不動産は、なぜ高いと売れないのか?

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不動産には定価というものがありません。
とすると高いとか安いとかに関係なく、気に入った人がいれば売れるんじゃないかな?
という疑問を持った人はいないでしょうか?
(もちろんバカ高いのが売れないのは常識的に当たり前です)
今回はそのような疑問を持った方のために、少々書いてみました。

そもそも、不動産(特に土地)には、なぜ定価がないのでしょうか???
それはこの世に同じ不動産が二つとないので、ひとつひとつそれぞれについて値段を決めていく以外にはないからです。
土地については、例えば「東京都町田市玉川学園」という同一エリア内であっても、面積も間口も前面道路の幅員も、そして北道路・南道路という方角なども各物件でばらばらです。

では定価がないのにどうして金額が決まり、取引が成立しているのでしょうか?
もちろん、不動産(土地)には定価はありませんが、「相場」というものはあります。
土地売買の話になると、決まって出てくるのがこの「相場」という言葉です。
皆様も一度は聞いたことがある言葉だと思います。
「この辺りの相場はいくらくらいでしょうか?」
「そうね、だいたい50万円/坪くらいでしょう」というあれです。
これはそのエリアでの一般的な感覚に近いもので、個別的な「この物件」についての金額ではありません。
一般的な感覚というと、土地面積は特に広くもないし狭くもない(イメージとしてはだいたい30~50坪くらい)、間口も普通(10m前後)で、前面道路幅員は4~4.5m、方向も南でも北でもなくて東向きや西向きという感じです。

さらに「相場」よりももっと具体的な「査定価格」というものがあります。
これは不動産会社が売却を進める前提として不動産の所有者(売主)に無料サービスとして行う「今、この不動産を売却したら、いったいいくらで売れるだろうか?」という具体的な金額のことです。
私の感覚で大変恐縮なのですが相場の±20%くらいまでのところが、ほぼ査定価格に落ち着いているように思います。

そこで、前述の50万円/坪が各社の査定価格の平均値だったと仮定して、売主様から「査定価格はそうだとしても、私は80万円/坪で売りたい。50坪だか4000万円で売って欲しい」と依頼された場合、果たして売れるでしょうか?
「欲しい人が一人いればいいのだから、その値段でも売れるんじゃないかな?」と考える人もいるでしょう。しかし現実的にはやはり売れ残って何年も「売り出し中」のままか、それとも徐々に金額を下げて、やっとこさ売却成功ということになるのがほとんどです。

ではなぜそうなるのでしょうか?
実はこれは簡単なことなのです。
売ろうとしている人だけではなくて、買おうと思っている人にも仲介会社の担当者がついているからなのです。
当然、その仲介会社の担当営業マンはお客様に適切なアドバイスをするでしょうし、もっと相場や査定価格に近い物件を紹介するハズです。
こうして売れ残るべきものは売れ残って、いわゆる「さらしもの」になっていくことになります。

あっ・・・中には強引な営業マンもいて、相場や査定価格よりもはるかに高い物件を紹介しておいて「これはお買い得ですよ!!」とのたまい、なんとか契約まで持ち込もうとします。
そんな時は「それはあなたにとってお買い得なんじゃないの!?」と心の中で言ってやりましょう。

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