著作権法の考え方(どのように著作権侵害を立証するか、「依拠性」とは)

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法律・税務・士業全般
著作権侵害にあたるためには、被告著作物が原告著作物に依拠して作成されたかどうかが問題となります。

依拠とは既存の著作物を基にすることを意味します。これはそんなつもりがなく、つまり無意識であっても依拠となる場合があります。
逆に依拠していないのであれば仮に既存の楽曲と全く一緒でも著作権侵害とはなりません。

つまりは、独自に創作したというのであれば、たとえ偶然に一致しても著作権侵害とはならないのです。
依拠性は有名な判例である、「ワンレイニーナイトイントーキョー事件上告審」で初めて明言されました。

ただ、依拠性の認定は難しいのが実情です。といいますのは依拠したかどうかというのはその人の内心の問題だからです。そこで本人にきいても依拠していないというのでしょうから、一般論として類似性の程度、無意味な部分の共通性、創作性の高低あるいは被疑侵害者の社会的立場や関連状況などを総合的にみて判断していきます。

例えば、コンピュータープログラムの場合、要は現実に依拠してないとありえない無意味なバグやダミーデータが被疑侵害著作物にも存在すれば依拠性は認められやすいと考えます。逆に依拠していなくても容易に思いつくほどの創作性の程度が低いようなものは依拠性は認められにくいと判断されます。

行政書士 西本
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