出版企画書はなぜ「完璧に書いてはいけない」のか

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ビジネス・マーケティング
大量の出版企画書と、それらの行方を見てきて思うのは出版企画書を書くのにテクニックはいらないということ。

ある編集者が言っていたことで真理だと思ったのが、
「出版企画書が完璧な人と仕事すると失敗する確率が高い」
というもの。

企画書を書く技術だけがたけた人はたくさんいると思います。
しかし、本当に「そこだけ」が上手で、実際の原稿はからっきしという人には私も多く接してきました。

反対に、出版企画書が「穴だらけ」だったあるお客様がいます。

その方の初出版の本が間もなく校了(原稿が完成し、もう印刷できる状態)という段階に差し掛かったある日、担当編集者から電話が来ました。

「今更すみません。この作者さんってどういう人なんでしょう」

その作家さんのプロフィールには「都内在住・30代主婦」程度の記載しかなかったのです。

私は出版企画書に不備があったことを責められたのだと思い、平謝りしたのですが、先方は「いや!全然いいのです。ミステリアスでかえって興味を惹かれましたよ」とのこと。

実は、本が間もなく完成するので、帯にプロフィールを載せるにあたり、もう少し知りたかっただけとのこと。
現在その方は大人気作家となっています。

出版企画書を「手抜きして書いた方がいい」ということでは決してありません。
しかし、テクニックを重視してかっこいいビジネス文書に仕立てようとすると失敗しがちだと思うのです。

大事なのはやはり「心」です。

「自分の企画を世に出してくれれば絶対いいことがある!」という強い思いがこもった企画書こそ、編集者の心を動かすと思います。

コピーライティングを学ぶのもよいのですが、それよりは思いのたけをぶつけた出版企画書や原稿を書くほうが大切なのだと思います。


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