AIは営業活動に必要？活用事例や導入の注意点を解説

2025年3月19日

営業が抱える課題解決を目的とし、AIを導入する会社が増えています。この記事では、営業におけるAIの活用事例とAIを導入するメリット、AIを導入するための5ステップを解説します。AIを活用し、業務効率化や生産性の向上を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。

営業活動の効率化には、ココナラアシストをご検討ください！

AIは営業活動に必要？営業が抱える課題を確認

AIを営業活動に導入する企業が増えているのは、営業が抱える課題を解決する手段としてAIが注目されているからです。営業が抱える主な課題には、主に以下の点があります。

事務負担の増加
情報量の増加
人手不足
業務の属人化

それぞれを詳しく解説します。

事務負担の増加

営業が抱える課題の1つが、事務負担の増加です。営業では、商談や訪問準備、顧客へのアプローチといった利益に直結する「コア業務」のほかに、付随する以下のような業務があります。

顧客リスト作成
資料作成
契約書作成
顧客管理

「ノンコア業務」と呼ばれるこれらの業務は会社の利益には直結しないものの、営業を進めるうえで不可欠であり、なくすことはできません。

さらに、コンプライアンスの遵守やリスク管理が重視されるようになった近年、書類の作成や管理業務が増加しており、ノンコア業務が担当者に与える業務負担は非常に大きくなっています。

ノンコア業務の増加により担当者がコア業務に注力できなくなると、業務効率の低下や人的ミスを招くかもしれません。担当者が抱える事務負担を軽減し、業務効率化や品質向上を実現する手段として、AIの導入が注目されています。

情報量の増加

情報量の増加も、営業が抱える課題の1つです。インターネットの発展と普及により、営業が得られる情報は桁違いに増えました。

多くの情報を営業に効果的に活用できれば、売り上げアップにつながるでしょう。しかし、実際には、情報を管理しきれないことも少なくありません。また、すべての情報を人の手で管理・分析しようとすると、多くの時間がかかり業務が非効率になる可能性があります。

膨大な情報を効率的に管理・分析し、営業活動に有効活用するためにも、AIの導入が必要とされています。

人手不足

人手不足も、営業が抱える課題の1つです。少子高齢化が進む日本では、労働力不足に悩む会社が少なくありません。今後も少子高齢化が改善される可能性が低いことを考えると、労働力不足は継続すると考えられます。

また、働き方の変化によりワークライフバランスを重視する社員が増えたことも、人手不足を招く一因です。ワークライフバランスが重視されるようになったことで、残業があったりノルマが設定されたりする職場は、離職率が高くなる傾向があります。

このように、限られた人材の中で一定以上の成果を出していく手段の1つとして、AIを積極的に活用する企業が増えています。

業務の属人化

業務の属人化も、営業が抱える課題です。営業では、顧客とのやり取りを各担当者に任せることが多く、ノウハウが属人化しがちです。

属人化すると、担当者の離席時や欠席時に業務がストップしやすいといった問題があります。また、担当者が異動になったときには、引継ぎがスムーズに進まずトラブルが発生するかもしれません。

営業の属人化防止を目的とし、業務内容や進捗状況を共有できるツールとしても、AIは期待されています。

営業の課題解決には「ココナラアシスト」もおすすめ

営業における8つのAI活用事例

営業におけるAIの主な活用事例には、以下の8つがあります。

営業メールの文章作成
チャットボットによる顧客対応
FAQの自動生成
議事録の作成
顧客情報の管理
ターゲティング
営業予測
市場調査と分析

それぞれの内容を確認し、自社への導入をぜひイメージしてみましょう。

1.営業メールの文章作成

営業メールの自動作成は、AIを活用できる業務の1つです。メールの文章作成をAIが実施するメリットには、以下があります。

訴求力が高い文章を作れる
作成から送信まで一括で自動化できる

AIは、顧客の属性やニーズ、購買履歴などをもとに文章を作成するため、訴求力が高い効果的なアプローチができるでしょう。

また、AIを利用すれば、文面の作成だけでなく送信も自動で対応できます。送信まで一括で自動化することで、送信忘れといった人的ミスの軽減が期待できます。また、スピーディな対応で返信を待たせることがなくなるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

2.チャットボットによる顧客対応

チャットボットによる顧客対応も、AIを活用できるポイントです。チャットボットとは、学習したデータやログを基に、人間との対話を自動化するプログラムのことを指します。

具体的には、カスタマーサポートでの顧客からの問い合わせ対応や、金融機関における預金残高や保険の見積もり回答などが挙げられます。

チャットボットの活用で期待できる主な効果は、以下のとおりです。

担当者の業務負担軽減
顧客満足度の向上
社内におけるノウハウや情報の一元化

チャットボットの活用で顧客対応に関わる業務負担が軽減すれば、担当者はコア業務に注力できるようになるでしょう。

また、チャットボットを利用すれば、担当者が不在の場合でも迅速な対応が可能になり、顧客満足度向上にもつながります。

チャットボットは、顧客だけではなく社内の問い合わせ対応にも利用できます。属人化により業務がスムーズに進まないときは、チャットボットを活用し、ノウハウや情報の一元化を目指しましょう。

3.FAQの自動生成

FAQの自動生成も、AIの活用事例として挙げられます。頻出する質問への回答を事前に作成しておけば、担当者が都度対応する手間の軽減が期待できます。

しかし、担当者自らすべてのFAQを用意するのは、大きな負担になりかねません。そこで、AIを活用しFAQを自動生成すれば、担当者の手間を抑えながら顧客対応にかかる時間の削減を目指せます。

また、顧客向けはもちろん社内向けのFAQを自動生成しておけば、業務に関する不明点を担当者自身がスムーズに解決できるようになります。社内でのやり取りを軽減することで、スピーディな業務遂行を実現できるでしょう。

4.議事録の作成

議事録の作成でも、AIを活用できます。商談や会議の議事録を作成することは、出席していない関係者に内容を共有するうえで重要です。また、責任の所在を明確にしたり、法的要件を満たしたりするためにも議事録の作成は欠かせません。

その一方で、議事録の作成には手間や時間がかかります。会議や商談の件数が多いときには、担当者の大きな負担になることもあるでしょう。

AIによる文字起こしでは、音声データを基に議事録が自動で作成されることから、担当者の業務負担を軽減できます。また、短時間での作成が可能なため、取引先や社員との情報共有をスムーズに行える点もメリットです。

5.顧客情報の管理

顧客情報の管理も、AIを活用できる業務の1つです。顧客情報を管理するためには、名前や住所、会社名、年齢、属性、取引履歴など多くの情報の記録が必要です。

これらすべてを人の手で記録しようとすると、時間や手間がかかります。特に多数の顧客を抱える会社や業種によっては、大きな業務負担となることもあるでしょう。

顧客情報の登録や管理をAIにより自動化することで、担当者の業務負担を減らせます。また、入力ミスや入力漏れなどの人的ミスも防止できます。

そのほか、AIによる顧客管理システムを他のAIツールと紐づければ、取引履歴や顧客属性などに基づいた適切なアプローチも実施可能です。

6.ターゲティング

ターゲティングも、AIが得意とする業務の1つです。営業は、闇雲に行うばかりでは成果を出すことは難しいでしょう。

営業で成果を出すには、潜在顧客や顕在顧客のターゲティングが不可欠です。潜在顧客とは、ニーズが明確化していない見込み客のことです。顕在顧客は、サービスや商品を認知している見込み客を指します。

潜在顧客や顕在顧客を発掘するには、顧客リストの洗い出しやマーケティングが必要です。担当者自身で実施すると見込み客のリストアップに時間がかかり、商品企画や広告宣伝といったコア業務にかける時間が足りなくなる可能性もあるでしょう。

AIを活用すれば、これまでの取引実績や属性、市場分析などから、売り上げにつながる可能性が高い顧客を自動的にターゲティングできます。効率の良い営業を目指すのであれば、AIによるターゲティングの活用を検討しましょう。

7.営業予測

営業予測も、AIが担当できる業務の1つです。AIは、膨大なデータの管理と分析を得意とします。この特性を活かせば、過去の売り上げデータや現在の市場動向などを分析し、自動で営業予測を立てられるでしょう。

営業予測は、営業計画や予算案の策定、在庫管理などに欠かせません。無駄なコストを抑えた営業活動を目指すのであれば、AIによる営業予測を活用しましょう。

なお、AIはこれまでに学習したデータを基に予測を導き出します。そのため、より正確な予測を得るには、いかに多くのデータをAIに蓄積できるかが重要となります。

8.市場調査と分析

AIは、市場調査と分析にも活用できます。どんなに良い商品やサービスを提供したとしても、顧客ニーズに応えられなければ、売り上げにつながりません。効果的に営業活動を実施するには、市場調査と分析が欠かせないのです。

市場調査の主な対象には、以下が挙げられます。

市場価格
顧客ニーズ
顧客満足度
プロモーション
トレンド

市場調査では、アンケートが利用されるケースもあるでしょう。AIを活用すれば、データを基にしたより効果的なアンケートの作成が可能です。また、スムーズで高度な分析も期待できます。

営業にAIを導入するメリット

ここでは、営業にAIを導入するメリットを解説します。主なメリットは以下のとおりです。

データに基づいた営業活動ができる
コア業務に注力できる
業務を標準化できる
社員の満足度向上が期待できる
生産性の向上が期待できる

AIの導入を検討している方は、参考にしてください。

データに基づいた営業活動ができる

AIを営業に導入するメリットの1つに、データに基づく営業活動ができるようになる点があります。効果的な営業を実現するには、データにもとづいた営業活動を行うことが重要です。

データに基づく営業活動の具体例は、データを活用した市場分析や潜在顧客の見極めです。そのほか、顧客リスト分析による取引パターンの可視化などが挙げられます。

顧客リストには、名前や住所、年齢といった基本情報のほか、メールやSNS、電話の履歴を紐づけられるものもあります。これらを総合的に分析すれば、顧客の好みや行動パターンに関するデータの獲得も可能です。顧客の好みや行動パターンがわかれば、それぞれに最適なアプローチを実施できます。

コア業務に注力できる

コア業務に注力できる点も、営業にAIを導入するメリットです。先述のとおりコア業務は、営業活動の利益に直結する業務です。そのため、コア業務が不十分だと、思うような営業成果をあげられない可能性があります。

一方、ノンコア業務にはコア業務を支える重要な役割があるものの、ルーティン化や標準化がしやすく、AIへの移行が可能です。業務量が多くなりがちで、担当者の業務負担を増やす要因となるコア業務をAIに実行させれば、担当者はコア業務に集中できるようになるでしょう。

コア業務に集中し新たな営業戦略を立てられれば、営業成績の向上につながります。また、顧客に対応できる時間が増えることで、顧客満足度の上昇も期待できます。

業務を標準化できる

業務を標準化できる点も、営業にAIを導入するメリットです。営業は、属人化しやすい業務です。属人化によるデメリットには、以下が挙げられます。

ノウハウを共有できない
人的ミスに気付きにくい

業務が属人化していると、ノウハウの共有が難しくなります。AIの導入により、営業で得た情報やノウハウを標準化することで、社内で共有できるようになるでしょう。

また、業務内容を標準化し複数の社員でチェックできる体制を構築することで、人的ミスの発生を防げます。人的ミスが減れば、顧客満足度の向上や売り上げの上昇につながるでしょう。

社員の満足度向上が期待できる

社員の満足度向上が期待できる点も、営業にAIを導入するメリットです。AIを導入すれば担当者の業務負担が減るため、残業や休日出勤の削減といった働き方改革が期待できるでしょう。

働き方改革により社員の満足度が向上すれば、離職率の低下にもつながります。また、社員の満足度向上により会社のイメージがアップすることで、求職者の増加も期待できます。

先述のとおり、少子高齢化が進む日本では人材不足は大きな課題です。AIの導入で働きやすい環境作りが実現すれば、人材不足の解決にもつながるでしょう。

生産性の向上が期待できる

生産性の向上が期待できるのも、AIを導入するメリットです。ここまで解説してきたとおり、AIの導入では以下の効果が期待できます。

業務の効率化
品質向上
社員のモチベーション向上

上記のほか、業務の効率化による人件費や備品費などのコスト削減も見込まれます。

業務を効率化しコストを抑えたうえで、品質向上や社員のモチベーション上昇による売り上げアップが実現すれば、生産性の向上につながるでしょう。

営業活動の効率化には「ココナラアシスト」もおすすめ

営業にAIを導入する際の注意点

営業にAIを導入するとさまざまなメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。営業にAIを導入する際の注意点は、以下のとおりです。

情報漏洩に気を付ける
プライバシーや著作権の侵害に気を付ける
AIが生成した情報の正確性を確認する

それぞれの内容をしっかりと確認し、トラブルのないスムーズな導入を進めましょう。

情報漏洩に気を付ける

営業にAIを導入する際は、情報漏洩への対策を十分に行うことが重要です。営業でAIを活用するにあたっては、顧客情報や売り上げ、営業戦略など、重要な情報を登録する必要があります。

これらの情報が漏洩すると、重大なトラブルになりかねません。AIを導入する際は、データの暗号化やアクセス制限などにより、情報漏洩リスクを抑えることが重要です。

併せて、社内においても情報の取り扱いの関するガイドラインを策定しましょう。営業担当者のAIリテラシーを向上させるために、定期的に研修を実施することも重要です。

プライバシーや著作権の侵害に気を付ける

プライバシーや著作権の侵害にも十分に気を付ける必要があります。AIは、事前に学習した膨大なデータを基にテキストや画像を生成します。

学習データの中には、すでに世の中に発表されているキャラクターやロゴなどが含まれる場合もあるでしょう。また、第三者のプライバシーを侵害する情報が含まれているケースもあるかもしれません。

これらの情報を基に、AIがテキストや画像を生成すると、著作権やプライバシーの侵害を引き起こす恐れがあります。AIが生成した資料やデータを使用する際は、プライバシーや著作権の侵害が発生していないかを、事前に十分確認することが重要です。

なお、AIで生成した文章や画像が著作権侵害にあたるかは、類似性と依拠性の有無で判断されます。類似性とは、表現上の本質的な特徴を直接感得できることです。依拠性は、既存の著作物に接して、それを自己の作品に用いることを指します。

AIの生成物にこれらの特徴が見られるときは、利用の可否を十分に検討しましょう。

AIが生成した情報の正確性を確認する

AIが生成した情報の正確性を確認することも重要です。AIは膨大なデータを基に、分析やテキストなどの生成をしているとはいえ、必ずしも情報が正しいとは限りません。

場合によっては、間違った内容の文章や画像が生成される可能性もあります。間違った情報が記された書類の使用は、取引先との大きなトラブルにつながるおそれがあります。

AIを活用する際は、間違った情報が出される可能性があることを、常に念頭に置いておくことが重要です。また、生成された書類や資料を利用する際は、内容の正誤確認をあらかじめ実施しましょう。

AIを営業に導入する5ステップ

ここでは、AIを営業に導入する以下の5ステップを解説します。

現状の把握と課題の洗い出し
AI導入の目的とロードマップの共有
適切なAIツールの選択と導入
社員研修の実施
効果測定と改善案の策定

それぞれをしっかりと確認し、スムーズで効果的なAIの導入を目指しましょう。

1.現状の把握と課題の洗い出し

営業へのAIの導入を検討しているのであれば、まずは営業の現状把握と課題の洗い出しをしましょう。AIを導入する目的は、営業が抱える課題の改善です。そのため、より効果的にAIを活用するには、自社が持つ課題を明確にすることが重要です。

現状の把握と課題の洗い出しをするには、担当者へのヒアリングを実施しましょう。実際に業務を行う社員が困っていることや不満に感じていることを確認すれば、現実的な課題の洗い出しにつながります。

なお、課題の洗い出しをする際には、各業務の必要性を考えることも重要です。洗い出した課題は、必ずしもすべて改善する必要があるわけではありません。重要度が低い不要な業務であれば、業務自体を削減することでスリム化を図ることも大切です。

2.AI導入の目的とロードマップの共有

課題の洗い出しが完了したら、AI導入の目的とロードマップを明確にし、社員に共有します。ここで重要なのは、より具体的でわかりやすい目的を立てることです。

たとえば、「AIにより顧客リスト管理を効率化することで、社員の業務負担軽減と残業の削減を実現し満足度向上を目指す」といった目的も1つです。「AIによる効果的なターゲティングで、社員の業務負担を増大させることなく生産性の向上を実現する」といった目的も考えられます。目的を明確にしたら、AIを運用するまでのロードマップを作成して、社員に共有しましょう。

せっかくAIを導入しても、その目的や重要性を社員が理解していない場合、十分に効果を発揮できないケースも少なくありません。効果的なAIの導入を実現するには、AIを受け入れる社内の体制作りを進めることが肝心です。