技術士・第二次試験(50) 問題Ⅱ-1の対策法/【例】建設部門「施工計画、施工設備及び積算」

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技術士第二次試験「選択問題Ⅱ-1」の対策法を、建設部門の「施工計画、施工設備及び積算」科目の過去問題を例にとって、以下に私見を述べます。
★ 長文なので、さらっと読みたい方は【 】の項目だけ読んでください。
 {【1】【4】【6】【7】だけ}
★ さらに❝5❞を参考に、各自でキーワードを調査することもお勧めします。

【1】 問題Ⅱ-1の対策案(結論!)

 結論から言います。
1)H25年以降のⅡ-1過去問に各々「テーマ」を設定する
2)各テーマを「カテゴリー」分けする
3)解けそうなカテゴリーに対し「キーワード」を集める
4)キーワードをもとに「想定問題」をつくる
5)想定問題の「解答論文」を書く
6)解答論文の「添削」を受ける


❝2❞ 問題Ⅱ-1の過去問 ~省略~

 「日本技術士会」HPに公表されています。

❝3❞ テーマ(過去問より)~省略~

・H25~R05

【4】 カテゴリー(過去問より)

 過去問のカテゴリーは、以下の5つに分類されると考えます。
 ①「土質・基礎」科目関連
 ②「契約・積算」関連
 ③「法律・システム」関連
 ④「安全管理・工程管理」関連
 ⑤「コンクリート」関連

❝5❞ キーワード(各自追加調査「推奨!」)

 過去問題より、【4】で示したカテゴリー別に「キーワード」を抽出し、さらに問われた事項も合わせて記載します。なお、受験生各自で、さらなるキーワードを調査し、それに対して問われる事項を想定してみましょう!
 各キーワードに対し問われた事項について、H30以前の問題は「・」マークを、R01以降の問題は「★」マークを示します。

5.1「土質基礎」関連
➀ 土留、開削工事
 ・ 計測管理事項3つ
 ・ 周辺地盤の沈下・変位発生の原因3つ、考慮すべき対策
 ・ 掘削底面に影響を与える現象3つ、各概要、対策
② 軟弱地盤上の盛土
 ・ 動態観測の計測項目2つ、各結果の利用方法
 ・ 軟弱地盤対策工2つ、各目的、施工上の留意点
 ・ 橋台の背面に盛土を計画する場合に留意すべき点3つ、各対策工
 ★ 無対策で盛土を構築した場合、周辺地盤変位の発生の仕組み。
   周辺地盤変状を抑制する対策工法2つ、各工法の概要
 ★ 無対策で道路盛度下を横断するカルバートボックスを設ける場合、
   想定される変状、対策方法2つ
③ 液状化
 ★ 液状化の仕組み、発生を抑制する仕組み3つ、各対策工法
④ 地すべり対策工
 ★ 抑制工と抑止工の目的、考え方、各工法1つずつの名称と概要
⑤切土のり面保護工
 ★ 保護工選定の基本的な考え方、
   植物および構造物による保護工から1つずつ名称と概要
#上記のキーワード等を参考に、各自で関連キーワード、それに問われる事項を想定しましょう!

5.2「契約・積算」関連

➀ 入札、落札
 ・ 総合評価落札方式 → 施工能力評価型と技術提案評価型に二極化
② 契約、発注、受注
・ PFI導入 → 期待される効果
 ・ 設計・施工一括発注方式 → 導入の背景、メリット、デメリット
 ・ 共同企業体(JV) → 甲型、乙型、名称、概要
 ★ 多様な入札契約方式、CM方式、事業促進PPP方式、
   設計・施工一括発注方式、ECI方式 → 概要、特徴、効果、留意点
 ★ 公共工事標準請負契約約款 → 発注者及び受注者の義務
 ★ 監理技術者 → 職務、R2配置要件の変更、その背景
③ 積算、実行予算
 ・発注者が予定価格を算出する「積算」、
  受注者が契約後に作成する「実行予算」 → 各々の違い
#上記のキーワード等を参考に、各自で関連キーワード、それに問われる事項を想定しましょう!

5.3「法律・システム」関連

 ・ 担い手三法の改正
    → 各法律名称、H26改正の背景、主な改正点2つずつ
 ★ 建設キャリアアップシステム
    → 導入目的、システム概要、 技能者と事業者のメリット
 ★ 労働安全衛生法施行令
    → 法改正(2022年1月完全施行)の背景、改正内容
 ★ BIM/CIM → 概念、施工段階の活用事例2つ、期待される効果
#上記のキーワード等を参考に、各自で関連キーワード、それに問われる事項を想定しましょう!

5.4「安全管理、工程管理」関連

① 安全管理
 ・ 公衆災害防止対策
    → 埋設物が存在する場所で土木工事、公衆災害防止事項3つ
    → 供用中道路上空の橋梁新設工事、公衆災害防止事項3つ
 ・ 高所足場作業の墜落・転落災害防止
 → 足場の設置計画、足場の組立て・解体作業、足場上の作業
     → 各々の留意事項
 ・安全管理 → 留意事項3つ概
 ★ 労働災害防止対策 → 三大災害、原因、概説、対策
 ★ 安全確保 → 市街地の橋梁下部工の施工計画
    → 必要検討事項3つ、技術上の留意点、施工上必要な措置
 ★ 足場の倒壊防止 → 施工計画と工事現場管理、各々の留意事項
② 工程管理
 ・ 重要性、工程管理手法の具体例2つ
#上記のキーワード等を参考に、各自で関連キーワード、それに問われる事項を想定しましょう!

5.5「コンクリート」関連

① コンクリート
 ・ 品質低下
   → 日平均気温25℃を超える時期の施工
     → 品質低下概説、施工計画上の留意点3つ
   → 日平均気温4℃以下の時期の施工
     → 品質低下の原因、施工計画上の留意点3つ 
 ・ 品質確保 → 要求品質4つ、留意事項概
 ・ マスコンクリートの施工
   → 留意事項、製造・運搬、打設・養生等各段階の対策
 ★ 中性化
   → 劣化機構
   → 水の浸透に伴う鉄筋腐食が併せて進展する構造物の維持管理方法
 ★ 高流動コンクリート → 特徴、採用目的、施工上の留意点 
 ★ 高強度コンクリート
   → 設計基準強度50~100N/mm2コンクリートの特徴
   → 打込み時と養生時の品質確保の留意点
② コンクリート構造物
 ・ 劣化機構 → 名称4つ、各劣化現象概説、補修で考慮すべき点
 ★ 非破壊検査 → 各々の目的 (得られる情報)、測定上の留意点
   1. 反発度法、2. 超音波法、3. 電磁波レーダ法
   4. 自然電位法、5. 赤外線サーモグラフィ法
   6. 電磁誘導法(鋼材の導電性及び磁性を利用する方法)
③ 鉄筋コンクリート構造物
 ・ 耐久性を阻害
   → 要因3つ、使用材料又はコンクリート配合設計での対策
 ★ 劣化機構
   → 下記の劣化現象を概説、事前に取るべき対策2つ以上概説
      1. 中性化、2. 塩害、3. 凍害
      4. 化学的侵食、5. アルカリシリカ反応
#上記のキーワード等を参考に、各自で関連キーワード、それに問われる事項を想定しましょう!

【6】 想定問題(カテゴリー別)

 5つのカテゴリーについて、以下に示すとおり想定問題を3問ずつ作りました。

6.1「土質基礎」関連

1)粘性土層で構成される軟弱地盤上において、特に対策することなく盛土を構築した場合に、周辺地盤に生じる可能性がある地盤変状の発生の仕組みを説明せよ。また、周辺地盤の変状を抑制するための対策工法を3つ挙げ、それぞれの工法の概要を説明せよ。
2)地震動によって生じる地盤の液状化が発生しうる地盤条件を述べよ。また、液状化の対策工法を3つ挙げ、それぞれの工法の概要を説明せよ。
3)地すべり対策における抑制工、抑止工の目的と適用の考え方を述べよ。また、抑制工および抑止工のいずれかから工法の名称を2つ挙げ、各工法の概要を説明せよ。

6.2「契約・積算」関連

1)PPP(Public Private Partnership)の概要を説明せよ。また、PPPの実施により期待される効果を説明せよ。
2)令和4年3月に「公共工事の入札契約方式の適用ガイドライン」が改正された。このガイドラインの改正点を述べよ。このガイドラインが改正された背景を説明せよ。
3)施工パッケージ型積算方式の概要を期待される効果を説明せよ。

6.3「法律・システム」関連

1)時間外労働の上限規制が、令和6年4月1日より建設業にも適用される。この適用が建設業に猶予されていた背景を述べよ。また、建設業の時間外労働の実態と、それを改善する対策案を述べよ。
2)担い手の確保に向け、建設業法の改正が目指されている。この改正を目指す背景を述べよ。また、建設業法改正により期待される効果を述べよ。
3)昨今、建設用途の3Dプリンターの活用が進んでおり、近々、建設3Dプリンターを用いた材料等の設計・施工の指針を作成する動きがある。この指針を作成する背景を述べよ。また、この指針作成により期待される効果を述べよ。

6.4「安全管理」関連

1)昨今、施工現場で品質問題が相次いで露呈している。専門家によると「構造的な問題であり、今後もトラブルが増えていくのではないか」と警鐘を鳴らしている。現場で品質問題が発生する原因を2つ挙げよ。また、それぞれの原因に対する解決策を述べよ。
2)都市部の工事では、建設機械、架空線および地下埋設物等に対するトラブルが発生しやすい。これらのトラブルを回避するために、施工計画上留意すべき項目を3つ挙げよ。また、それぞれの留意点に対する解決策を述べよ。
3)落下防止措置の不十分な吊り足場の崩落を防止するために、施工計画および工事現場管理それぞれにおいて留意すべき事項を説明せよ。

6.5「コンクリート」関連

1)流動化コンクリートの特徴を説明せよ。また、流動化コンクリートを採用する目的と施工上の留意点をそれぞれ説明せよ。
2)コンクリートの代表的な補修対策として①表面被覆・含浸工法、②断面修復工法、③ひび割れ修復工法がある。それぞれの補修対策の概要を説明せよ。また、各補修対策の施工上の留意点を述べよ。
3)鉄筋コンクリート構造物の劣化機構について次のうちから2つを選び、それぞれについて、劣化現象を概説せよ。①アルカリシリカ反応、②塩害、③凍害、④中性化、⑤化学的侵食、
 また、選んだ劣化機構について、劣化を生じさせないよう事前に取るべき対策を各3つ述べよ。

【7】 まとめ

 上記までを参考に、各自の受験科目の問題Ⅱ-1に対し、
 1)H25年以降のⅡ-1過去問に各々「テーマ」を設定する
 2)各テーマを「カテゴリー」分けする
 3)解けそうなカテゴリーに対し「キーワード」を集める
 4)キーワードをもとに「想定問題」をつくる
 5)想定問題の「解答論文」を書く
 6)解答論文の「添削」を受ける
をやってみましょう!
 特に建設部門「施工計画、施工設備及び積算」科目の受験生の方は、前述【6】の想定問題にこだわらなくても構いません。
 受験生のみなさん、ご自身で作成したものでもOKです。
 【6】で示した問題でも、個人で作成した想定問題でも、解答論文を作って、添削を受けましょう。

【8】 添削を受け付けております!

 私、小泉は、有料で添削を受け付けております。
 出品サービス管理をご覧ください!

おわり
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