AI導入費用の相場は?コストを抑える方法も紹介

企業の業務効率化にはAI導入が効果的ですが、高額な費用がかかります。導入費用の相場はAIの種類や導入方法により異なるため、解決したい課題に合わせ、どのようなAIを導入するかを決めましょう。

本記事では、AI導入費用の相場や失敗せずに導入する方法を紹介します。

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目次

【種類別】AI導入費用の相場

AIの導入にかかる費用相場は、種類や導入方法によって異なります。

AIの導入方法には、自社に合ったAIシステムを新規で開発するか、SaaS(Software as a Service)として導入するかという2つの方法があります。SaaSは、インターネット経由でソフトウェアを利用する仕組みです。

AIの種類別の費用相場は、次のとおりです。

新規開発SaaS導入
チャットボット200万円〜5万円〜
画像認識・外観検査100万円〜20万円
需要予測300万円〜30万円〜
音声認識100万円〜3万円〜

チャットボットは、テキストや音声などによる質問に対して回答するシステムです。主にカスタマーサポートや受付対応に用いられ、ビジネスの効率化と顧客エンゲージメントの向上に役立ちます。

画像認識・外観検査は、画像から特徴やパターンを認識する技術です。本人認証や不良品の検品、自動読み込み・入力など、さまざまな用途に使われます。AIの導入によって従来よりも効率と精度が大幅に向上します。特に外観検査において、人の目では見逃しがちな微細な欠陥も検出可能です。

需要予測とは、過去の売上や在庫数などのデータの法則性を学習し、需要を予測するシステムです。商品の需要や製品の故障リスク、株価予測など、一定の法則性がある分野で活用されています。AI導入により、在庫切れにより失われる販売を削減でき、適切な在庫管理を実現します。

音声認識は、人間の声や会話を聞き取り、文字データに変換するシステムです。顧客への自動対応や会議の議事録作成に利用されています。議事録作成では音声をリアルタイムでテキスト化し、議事録の作成時間を大幅に短縮できることがメリットです。人の手による聞き間違いやタイピングミスを削減できます。

AI導入の流れとフェーズごとの費用相場

AIを自社で開発する場合、構想から開発・運用まで一連の流れがあり、フェーズごとに一定の費用がかかります。

フェーズごとの費用相場は、次のとおりです。

フェーズ費用費用相場
構想段階コンサルティング費40万~200万円
PoC検証PoC作成100万〜900万円
開発開発費月額80万〜250万円×人月
運用運用費月額60万〜200万円×人月

ここでは、導入の流れに沿って費用相場を紹介します。

構想段階

構想段階は、AI開発における最初のフェーズです。

自社が抱える現状を明確にし、課題を解決するために必要なAIについて構想します。さらに、どのような機能を搭載すべきかを考え、その実現可能性についての検討も必要です。

構想段階はAI導入を成功させる基盤を作るために重要であり、正確に行わなければ、あとのフェーズのスムーズな展開も難しくなります。

構想段階ではコンサルティング会社にコンサルティングを依頼することも多く、コンサルティングの費用相場は40万~200万円程度です。

コンサルティングにより、現状で発生している課題の発見・整理を行い、要件定義書の作成などが行われます。その後のAI開発を容易にできるでしょう。 

PoC検証

構想のあとは、PoC検証を行います。PoCとは「Proof of Concept」の略で、新しいアイデアや技術などが実現可能かどうかを検証する工程です。構想段階で検討したAIの実現可能性を実際に検証します。

PoCでは、まず導入を検討しているシステムの試作品を必要最低限の内容で開発します。導入を予定しているシステムによって「必要最低限」がどの程度なのかは変わるため、期待する効果も踏まえた定義が必要です。

PoCに成功することで、本番環境に向けてプロジェクトを進めるための信頼性が築かれます。AI導入に成功するためには、PoCの工程が非常に重要です。

一般的なPoC検証の費用相場は、100万〜900万円程度になります。

開発

試作に問題がなければ、その仕様に沿って現場に近い環境で実装します。最終的な製品モデルを開発する段階です。検証で発見された問題をフィードバックしながら開発を進めます。

正確なAIの動作には質の高いデータが必要であり、実装後はシステムが正確に動作するかを確認するためのテストと検証が欠かせません。

開発の費用相場は、月額80万〜250万円×人月です。人月とは、「開発において1人が1ヶ月間に働く作業量を表す単位」を指します。開発するAIの機能や規模、開発期間が延びるといった事情などによって、費用は大きく変化します。

運用

開発したAIを運用する工程では、システムが日常的に正しく機能しているかを確認します。構想段階で設定した目標を達成しているかの確認も必要です。

AI技術は日々進化しており、事業の拡大などでもAIの利用状況は変わります。変化に合わせてパフォーマンスの最適化やシステムの改善、アップデートを行い、PDCAサイクルを回してAIの精度を高めなければなりません。

AIの適切な運用により、業務効率化が実現できるでしょう。

運用段階の費用相場は導入したAIの規模などで異なりますが、一般的に月額60万〜200万円×人月程度が相場です。

AI導入にかかる費用の内訳

AI導入にかかる費用は、主に人件費や、データ収集・周辺機器にかかる費用に分けられます。

費用費用相場
人件費(プロジェクト単位)月額40万〜100万円
データ収集費(プロジェクト単位)100万〜500万円
周辺機器の導入費ソフトウェア:50万〜300万円
ハードウェア:100万〜500万円

これらの費用が変動することで、全体の費用に大きく影響するでしょう。

ここでは、AI導入にかかる主な費用の内訳を解説します。

人件費

AI開発の費用を大きく左右するのは、人件費です。人件費は、AIシステムの開発や運用に関わる人材の給与や研修費などが含まれます。人件費の決定では、開発規模や開発者のスキル、期間、チームの構成などが影響します。

開発規模は必要な機能によって工数が変動し、プロジェクトの期間が長かったり大規模な開発だったりするほど、人件費も高くなるでしょう。


また、プロジェクトマネージャーやデザイナーなど、チームメンバーの役割・構成も人件費が変動する要素です。

特にエンジニアを確保する「開発期間」や必要な「開発工数」は費用を決めるために重要なポイントといえます。

人件費の相場は、プロジェクト単位で月40万〜100万円程度が相場です。

データ収集費

精度の高いAIを開発するためには、AIに学習させる元データが大量に必要です。データ収集には、外部ソースの活用やデータ収集を専門とする人材の雇用が必要となる場合もあります。

収集したデータは、AIモデルが理解しやすいようにラベル付けやタグ付けの作業が必要です。この作業は「アノテーション」と呼ばれ、費用はAIの種類によって変動します。

これらにかかる費用は依頼する会社によって異なりますが、プロジェクト全体の総額は100万〜500万円程度が一般的な相場です。

周辺機器の導入費

AIを開発する際は連動したソフトウェア・ハードウェアも必要です。ソフトウェアは、AIモデルやアルゴリズムを現場で動かすためのライセンス費用が必要になり、保守や更新費用もかかります。

ソフトウェアを動かすためのハードウェアは、大量のデータを処理するために高い計算能力を持つ高性能なコンピュータが求められます。

開発するAIによって費用は変わりますが、一般的な相場としては「システム開発費用の5〜15%」で、ソフトウェアの場合は約50万〜300万円程度、ハードウェアの場合は100万〜500万円程度と考えられます。

AI導入のコストを抑える方法

AI導入には高額な費用がかかり、コストを抑えるためには、次のような工夫が必要です。

  • スモールスタートで導入する
  • SaaSを利用する
  • 補助金を活用する
  • 一部を内製化する

ここでは、AI導入のコストを抑える方法を解説します。

スモールスタートで導入する

AIの導入では、いきなり大規模な展開をするのではなく、小さな単位でプロジェクトを進めるアジャイル開発でスモールスタートすることをおすすめします。アジャイル開発とは、小単位で実装とテストを繰り返し、開発を進めていく方法です。

小単位に分けた開発を「計画」→「設計」→「実装」→「テスト」の順に行い、開発を進めていきます。小さい単位にすることで、万が一開発中に不具合が発生してもやり直しの工程を小さくでき、時間やコストのロスを最小限に抑えられます。

アジャイル開発にすれば、ユーザーの要求や市場の変化にも柔軟に対応できます。その結果、無駄な開発を避けられるでしょう。

スモールスタートは初期投資を抑えるだけでなく、失敗を防止するためにも重要です。段階的に拡張することで、万が一導入に失敗した場合にも大きな損害の発生を防止できます。

プロジェクトの進捗や効率化の成果を確認しつつ段階的に投資することで、コストを抑えながら、期待する成果を得やすくなるでしょう。

SaaSを利用する

AI開発のコストを抑えるためには、すでにソフトウェアとして開発されているSaaSを利用する方法もあります。SaaSとは、サービス事業者が提供するクラウドサーバー上のソフトウェアを、インターネットを通じて利用できるサービスです。

SaaSを利用すれば開発にかける時間やコストを削減し、利用料金のみでAIを導入できます。導入のハードルが低いことは、大きなメリットといえるでしょう。

SaaSのサーバーはサービス事業者側で管理されているため、ユーザー側がSaaS全体の管理を行う必要がありません。自社が開発するAIの場合、すべて自社で管理しなければならず、最新バージョンのアップデートやセキュリティ対策も必要です。SaaSではそのような手間もなく、コストを抑えながら常に最新のAI技術を安全に利用できます。

補助金を活用する

補助金を活用し、AI導入にかかる費用の一部を補う方法もあります。

AI導入に活用できるのは、次の補助金です(2025年2月調べ)。

補助金補助金額(最大)補助率主な利用条件
IT導入補助金450万円1/2〜4/5業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入
ものづくり補助金4,000万円1/2〜2/3生産性向上を実現するための革新的なサービスの開発など
新事業進出補助金9,000万円1/2新規事業への挑戦を行う中小企業等
小規模事業者持続化補助金200万円2/3〜3/4業種、常時使用する従業員数の条件に該当すること
事業再構築補助金1億円1/2〜2/3事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること

いずれの補助金も人気が高く、採択率は30〜50%程度です。審査に通過するためには、資格要件に該当し、適切な事業計画書を作成しなければなりません。まずは自社が要件に該当するかを確認し、必要書類の準備を進めましょう。

審査に通過する事業計画書を作成するためには、中小企業診断士や税理士など、専門家に相談するのもおすすめです。

ここでは、各補助金の内容を紹介します。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、ソフトウェア、サービス等、業務効率化やDX等に向けた ITツールの導入を支援する補助金です。AI開発の際に導入するソフトウェア・ハードウェア、サービスの購入・利用費用に活用できます。

利用できるITツールは、事前に事務局の審査を受け、IT導入補助金のWebサイトに公開(登録)されているものが対象です。

申請には通常枠のほか5つの枠があり、自社が導入するツールに合わせて選びます。

参考:IT導入補助金

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発等を行うための設備投資等を支援する補助金です。生産性向上や持続的な賃上げに向けた新製品・サービスの開発に必要な設備投資等を支援します。

「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」があり、革新的な新製品・新サービスの開発もしくは海外事業の実施においてAIを活用する際に利用できます。

参考:ものづくり補助金

新事業進出補助金

新事業進出補助金は、企業の成長・拡大に向け、新規事業への挑戦を行う中小企業等を支援する補助金です。2025年より新設された新しい制度です。基本要件をすべて満たす3〜5年の事業計画に取り組むことで支給されます。

補助対象は建物・設備から広告宣伝費まで幅広く、新製品・サービスの開発のためにAIを導入するときにも利用できます。

参考:新事業進出補助金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する補助金です。業務効率化等の取り組みにおけるAIの導入も対象となります。通常枠の申請には、経営計画書の作成と商工会議所等の支援が必要です。

機械装置や広報費など幅広い経費が対象になり、AI導入にかかる費用も補助金の対象になります。

参考:小規模事業者持続化補助金

事業再構築補助金

事業再構築補助金は新型コロナウイルス感染症の影響への対策として開始した補助金で、現在はポストコロナに対応した成長分野への事業再構築に取り組む事業者を支援しています。

成長分野進出枠(通常類型)のほか、5つの申請枠があり、共通して事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であることが必要です。

新製品・サービスの開発と新市場への進出を目的としたAIの導入に利用できます。

参考:事業再構築補助金

一部を内製化する

AIを導入する際は、開発会社へ外注するのが一般的ですが、一部分の工程を内製化することによってコスト削減が可能です。近年は、AI開発を内製化する企業も増えています。

技術の進化やビジネス環境の変化は激しく、開発・ 運用をすべて外注している場合、システムの刷新・改修や再学習の際なども常に外注しなければなりません。コストがかかる上に、変化への臨機応変な対応もできないでしょう。

内製を行えば、迅速な対応が可能になり、コスト削減だけでなく、ナレッジの蓄積や人材のスキルアップも図れます。

内製化しやすいのは、主にデータ収集や前処理作業です。導入後の運用や軽微な改善も、社内対応が可能です。

AIの導入では、開発後の継続的なアノテーションや再学習などによりAIの精度を向上させていく運用が重要です。これらを担当できる人材を社内で育成することで、運用における外注の割合を減らし、長期的にコストを削減できるでしょう。

AI導入で失敗しないポイント

AI導入に失敗しないためには、次の点に留意しましょう。

  • AIで解決したい課題や導入目的を明確にする
  • 開発会社ごとの得意分野を把握する
  • 複数の会社から見積もりをとる
  • 開発を丸投げしない

ここでは、AI導入に失敗しないためのポイントを解説します。

AIで解決したい課題や導入目的を明確にする

まず、AIで解決したい課題や導入目的を明らかにしましょう。課題や目的が明確でないと、自社の要望を発注先に伝えられず、適切なAIを開発できません。高額な費用を投じても、自社の課題を解決できないという結果になります。

課題と目的を明確にした上で、開発会社とは定期的にコミュニケーションをとり、課題を解決するために必要な機能が備えられているか確認することが大切です。

開発会社ごとの得意分野を把握する

開発会社の選定も、AI開発の成功を左右するポイントです。比較するポイントは、次のとおりです。

  • 実績
  • 専門知識・技術
  • コスト
  • 柔軟性

開発会社によって得意領域や実績、ノウハウは異なるため、公式サイトで設立年や過去のプロジェクト事例、クライアントの評価、各賞の受賞歴などを確認しましょう。

また、機械学習や深層学習の知識はどの程度かなど、専門知識やAI技術もチェックします。

予算の範囲内で、どの程度のサービスを提供できるかという点も確認が必要です。比較検討し、最も自社にとって価値のあるサービスを提供できる開発会社を選びましょう。

開発の途中で要件の変更が必要になったとき、柔軟に対応してもらえるかも重要なチェックポイントです。

複数の会社から見積もりをとる

開発会社についてある程度の下調べをして2〜3社に絞り込んだら、相見積もりをとりましょう。相見積もりをとることで費用相場がわかります。内訳の項目を比較することで、費用に対してどのようなサービスを提供するのか、各社ごとの特徴が明確になります。

また、相見積もりにより、会社ごとの技術力や解決策の違いも比較検討できます。見積もり依頼の際の対応や問い合わせへのレスポンスの速さ、接客態度なども判断材料になるでしょう。

開発を丸投げしない

自社にAIの知識や導入の経験がなくても、開発会社への丸投げは避けましょう。

基本的にシステムの要件定義には携わるようにして、開発会社と協力しながらAI開発を進めていくことが大切です。

自社の目的や解決したい課題を明確に伝え、必要なデータを提供してもらいながら進捗の管理を行いましょう。こまめにコミュニケーションをとることで、方向性のズレを防止できます。

開発会社からの提案に疑問があれば質問して解消し、提示されたAIのイメージが自社のニーズと合っていなければ、修正を依頼してください。

AI導入・開発は「ココナラアシスト」の利用もおすすめ

AI導入にかかる費用を抑え、プロジェクトを成功させるためには、AI導入・開発の内製化も必要です。「自社にリソースがない」「教育に時間がかかる」という場合は、アシスタントサービスを活用するという方法もあります。

「ココナラアシスト」であれば、スキルを持つ即戦力の人材に業務を依頼することが可能です。

詳しくみていきましょう。

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ココナラアシストは90万以上の登録者から、自社が希望する複数条件を満たす人材の選定が可能です。幅広い業務に対応しており、AI開発の一端を担う業務の依頼もできます。

月40時間からの依頼が可能で、「プロジェクトの期間だけ」といった短期間の依頼も可能です。

業務はチーム型ではなく、相手がみえるマンツーマン型で対応します。本人確認とNDA締結済みの登録者のみがマッチングされるため、安心して依頼できます。

コストを抑えて開発を依頼できる

ココナラアシストは、契約時間に応じた月額利用料のみで利用でき、採用費や紹介料はかかりません。業務経験のある人材を紹介するため、教育コストも不要です。利用料は月額8万円からで、コストを抑えて業務を依頼できます。

使い切れなかった時間の翌月への繰り越しができ、急に忙しくなったときの超過の調整も柔軟に相談できます。

AIの導入にできるだけコストを抑えたい方は、ぜひココナラアシストの利用をご検討ください。

AIの導入費用を把握しておこう

AIの導入費用は、導入するAIの種類や規模により大きく異なります。新規で開発する場合は、高額な資金が必要です。AI導入にはさまざまな工程があり、工程ごとにどのような費用がかかるのかを確認することが、AI導入の成功につながります。

AI導入時にかかるコストを抑えるためには、スモールスタートを検討しましょう。補助金の活用や、SaaSの導入という方法もあります。一部を社内で内製化すれば、今後のビジネス環境の変化にも迅速に対応できるでしょう。

自社に人材が不足する場合は、「ココナラアシスト」の活用もおすすめです。

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