました。

AIの今後どう発展していくかは未知数ですが、今回の視点からAIが発展してくかもしれません。

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