100万回生きたきみ 感想

記事
小説
タイトル「100万回生きたきみ」
作 七月隆文


あらすじ

女子高校生の美桜はこれまで100万回生き、生まれ変わっており今回は101万回目の人生。終わらぬ命に心が枯れており、今生を終わらそうとしたとき、一応幼馴染の三善光太に助けられた。「きみには生きててほしいんだ」そう笑った光太になぜか強烈に惹かれ、二人は恋人に。だが二人の幸せな時間は長くは続かなかった。入院し病室にいる美桜の側には友人のハルカと光太がいた。そして光太はハルカに話す「100万回生きたのは、俺の方だ」。
神話が現実の時代から何度も時を超え、貫いた一途な恋の物語。




以下ネタバレありの感想などです。

【感想】

※ミアン→美桜、タラニス→光太表記で書かせていただきます。

光太(タラニス)が生きた様々な時代や長い年月が詳しく描かれているので、美桜(ミアン)に人間同士で出会えた感動がより伝わってくるようでした。
光太が美桜だと思っていた蝶や鳥・猫と姿かたちを変え、常に光太の近くにいる存在が素敵でそれ自体に光太への想いを感じました。しかし、猫(予想美桜)さんがいるのに人間の美桜が現れた瞬間、あらゆるホラーというか不安な予想が頭の中でとびかい、女神関係か!?とドキドキしながら読み進めました。結果、ホラー要素はなくほっとしました。
力(エネルギー)の話を美桜がしていて、それが女神の呪いに繋がるのが(なるほど。)と思いました。
読了後、感動したが、私は光太・美桜の悲しい運命や光太が貫いた美桜(ミアン)への想いよりも、ハルカに感動しました(人間前が猫や鳥など動物だった点も感動した要因かも)。
ハルカ(蝶・鳥・猫)は誰よりも、何よりも光太(タラニス)の近くにずっと、本当に永い間ともにいて、彼の心を支えていたと思うし、彼が覚えていない(忘れている)辛い時も覚えていて、その間もそばで彼の歌(音・話)を聞き、一緒に歌った。光太(タラニス)の心はハルカがいたから救われていたはずだ。幾度の時を超え、本物の美桜が来た時、自分の存在や光太の心を目の当りにした。そして、自身の想いも二人の幸せのためにと考え奇跡を起こし、ひっそりと消えた。辛すぎ・・・。
光太にとって運命の美桜よりも、永い時彼のそばにおり彼を一人にしなかったハルカだろに、人間の美桜に出会ったあと、特に記述がないのも悲しかった。
人間のハルカが猫のときの癖?がぬけない行動もいいなぁと感じました。「かわいいから人の側にいる」という猫な感じや、「頭をぐりぐりする」と光太へは好きを伝える行動なのも好きです。



【個人的にテンション上がったところ】

・美桜・光太の出会いのはじまりがケルトの時代!!誓い(ゲッシュ)!!!そして、ゲッシュの呪いがストーリーの軸としてあり読書欲が高まりました。
・猫がでてくる。
・ミアンの絵をかいてくれた隊長や、負傷兵であるタラニスを救った絵描きなど、ミアンと出会わなかったときの中でも、素敵な人に出会えた時代があったのが良き・・・!



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