ストレスに悩まされたくないなら、「二の矢」を防ごう

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はじめまして、さか兄です。

「ストレスに振り回されないようにするには?」

誰かって思うでしょう。
厚生労働省や独立行政法人 労働政策研究・研修機構などの調査では、
ストレスレベルやうつになる人が年々と深刻化していることがわかります。

(ぼく自身、ストレスからうつになった経験があります。)


シンプルな疑問ですが、その答えは、意外と複雑です。


この記事では、
ストレスが起きる原因から、
ストレスに人生を振り回されない方法までをお伝えします。


原因は、喜びは弱く、悲しみは強く感じる脳のシステム

1978年に行われた研究で、
「数千万、数億円の宝くじ当選した喜びでも半年後にはほぼ元通り」
という結果があります。

ほかの研究でも
「新居に引越しした喜びは3ヶ月でなくなる」
「昇給は半年で当たり前になる」
ということがわかっています。

つまり、喜びの感情は脳にとっては弱い刺激です。

逆に悲しみなどのネガティブ感情はどうでしょうか?
実は、ネガティブ感情があったから、人類は生き延びたということがわかっています。

考えてみれば当たり前ですよね。

およそ20万年前にいたホモ・サピエンスは、
捕食、飢餓、伝染病、暴力など、
1度失敗すると、死に繋がる
現代では考えられないレベルの脅威にさらされながら生きていました。

現代にも伝染病や暴力などはありますが、
病院や医者のいない伝染病、
警察や裁判が世の中にない暴力、
は意味が違いますよね。

だから、
生き延びるためには、
苦痛などのネガティブ感情を最優先しなければ、ならなかったのです。

現に、
危険の察知スピードは、
脳の状況理解システムよりも早く働きます。

つまり、
人間の本能は「苦痛」を必要としているから、感じるのです。

それは、遺伝子レベルで組み込まれていることがわかっています。(ドイツ・人類学研究所,2008)。

理由は、カラダの進化が追いついていないこと


体は原始のままなのに、
文明だけが発達しすぎてしまいました。

考えてみれば当たり前なんですが、
700万年前に直立二足歩行を初めてから、
1万年前にエリコという最古の都市、つまり自然から離れる暮らしができたそうなんですよね。
(まあ、その都市も自然に囲まれたものだったでしょうが、ここでは割愛)

700万年前から今日までを1日とすると、
23時57分57秒くらいから、自然から離れて都会暮らしを始めた計算になります。

体の進化が追いつけないのも当たり前ですよね。

ですが、それこそ、
現代人を苦しめる理由になりました

例えば
→孤独感
→うつ・不安
→完璧主義
などは、その典型的な例です。



ここまでが、人の原始的な本能の話です。

じゃあ、
脳が大きくなって賢くなった部分、
つまり理性には、一体なにができるのでしょうか?

答えは、「二の矢」を防ぐこと


現代社会で、原始的なカラダを残す現代人ができることは、
「二の矢」を防ぐことです。


「二の矢」とは、仏教の開祖ブッダの話に出てきます。

たとえ悟りを開いた人間でも、
人間関係、自然の脅威、病気、死などの、
人では防げない苦しみがあります。
(脳は、ネガティブに敏感に反応してしまうから)

その一次的な苦しみを、「一の矢」が刺さった状態といいます。

しかし、多くの人が、
ここからさらに、怒り、不安、悲しみなどの苦しみを生み出し、繰り返します。
その二次的な苦しみを、「二の矢」といいます。
つまり、二の矢は、自ら作り出したものだということです。

ブッダは、「一の矢」は当たるのは仕方ない。
だけど「二の矢」は、理性で防げるといいました。


例えば、
上司から怒られることが、一の矢とすると、
自分のした事に「落ち込む」ことが、二の矢、
さらに頑張らなければまた怒られると「怯える」になることが、三の矢、
でもどう頑張ればいいのか分からないと「不安」になることが、四の矢、
みたいにです。


そんなの屁理屈じゃ?
昔のお賢い人の考えじゃ?
と思ったかも知れません。

しかし、
現代でも
「出来事」と「感情」と「考え方」を分けて考える認知行動療法などといった心理療法がしっかりあります。

誰かにとってはツラい雨も、
誰かにとっては嬉しい雨になります。

そして、
二の矢、三の矢などと、
同じ悩みが脳内で反復されることも、
現代では、心理学用語で「反芻思考」といいます。

反芻思考はとても恐ろしく、
うつや不安障害、心臓病や脳卒中、早死のリスクが高まることが研究でわかっています。


「二の矢を出さないようにすればいいのはわかった。
でも、嫌なものを我慢するだけって、嫌じゃん!」

つまるところ、これなんですよねー。

だから、そんな人のための方法があります。

一の矢を、フル活用しよう


二の矢を自ら作り出さないようにするためには、
一の矢、つまり感情をサインにすることが大切です。

感情を理解するだけで、
ストレスが減り、人生の幸福度が上がると実験でわかっています。

ノースイースタン大学の心理学者リサ・フェルドマン・バレット教授の話では、感情に詳しくなれば、たくさんのメリットがあるといいます。
メリット①自分と他人の感情がよく理解できる
メリット②自分の感情コントロール力が30%上がる
メリット③人生の満足度が高まる
メリット④大きなストレス下でも、現実逃避や自傷、暴力的な行動をしなくなる
まさに、ストレス対策には、ピッタリです。


つまり、
嫌な気持ちはそのままにしといて、
その嫌な気持ちを、
「どう嫌なのか?」
「なぜ嫌なのか?」
と、あれこれ考えようってことです。

あれこれ考えるだけで、上の4つのメリットがあるんで、
する理由はちゃんとありますよね!

方法▼
①嫌な気持ちを、分類する
②サインに気づいて、対策する


分類とサイン▼
恐怖→自分にとっての敵を発見したサイン
怒り→自分にとって大切なエリアを侵害されたサイン
嫉妬→自分にとって重要なものを他人が持っているサイン
不安→自分にとって良くないものが近づいてるサイン
悲しみ→自分にとって大切なものが無くなったサイン
恥→自分にとって大切にしているイメージが壊されたサイン



感情をきちんと理解してあげるだけでも、
だいぶストレスが減った気がしませんか?

ストレスに振り回されないためには、
まずは自分が、なにを思って、なぜ思っているのかを、
理解することが大切です。



P.S. ネガティブは、基本ムシでOKな話


でも実は、
もっと深い話をすると、
ほとんどのネガティブな感情は、相手にしないが吉です。

(「そんなのできたら苦労しねえよ!」という声が聞こえそうなので、追記という形で書いておきます)


その理由は、最初に言った通り、
脳のシステムが勝手に作り上げた「虚像」だからです。

大昔の暮らしでは役に立ちましたが、
今の生活にはややオーバーなんです。

(実際、うつ病患者とか増えてるし)

現に、
アメリカのシンシナティ大学が「不安に思っていたことが実際に起きたのか?」を調べた研究では、
不安の85%は起きず、
起きた場合でも、その内、79%が思っていた以下の出来事だったそう。


重要なのは、
起きても起きなくても、精神はストレスに蝕まれ、
仕事のパフォーマンス、生活の幸福度が下がっていることです。


だから、ツラいことがあっても、
抵抗しないし、反応しないがいいんです。


でも、この記事みて、いきなりネガティブ感情を排除する、
理由も理屈も道理もわかることは難しいと思うので、
「こういう考えもあるよ!」
くらいに書き留めておきます。

ストレス時代に、
ストレスをコントロールできるできないかは、
仕事のパフォーマンスや、
人生の幸福度を左右するため、
これからの時代に必須スキルとなるでしょう。

もちろん、それをするかしないかはあなたの自由です。
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