全身麻酔自体は麻酔ガスのマスクをし、深呼吸を3回してと言われ、2回目の深呼吸でむせてしまった私はもう一回しなきゃ…
『プツン!』と意識が遮断され、間を置かず主治医に『終わりましたよ』と起こされ、ああ深呼吸がうまく出来たのか、次は何するの?と思ったら手術が終わっていた、という全身麻酔は一瞬で終わるというのが本当だと感心したことでした。
集中治療室から高度治療室に移りさて、せん妄が起きるかなと思っていたのですが、痰のからみがひどく傷口への激痛に直結し地獄の一週間でせん妄どころではありませんでした。
痰の絡みと排出の咳がとにかく激痛で、口呼吸をして口や喉の水分がなくなってカラカラになったらやっと眠る事が出来、その際の夢が普段見ないような、幾何学模様や寄木細工模様の様な図形が頭の中をぐるぐるしたり、何もない荒野に真っ黒なひょろっとした人たちが一生懸命地面を耕している景色…そんな変な夢がせん妄だったような気がする…。
高度治療室は寝てるだけなのでとにかく暇で一生懸命世話してくれる看護師さん達が申し訳なくずっとじっとしていた。
数日後、私の異変に気付いた看護師さんが『私さん、もしかして声で無いのですか?』と心配してくれて、『いえ、皆さん一生懸命なので私語したらいかんのかと思って…』と言ったら爆笑されたw
その後は起き上がる練習やベッドに腰掛ける練習をしたが傷口が痛くて動けず、起き上がるたびに
『い、痛い!看護師さん、大変です!心電図が乱れてます!』
とボケてたら看護師さんに『乱れてません』と冷静に突っ込まれたw
看護師さん、みんな優しいんだけどそのうちの看護師さんのひとりがスパルタ系で
『ほらもっと頑張らんと!ダメ、許さん!』
という叱咤激励系でそのムチが心地よく、学校の先生の様な看護師さんを気に入ってしまい、
『退院後連れて帰っちゃダメ?』と聞いたら『ダメ』と笑われた。
その後は大部屋に移り一カ月半の入院の後退院。