ロジカルシンキング ③チャンクダウン

記事
ライフスタイル
「具体的に、たとえば?」と物事をより小さい分類に分けてゆく「チャンクダウン」。目標までの道のりを作業まで順に分解すればすべきことが見えてきます。

目標達成やコーチング、ロジカルシンキングなどの文脈でチャンクダウン、チャンクアップという言葉を目にします。使われる文脈によって多少のニュアンスの違いはありますが、どれも物事のおおきな塊(チャンク)を小さく分けて書き出すというような意味です。例えば目標達成だったら、最終目標までの道のりをいくつかのステップに分ける、また最初のステップですべきことを漏れなく挙げる、というような取り組みのことです。ブレークダウンというのも同じことで、こちらはプロジェクトや作業などの場合によく使われます。

大きな目標だけでは、それを実現するまでにすべきことの全体像がもやもやしていて、どこから取り掛かったら良いのか見えづらいものです。大目標を具体的な作業まで順に落とし込んでいくことで、実現までの道のりがイメージできます。すぐに取りかかれることも明らかになります。Todoリストは「やるべきこと」をチャンクダウンしたものです。

ロジカルシンキングではもう少し広い意味で、物事をより小さな塊や分類、具体的なことがらに切り分けてゆくアプローチを一般的にチャンクダウンと表現します。

そもそもなぜ人間は分類が好きなのでしょうか。物事に名前をつける、ということに関係しているのかもしれません。名前をつければ、それに当たるものと当たらないものの線引きが必要になる。いろいろな名前をつけたものには大きなくくりもあれば小さなくくりもあるので必然的にチャンクの上下関係が生まれます。系統だてて分類することを徹底的に行うのが博物学で、アリストテレスにその網羅的な体系を見出すことができます。図書館の蔵書目録や配架に使われる分類は「探す」ことの便宜と関連しています。リストやフロアの配置図で配架場所を示すことで何がどこにあるかの全体像が一目見てわかりやすくなるという利点もあります。

FruitsInMarket.jpg
マーケットのフルーツ多めな八百屋さん

チャンクダウンで細かく分けた塊をさらに、細かく割ってゆくことにより、分類は階層構造を持ちます。マーケットの八百屋さんの例で見てみましょう。この写真のお店では果物を主に扱っていますがキュウリやニンジン、ネギもありますから八百屋さんでしょう。明確な境界線はありませんが、果物が左に、野菜は右に置かれています。さらに、ぶどうは種類の違うものが隣同士に置かれています。限られたスペースの台の上にカゴに入れられて並んでいるので大分類、小分類はよく見ないとわかりませんが、それでもあるルールで並べられていることがわかります。

・一つの分類に属するものは近くに置く

・同じものは2カ所以上には置かない

この暗黙のルールのおかげで、たとえばパイナップルを探したい人は玉ねぎのあたりは最初から無視することができます。

また、チャンクダウンは「具体的に」「例をあげて」という質問に対する答えを考える時にとても有効な助けとなります。採用面接での定番質問に、

「大学時代に印象深かったエピソードを教えてください」

というのがあります。困ったことに、どこの就活支援サイトにも定番として書いてあるこの質問に答えられない人がいます。「思いつきません」「何もありません」や、そもそも「面接でそういう質問をされるのが苦手です」という人まで。そんな人には「大学時代」をチャンクダウンして例えば、

・場所 (教室、図書館、通学途上、学食、キャンパス近くの定食屋さん…)

・人 (友人、先生、職員、バイト先の同僚やお客さん、家族…)

・カリキュラムの中の項目 (一般教養科目、語学、専門科目、実験、演習、ゼミ、卒論…)

・カリキュラム外の取り組み (アルバイト、ボランティア、スポーツ、音楽活動…)

のように水を向けると、面白いようにエピソードが出てきます。チャンクダウンしていくことで具体的な記憶が鮮明に蘇ってくるのです。

ロジカルシンキングを活用したコーチングであなたの脳力を100%活かしてみませんか?

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す