業種と地域(県)を限定した経営者向けのフリーペーパーを季刊誌として発行している。1月に第6号を発刊した。
発行部数は2200部。関係各所2100ヶ所にゆうメールで配達している。
2019年10月に創刊号を発行したのだが、当時はフリーペーパーには何の知見もなく全くの素人だった。
私はココナラではYouTubeのコンサルがメインになっているが、本業はある業界のコンサルや研修などの事業を行っている会社を経営している。
フリーペーパー発行を始めるまでの経緯
2019年夏、たまたま他地域で同業種で地域を限定した経営者向けのフリーペーパーを見つけた。その内容を見たところ「うちが作ればもっと面白い、役に立つ情報誌にできる」と思ったのがキッカケだった。
※そのフリーペーパーは4号で廃刊になった
しかしフリーペーパーを制作・発行するノウハウは持っていない。記事だけはいくらでも書けるのだが、制作方法や編集、広告の取り方、広告の料金設定等については完全な素人だった。
たまたまフリーペーパーを発行している知り合いの A社長(女性)がいたので、私たちが考えているフリーペーパーに実現性はあるのかを聞きに行った。
その会社は既に5年程前から5万部をある悩みを持つ一般消費者に向けて発行している。いわゆるBtoCのフリーペーパーだ。
「この県のある業種の経営者に特化する」ということを話をしたら、
「それは面白い。特化しているので広告も取りやすいはず」と言ってくれた。
さらに発行のノウハウは勿論のこと編集、印刷手配、梱包、発送手配まで代行してくれるとのこと。もちろん有料だが。
こちらは広告を取ることと、記事を書いて渡すだけという最低限の手間でスタートを切ることが出来たわけだ。
フリーペーパー発行までの準備
◆企画書作り
広告を取るにしても企画書(広告料金も含め)は必要である。
・何故発行するのか(目的)
・どんなポリシーを持っているのか
・どんな情報を発信するのか
・誰が発信するのか(情報の信憑性)
・読者はどんなメリットがあるのか
・広告主のメリットは
・広告料金
・ページ割 等など
こんなことを企画書にまとめていった。A4 4枚の企画書が出来上がったのだが、これには結構時間が掛かった。
◆発行側の狙い
・保守的でスタッフを大切にしない業界の体質を変えていく情報を提供したい。
・県内での弊社の知名度、ステータスを上げる。これによりコンサルや研修などのリアルな仕事を取りたい、取りやすくしたい。
・WEBの営業が効きにくい業界なので、紙ベースで直接経営者に届く媒体には魅力を感じてもらえるはずなので広告は取れるだろう。
◆配布先リスト作り
県や各市町村のHPで事業所リストをくまなく調べ、リストアップ。これを配送業者に渡す為にExcelに落とし込む。自治体ごとにファイル形式が違うのでこの作業は結構面倒だった。
◆発行経費の把握
フリーペーパーを発行するにあたり以下のような経費が掛かってくる。
・デザイン料
・印刷費
・配送料
・営業経費(広告獲得の為)
・事務経費
・その他(視聴者プレゼント商品購入、企画書印刷費等)
これらを合計した経費を広告費が上回れば一応「黒字発行」ということになる。
経費の比率はフリーペーパーの形態によって大きく変わる。私どもはBtoBなので発行部数は2200部と少ない。制作協力してくれている会社はBtoCなので50000部を発行している。
BtoBの場合は「デザイン料」「配送料」の割合が高くなる。しかしBtoCの場合は「印刷費」の比率が高くなる。
◆誌面構成とページ数
広告費を算出する為にまずは誌面の構成とページ数を決めないといけない。フリーペーパーは以下のような記事が最低限必要だと思われる。
・表紙
・目次(インフォメーション含む)
・特集記事
・コラムなどの投稿記事
・プレゼントページ
これらのページは直接的に利益を生むことはない。しかしこれらのページがとても重要で特集やコラムなどの記事ページに魅力がなければフリーペーパーの存続に関わってくる。
これらのページにプラスして広告ページを入れることで全体の紙面構成が出来上がる。
例えば経費が50万円かかるとすれば、1ページ10万円の広告が5ページあればペイすることになる。1ページ20万円の広告費という設定をすれば、3ページの広告が取れれば利益が出るという計算になる。
ただし、フリーペーパーは4の倍数でしか印刷が出来ない。16、20、24、28ページ位が一般的だろう。
最低限必要なページと広告ページを合わせて全体のページ数が決まるという仕組みだ。
◆広告費の算出
経費が50万円以上は掛かりそうだった。営業経費と事務経費は新たに採用したりすることなく、現有の社内戦力で賄えるという計算なので経費には計上していない。
フリーペーパーは基本的に広告収入で発行経費を賄わないといけない。経費分の広告が取れなければ赤字(自腹)ということになる。
広告費には一応相場というモノが存在する。同じようなフリーペーパーがどれ位の広告費を設定しているのかを調査する必要がある。広告費を公表していないところも多いので結構苦労した。
また中面ページ、裏表紙、裏表紙前、表紙裏では広告費の設定は違ってくる。1/2ページ、1/4ページ等の設定も必要になる。
情報誌なので広告ページが多すぎるのも問題がある。記事とのバランスも重要となってくる。
このようなことを複合的に判断して広告費を設定しないといけないので、とても難しい。高く設定して広告が取れなければ何の意味もない。安く設定すれば取れる可能性は高くなるが、ページ数は多くなる。値下げするのは簡単だが値上げするのは難しい。
さらに広告費に割引はつきものだ。
年間契約割引、初回投稿割引、早期申込割引などがある。これら割引を特典として上手く打ち出すことで広告獲得することも出来る。
様々な要件を考慮し、シュミレーションを何度も行った上で広告費は決定しなければいけない。
創刊前に一応の広告費を設定した上で、高校の先輩でもあるフリーペーパー発行経験のある人に相談に行ったことがある。そこで広告費を見てもらったら「この発行部数でこの金額は高すぎる」と一蹴された。
更に実績を作る為にゼロ号を作るべきだと力説された。
私はこの2つのアドバイスには従わなかった。結果論だが先輩の意見に従わなくて正解だった。
◆広告主探し
創刊号の広告取りは苦労した泣。実績も何もないわけなので当然のことだ。
まずは広告を出してくれそうな業種を思いつく限りピックアップする。さらに具体的な会社名まで書き出してみる。
その会社に伝手があれば直接アプローチするのだが、そんなに都合よく伝手はないものだ。その会社にコネを持っていそうな人に会いに行って、紹介してもらうという地道な作戦をまずはやってみた。
10人以上に会って、企画説明をして広告主を紹介してもらおうとしたが、この作戦で取れた広告はゼロ。ガ~ン
実績もないフリーペーパーに広告を出してみようと思う会社は、そうあるわけもない。ましてや「広告取りの営業に行く人を紹介する」という極めて怪しい行為を後押ししてくれる奇特な人はいないということが身に沁みてわかった。
結局、創刊号は10万円の赤字発行となった。
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2号からは営業方針を大きく転換し5号までは赤字発行無し。6号、7号(現在編集中)に至っては発行経費の3倍以上の広告を獲得することに成功した!
この方法は有料記事にしようと思っているので興味のある人はご購入ください。でもいつ書けるかはわかりません。
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