拡大・多様化するスキルシェア活用の実態を解説〜ビジネスシーンでのココナラ利用実態調査〜

少子化・人口減少などの影響による企業の労働力不足が叫ばれて久しいですが、一方で「新しい働き方」として副業やフリーランスで活躍する人も年々増加し、企業が積極的に活用するケースも増えてきています。
そのような社会の変化に対応する形で2012年に立ち上がったスキルシェアプラットフォーム「ココナラスキルマーケット」も年々成長。現在では会員登録者数も500万人を超え、ビジネスシーンでの利用も拡大を続けています。今回はココナラの法人ユーザーを対象とした「ビジネスシーンでのココナラ利用実態調査」の結果について、株式会社ココナラ・マーケティング部の川嶋卓也が解説します。
法人アカウント数は54万。直近3年間で約5倍に
今回の調査の目的についてお聞かせください。
さまざまな仕事や相談をネットショッピングのようにオンライン上で依頼できる「ココナラスキルマーケット」が立ち上がって12年が経過しました。現在はスキルシェアプラットフォームサービスにおいて業界No.1(※)となるなど多くのユーザーにご利用いただいており、中でもビジネス利用が拡大しています。今回の調査によってビジネスシーンにおけるスキルシェアの広がりや社会的認知度の向上についても明らかにしたいと考え、実施することになりました。
※「スキルシェアプラットフォーム」に関する市場調査<<No.1検証調査>>((株)未来トレンド研究機構調べ)
ココナラにはどのような職種を経験している方がスキル登録をされているのでしょうか。
現在約100万人の方に登録をいただいていますが、イラストレーターや動画クリエイター、Webデザイナーといった職種のほか、事務職や営業など、幅広いビジネスシーンで依頼できるスキルホルダーが多く見られます。
また、次いでSNSや広告・宣伝を担当するマーケター、ITエンジニア、人事、経理や専門的なバックオフィス業務の経験者も数多く見られました。

ビジネス利用が伸びている要因について教えてください。
一つの要因として、オンライン発注を抵抗なく受け入れるようになっていったことが挙げられます。20〜40代のインターネットと共に生活をしてきた世代が発注の中心になり、加えて専門性の高いスキルを持つフリーランスや個人に依頼することへの抵抗感も少なくなっているように感じます 。
当社では2021年8月に「ココナラビジネス」を立ち上げ、請求書や領収書の発行、源泉徴収対応、グループでの利用管理機能などを追加しビジネスシーンにおける利用を促進してきました(現在はココナラスキルマーケットに統合)。このように環境が整ったことも影響して、2021年時点で約10万人だった法人会員が2024年には54万人と約5倍に増加しています。

高い「制作系」「マーケティング系」サービスの需要。
AI関連のサービスも急上昇
ビジネスでの利用が多いサービスカテゴリについて教えてください。
特に多いのが制作系のサービスです。具体的にはホームページ作成、ロゴデザイン、イラスト作成などが中心となっています。
最近では、アプリやWebサービスの開発、VTuberの3Dモデル制作など、より高度な制作依頼も増えてきています。法人アカウントの平均購入単価は個人アカウントと比べて3倍近く高くなっていますが、これらが大きく影響しているものと考えています。
制作系以外では、SNSアカウントの運用代行やマーケティング、コンサルティング系の依頼も増加しており、特に情報発信や集客支援など、企業の成長を支えるサービスの需要が高まっています。

最も検索されているキーワードは1位が「生成AI」、2位が「契約書」だったそうですね。
はい。生成AIが上位に入ったのは、ビジネスシーンでもAI活用が進んでいることが反映されています。特に、AIを活用した制作物の依頼や活用方法を学びたいというニーズが増えているようです。具体的にはAIを活用した画像生成、文章作成の支援、AIツールの活用方法のコンサルティングなどがあります。
また「契約書」が2位に挙がったことについてですが、近年個人事業主やスタートアップなど小規模で事業を運営する企業が増え、契約書の作成やチェックの需要が高まっていることが要因であると考えています。特に、法務部門を持たない企業が外部の専門家に依頼するケースが増えており、補助金申請のサポートや、企業の契約関係の整備を目的とした依頼も多くなってきています。

近年、利用が伸びているカテゴリはどのようなものが挙げられますか?
昨年と比較し最も伸びが大きかったのが「ChatGPTの使い方・プロンプト作成」のAIカテゴリでしたが、2位に「営業代行」、3位に「採用・労務代行」がランクインしたのが特徴的でした。先ほど検索キーワードでも取り上げた契約書作成などの法務関係も含め、バックオフィスに十分な人員を割くことのできない企業が積極的に業務を委託するケースが伸びていることが見て取れます。

当社では2023年から法人向けにフルリモートのアシスタントを紹介する業務委託サービス「ココナラアシスト」を提供しています。このサービスでは営業事務、採用アシスタント、経理サポートなどバックオフィスに加え、マーケティング、デザインに精通した方など、さまざまなスキルを持つ人材を豊富に抱えています。実はこの人材データベースはココナラスキルマーケットと同じものを使っており、すでに充実したプロフィールやポートフォリオがあります。実績・評価が蓄積されているデータベースとなっているため、企業のニーズにピッタリとマッチした人材をご紹介できることがサービスの強みです。
企業規模を問わず、外部人材の活用は事業成長の必須テーマに
利用企業の規模や業種についても教えてください。
ココナラスキルマーケットは中小企業や個人事業主を中心に多く利用いただいています。特に従業員数が少なく、専門スキルを持つ人材を社内で確保しにくい事業者が外部のスキルを活用し、効率的な運営を目指しているケースが多くなっています。
また、業種によっても特徴が見られます。例えば飲食業ではロゴやメニューデザイン、店内装飾デザインなど、出版・メディア系では、本の挿絵やナレーション、動画編集などがよく利用されています。また、小売・流通業では、ECサイトの商品ページ制作や販促物のデザイン制作依頼が多くなっています。中には「飲食店の開業準備にかかる制作物・手続き関連を全てココナラに依頼した」という個人事業主も見られるなど、多くの方が自身で対応できない部分をココナラを活用しながら工夫して実現しているようです。

一方で先ほど説明した「ココナラアシスト」をはじめ、IT人材を紹介する「ココナラテック」、プロフェッショナルなクリエイティブ人材を紹介する「ココナラプロ」といった業務委託サービスも提供しており、こちらは中小企業だけでなく、大企業の利用も増加しています。企業規模を問わず、外部人材を活用することは事業成長にとって必須になってきていると考えています。
ありがとうございます。最後に総括をお願いします。
今回の調査で、企業の外部人材の活用がますます活発化していることがわかりました。制作系が中心だった以前に加え、マーケティングやバックオフィスなどの依頼も年々増加するなど対応範囲が拡大していることや、アプリ開発やAI関連サービスに注目が集まるなど、外部スキルの活用はビジネスのトレンドを敏感に反映していることも明らかになりました。
労働人口が減少する中、中小企業から大企業まで積極的な外部人材の活用は企業の成長に欠かせないものとなってきています。当社ではすべてが揃うサービスプラットフォーム「ココナラ経済圏」の実現を目指し、単発・継続役務、そしてカテゴリの幅を広げ、あらゆる人が働きやすく、また外部人材のスキルを活用しやすい世の中を作っていきたいと考えています。
<プレスリリース>ビジネスシーンでのココナラ利用実態調査
