30万円以下のPCは、一括経費でOK!

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法律・税務・士業全般

1.概要

①特例の内容
取得価額が30万円未満の固定資産を取得した際、固定資産に計上せず、一括で経費にできるよ、という制度です。
PCなどを購入した年にまとめて経費計上できることから、その分、取得した年の利益を圧縮して節税につなげられます(ただし、上限は1年につき300万円まで)

②特例の対象者(個人)
青色申告を行うもの
・常時使用する従業員数が1,000人以下の場合 

③申告書の記載方法
この特例は、青色申告者だけに認められている特例ですが、優遇税制である特別措置法は、適用する条件として「申告書に記載する!」必要があります。

所得税申告書の「〇減価償却費の計算」に記載します。ほかの固定資産と違い、会社で明細を保管していれば、総額で書けばOKなのですが、必ず摘要欄に「措法28の2」と記載してください。

2.令和4年度改正で禁じられた手とは?

前述した30万円の少額減価償却資産の特例をつかって、以下のような節税が濫用されたたため、令和4年度で改正が入りました。
1.国税庁が問題視した節税スキーム
本特例は、青色申告の中小企業者、個人事業主の事務負担軽減のため設けられた制度にもかかわらず、一部のインフルエンサー等により節税スキームとして広まったため、国税庁が問題視し、改正に至りました。

【ドローン節税とは?】
ドローン需要の高まりを受け、ドローン(30万円以下)を大量の購入して全額経費にしたうえで、貸出し、リース収入を得るスキーム。収入はリース期間で按分されるが、費用は一括で先に経費にできる。

2.改正内容
少額減価償却資産のうち、貸付の用に供した資産は特例を適用できなくなり、原則通り耐用年数で償却しなくてはなりました。
ただし、節税目的でない事業者に影響が出ないよう。貸付用であっても、以下のものについては、これまで通り、特例の対象となっています。

①主要な事業(物品賃貸業)またはそれに付随して行われる場合
例)不動産賃貸業者が賃貸物件に付随して家具等を貸し付ける場合
  元請けの企業が、協力会社や下請企業に工具等を貸し付けるケース
③グループ内への貸付
例)節税目的ではなく、グループ経営の一環として、グループ内で資産をレンタルしている場合(ボリュームディスカウントのため親会社でまとめて事務機械を購買し、まとめて子会社に貸付する)」

3.全額経費にできるが、償却資産税の対象になる!

残念ながら、少額減価償却資産は、一括経費になるにもかかわらず償却資産税はかかりますので償却資産の申告をする必要があります。
償却資産の計算上は、本来の耐用年数(4年、5年など)で償却して計算します。
償却資産税は、無形資産、車両にはかかりませんが、機械や備品(PC)等にかかります。ただし、免税点制度があり、対象資産の課税標準(≒簿価)が150万円を越えなければ償却資産はかかりません。
ちなみに、少額減価償却資産と似た「一括償却資産」というルールがあり、これは中小企業者にかかわらず全事業者が対象になり、10万~20万円の資産についてまとめて3年で一括償却するものがありますが、これは償却資産税の対象になりません。


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