インスリンがヒトを太らせるってホント?①

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巷では糖質制限ダイエットが流行していますが、これはインスリンが重要なポイントとなっております。「2型糖尿病患者に対してインスリンの直接投与を行うと体重の増加が見られた」なんて試験報告もあることから、肥満ホルモンと呼ばれることもあるようですね。


インスリンって?

ダイエット界隈で何かと悪者扱いされている不運なインスリンくんですが、体内でどのようなは働きをしているかというと、
・全身の細胞に血糖を取り込ませるよう信号を送り、血糖値を下げる
・血中の中性脂肪を分解し、脂肪細胞内に蓄える
・脂肪細胞内での中性脂肪の分解を防ぐ
うんうん、これだけ聞くとまぁ肥満ホルモンと言われても仕方ないかなって感じがしちゃいますね。もう少し詳しく言うと二つ目はリポ蛋白リパーゼ(LPL)、三つ目はホルモン感受性リパーゼ(HSL)という酵素を通じて働いています。まずはLPLの働きから見ていきましょう。


リポ蛋白リパーゼ(LPL)の働き

LPLは様々な細胞の細胞膜上に突き出ていて、血中を流れるリポ蛋白(脂質とタンパク質の複合体)を分解し、脂肪酸を生成することで細胞内に取り込むという働きをしています。筋肉細胞の表面にあればエネルギー源として、脂肪細胞の表面にあれば貯蔵する目的でそれぞれ取り込まれるわけです。

男性では腹部の周りで、女性ではウエストから下の部分で脂肪細胞のLPL活性が高いらしく、これが男女による太り方の違いに影響を与えているんだそうな。つまり、インスリンくんは脂肪細胞のLPLを活性化することで脂肪を蓄えているんですな。次にHSLの働きに移りましょう。


ホルモン感受性リパーゼ(HSL)の働き

HSLはLPLの逆で、脂肪細胞内の中性脂肪を分解して脂肪酸を生成し、脂肪酸を血液循環へと流れ出るようにする働きをします。運動時に分泌されるアドレナリンによってHSLが活性化され、筋肉細胞のエネルギー源をたくさん作りだしてるっちゅーわけです。

インスリンくんはHSLの活性を抑制することで、脂肪細胞から中性脂肪が少なくなること防いでいるんです。この抑制は少量のインスリンでも働いてしまいます。カフェインやカテキンでもHSLは活性化されますが、砂糖が少しでも含まれているとその恩恵にあずかれないんですね。うーん、やっぱりインスリン君は悪者なのかな…


と、まぁ悪いところばかり見てたらそりゃマイナスなイメージを抱いちゃいますよね。女友達の彼氏の愚痴ばっかり聞いてたら悪い人だと思っちゃう的な、本当はいい人かもしれないのに。というわけで、次回はインスリンの良い側面を見ていきましょう。
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