景気が良くなったら売り上げが上がる?!〜りょうすけへのメッセージ〜

記事
コラム
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これからはじまる内容は、架空の人物設定けんにぃから親愛なる後輩のりょうすけに向けて送られた、メールの内容です。
毎回テーマごとに質問を投げかけられ、それに答えていく形式です。
あなたもぜひりょうすけの身になって、問いに答えてみてください。
この文章が、あなたの今後の生き方を決めることに、少しでも役に立てられたらとてもうれしいです。
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景気が良くなったら売り上げが上がる?!

りょうすけは、営業職長いんだよね?10年だったっけ?
だったら「売り上げは、どうしたらもっともっと上がるようになるだろうか?」って、考えたこと一度はあるよね?

経営層からの年頭訓示や、営業会議での本部長からの言葉で
「当社の売り上げは◯◯の理由で伸び悩んでいる。利益を確保するために、前年対比で売上を120%に目標設定する」
なんて言葉を聞いたことないだろうか?

不景気の情勢の中、何か特別なことをしないで売り上げアップというは、どの企業でも難しい時代だよね。そんな中、売り上げアップは、会社勤めである以上、常につきまとう課題だよね。

それをどう受け止めて自分の業務でそれに対する結果を出すか?もしくは、上司の常套句として右から左に聞き流して、今期もやり過ごすのか?景気が良くなることを神様に祈って、自分は普段の業務を淡々とこなすか?

オレも会社勤めである限りは、この会社が大発展することを望んでいるし、それに少しでも貢献したいと思っている。

でもさ、いきなり売上アップの施策を考えろと言われても、普段から意識して考えていないと、すぐには自分の意見を出せないものだよね…。
りょうすけは、普段はどう考えてる? 何を意識して仕事してる?売り上げアップ策を考えて業務にあたっている?

マネジメント役として、売り上げアップの施策をメンバーにヒアリングしてみると、決まってこんな回答が出てくる。

・他社の対抗プランとして、期間限定で値引きの◯◯キャンペーンを打ったらどうか?
・提供プランの見直しをはかって、他社に負けない料金プランで対抗するのはどうか?
・販売代理店への手数料を見直して、期間限定で特定の商品だけ手数料を手厚くしたらどうか?

安易な値引きや手数料支払いアップという、お金で解決させようというアイデアがまず出てくるのはなんでだろう?

普段から家電量販店や薬局の低価格競争に慣れてしまったからなのだろうか?売り上げを上げるために、自分の会社の取り分(価格や利潤)を下げて取りに行って、売り上げが上がったとしても、結果として利益率を下げるだけの獲得の仕方になるというのに…。そしてこんな取り方では、一時的には売り上げがあがるものの、他社との価格競争に陥るだけで、抜本的な改革にはならないよね。またいつか同じ問題を抱えることになる。

お金で人を惹きつけるのは簡単だけど、お金だけで人を惹きつけたんだとしたら、お金が尽きたときには、人は去っていくよ。「金の切れ目は縁の切れ目」というじゃない。

じゃあどうしようか?どんな売り上げアップの策があるかな?

・単体商品だけではなく、他の関連商品とのバンドル販売。(例:パソコン+ルーター販売)
・他に負けない圧倒的な商品力やサービス力を提供する。(例:リッツカールトンホテル)
・新技術を採用して既存の商品やサービスを変革する(例:ハイヤー配車のウーバー)

ざっと思いついた3つの例をあげてみた。もっと他にもたくさん手法はあると思う。

なんかマーケティングに近い話になるけど、これって 自社商材について、他社との差別化をどうするか?ということになるよね。
値下げ合戦、値引き合戦に持ち込まれるのを避けるには、これらをまずは考えないとね。

もう一つ、オレ自身が気にかけている手法があるんだ…。
それは、営業マンの人間力のアップ。抽象的な答えに思えるかもしれないけど、簡単に言ってしまえば、営業マンの意識の持ち方で、お客さんとの接し方が変わり、その結果、見込み案件増加、受注アップ、解約抑止にも繋がるというもの。

数年前にね、こんなことがあったんだ…。
ウチの部署は、新卒が入ってきたときに1ヶ月間くらい、現場を学ぶために店舗へ一時配属になる。ショップのスタッフとなって、一からオペレーションを学び、接客を学び、どうしたらもっと売り上げアップに繋がるか?他社と差別化できるか?などを現場体験からレポートするという研修課題がある。

そんな1ヶ月間の学びを終えた新卒たちが一堂に会して、上司や本部長を前に、自分のレポートのプレゼンを行なうんだ。
新卒の彼らからして見れば、大御所を前にど緊張の中でのプレゼン。あったこと、思ったこと、感じたことを報告するのにも精一杯なんだろうけど、ひとりの女性営業のプレゼンはちょっと違っていた。

目標数値の達成率がどうだったかなどの点は全然覚えていないんだけど、ショップで起こったエピソードについての報告のくだりは、感動的だった。

その新卒の彼女は情に熱い、ソーシャルスタイルのタイプからすると感情的なタイプ。
ある日、年配の男性がショップに来られたとき、彼女の懇切丁寧な説明や接客がお気に召されたか、自分の分をお買い上げされ、そして奥さんの分もということで、そのあと奥さんも伴ってショップに来られたとのこと。ご主人も奥さんも彼女のことが大層気に入ったようで世間話も含めて会話が大いに盛り上がったそうなんだ。

そして話の流れで、
「私新卒入社して、このショップに研修で来ていたんです。残念ながら、今週末が最終日なんです。来週からは、東京に戻るんですよ」
とお伝えすることに…。

するとどうだろう?彼女のショップ研修最終日に、その夫婦が揃って、来店されたそうなんだ。
「◯◯さんが最終日だと思って、顔見に来たよ。」と…。
そう!とくにショップに用があったのではなく、彼女が最終日ということで、顔を見て話をしたいから、わざわざ遠方から車でショップに来てくれたんだって。ただ、彼女に会って話をしたい、それだけのために…。

彼女はプレゼンの最後にこう締めくくった。
「私◯◯は、人間力のある営業マンになることを目指します!」と。

このプレゼンを見ていたとき、素直に感動して目頭が熱くなったのを覚えている。
人間力で人を動かすことができるんだと体感した。その一つの力は小さいかもしれないけれど、その気持ちが周りに伝われば、それに心を打たれて自分もやってみようかと思う人も出てくると思う。オレ自身が心を打たれてそうだったように。

売上を上げるのは、決して景気回復だけでは上がらないと思う。多少の好転はあるかもしれないけれど、外部要因で上がったのだったら、いつかは外部の要因で下がることも大いに考えられる。

外の要因に目を向けるのではなく、まずは自分の気の持ちようから、一歩づつ変えて行きたいものだよね。
景気って結局は、人々の感じ方、心の持ちようなんじゃないかなとオレは思うんだけど、りょうすけはどう思うかな?


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