「夏が来れば思い出す・・・」

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「夏が来れば思い出す・・・」
に続くのは「尾瀬」

確かに「尾瀬」も素晴らしいし大好きだ。

でも、私にとっては、
「夏が来れば思い出す・・・」に続くのは
どうしても「北海道」になってしまう。

北海道へは数回 訪れているけれど、
何と言っても、初めて北海道の地を踏んだ時の
鮮烈な感動を今も忘れることはできない。

そう、あれは1954年の8月だった。
なぜ、それほどはっきりと年号を覚えているのかといえば、
それは、洞爺丸が、遭難する1か月ほど前のことだったからだ。

私たち女性3人が乗った洞爺丸は美しかった。
それより、更に1月ほど前に昭和天皇の北海道ご訪問があり、
その為に、化粧を施された洞爺丸は、
白く、気高く、北の海に浮かぶ白亜の城のようだった。

「汽車は3等でも良いけれど、船だけは2等にしなさい」と
先輩からのすすめの通りに2等船室での4時間も快適なものだった。

そして、降り立った北海道の地。
そこではすべてが違っていた。

初めて味わう空気のおいしさ。
空の色
雲の色
陽の光
木々の青さ

それまでにも、
尾瀬へ行ったこともある
燕岳に登ったこともある
毎日のように千葉の海で泳いだこともある
湘南の海であそんだこともある。
岡山へ行ったこともある
箱根にも熱海や伊豆にも行ったことがある
山中湖へ行ったこともある
天の橋立へいったこともある
スキーで蔵王へ行ったこともある

しかし、それらのいずれとも大きく異なっていた。
まったく異質のものに感じられた。

そして、汽車で走れども走れども地平線の果てまで続く平原
これが、日本だとは信じられなかった。
私は完璧に北海道に魅了されてしまった。

まだまだ、すべての物資が不足していた時代。
満ち足りたとはとても言えない状況の中での
搾りたての牛乳のおいしさ。

牛乳の上に、クリームの層ができている生乳を
初めて口にした時には、
こんなおいしいものが世の中にあったのかと
感動せずにはいられなかった。

アイスクリームも絶品だった。
もちろん、それだけではなく、
すべてのものがおいしかった。

心地よい風が肌に触れる感触
こんな所で、生きることができたら、どんなに素晴らしいことだろう、と
思わずにはいられなかった。

雄大な風景も、砂湯も、素晴らしかった。

摩周湖は霧に包まれ、見渡すことはかなわなかったが、
幽玄な荘厳な魅力を感じるのには十分だった。

その後、数回、北海道へ旅する機会に恵まれた。
そして、その都度、異国にでも行ったような感慨に襲われるのだった。

最後に北海道を訪れてから、10年ほどが経つ。
しかし、北海道のあの空気感を味わいを忘れることはできない。

夏になれば、思い出す・・・
それは北海道、私の北海道!

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