謹賀新年・クイズ狡兎十穴

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明けましておめでとうございます。
旧年中は思いもよらなかったような事件が多く、急激な円安など暮らしを直撃する変化もありました。今年こそは喜ばしい状況の変化が起こり、皆様にとって素晴らしい一年になることを願ってやみません。
そして私も、皆様により素晴らしいサービスを提供できますよう、研鑽を惜しまない所存です。今後もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

さて今回は、今年が卯年であることにちなみ、「兎」に因んだ言葉10個の読みを問題にしてみようと思います。
正答は、問題の後に記してあります。意味の解説もありますので、併せてお楽しみくだされば幸いです。

問題1
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問題2
Kanji20221230-A.gif

問題3
Kanji20221230-C.gif

問題4
Kanji20221230-E.gif

問題5
Kanji20221230-H.gif

問題6
Kanji20221230-I.gif

問題7
Kanji20221230-B.gif

問題8
Kanji20221230-J.gif

問題9
Kanji20221230-G.gif

問題10
Kanji20221230-F.gif


ここから、正解と解説です。

問題1
正解は「ぎょくと」です。
よく「月にはウサギが住んでいる」と言われます(ご存じでしょうが、月面上のクレーターがなす模様が、ウサギの様に見えるためです)が、それゆえ古代中国ではウサギは月の使いとみなされていました。そこから、「玉兎」というと「月」そのものを指すようになったそうです。
ちなみに、この玉兎に対して太陽のことは「赤烏(せきう)」と呼ばれます。これは、太陽の黒点が、ちょうどカラスが飛んでいるように見え、そこからカラスが太陽の使いと考えられたことによります。

問題2
正解は「うづき・うつき」です。
これは旧暦(太陰暦)の4月のことで、現行のグレゴリオ暦(太陽暦)の4月とは2か月近いずれがあり、2023年では5月20日から6月17日の29日間となります。ちょうどこの季節に花を咲かせる「ウツギ」の木にちなんだ命名と言われています。

問題3
正解は「だっと」です。
これは「逃げ回るウサギ」という意味で、非常にすばしっこく逃げ回るイメージから、逃げ足の速さのことをたとえて「脱兎のごとく」という形で用いられます。
なお、かつて日産自動車が「ダットサン」というブランドを用いていたことをご記憶の方もおられるでしょうが、これも「脱兎」に由来しているそうです。日産の前身となる快進社を支援していた3人のイニシャルがD、A、Tであったことから、製作した自動車を「脱兎号」と命名し、会社も改組し「ダット自動車商会」としたのだそうです。そして、この脱兎号の後に製作された小型乗用車に、「脱兎号の息子(英語でson)」ということで初めに「ダットソン」と命名し、「ソン」が「損」につながるとして太陽のsunに改め「ダットサン」となったのでした。このブランドは、社名が日産になってからも2002年まで用いられ、一度は当時のカルロス・ゴーン社長が復活させるも、2022年には終了となりました。

問題4
正解は「うさぎうま」です。
これは「ウサギのように長い耳をもつウマ」という意味で、「ロバ(驢馬)」のことを指します。
余談ですが、三国志がお好きな方は「人中の呂布、馬中の赤兎(せきと)」として知られる「赤兎馬(せきとば)」をご存じでしょう。これはロバではなく、「赤毛で、ウサギの様に素早い馬」だとされています。

問題5
正解は「うのはな」です。
問題2の解説でも申しましたが、これはウツギの花のことです。なお、この花に見立てて、豆腐を絞ってできる「おから(きらず)」のことを「卯の花」と呼ぶこともあります。

問題6
正解は「うづえ」です。
中国伝来の年中行事、またはそれに用いる道具(邪気を払う道具)のことを指します。春や夏に育った木から1.6メートルほどの杖を作り、1月最初の卯の日に贈る習慣です。
日本では、飛鳥時代の689年に大学寮(当時の官僚育成機関)が天皇に80本の杖を献上した、と日本書紀にあるのが最古の記述です。宮中行事だったものが平安貴族の間にも広まっていた様子は記録や物語に記されており、現在では宮中行事としては廃れたものの、一部の神社で参詣者にこの杖を配布する風習が残っているとのことです。

問題7
正解は「としん・みつくち」です。
人間の上唇には、鼻の下に筋があります。これはもともと胎児の時点では繋がっておらず、出産までの間の発達によってくっついた跡です。
しかし、日本では新生児のうち500人に1人くらいの割合で、上唇が完全にくっつかない状態で生まれてくることがあります。医学的には「口唇裂(こうしんれつ)」と呼ばれるもので、ウサギの口を思わせることより俗に「兎唇」と呼ばれています。
なお、現在ではほとんどの場合、生後の縫合手術により完治します。

問題8
正解は「ぼうゆう」です。
これは「東西」のことです。方角を表す際、十二支を用い、真北に「子」、そこから順番に時計回りに30度回した方向を「丑」「寅」…と割り当てていく方法があります。この方式では、東、南、西がそれぞれ、「卯」「午」「酉」となります。よって「東西=卯酉」となるのが分かります。なお、同様に「南北」は「子午」となり、こちらの言い方は「子午線」という形で現在でも使われています。

問題9
正解は「とかくきもう」です。
ウサギには角は生えていませんし、カメの甲羅には毛は生えていません。このような実在しないもの、ありえないものの例えとして使われる四字熟語です。また、「とにかく」という言葉がありますが、これは「あれやこれや」という意味の「とにかくに」という古語が変化したものであり、「兎に角」と表記するのは単なる当て字です。

問題10
正解は「いそぎんちゃく」です。
言わずと知れた、口の周りに多数の触手をもった無脊椎(むせきつい)動物です。よく見る漢字表記は「磯巾着」ですが、「兎」の異体字とされる「菟」を用いてこのように書くことがあります。ただ、なぜ「ウサギ」なのかは、調べてもよく分かりませんでした。

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