mix手順公開/やっていること、全部教えちゃいます

記事
音声・音楽
土曜日・月曜日のご依頼で24時間納品の24mix4です。
楽するときは楽をする。mix師の多くが時短ツールを使っていることをご存知ですか? 今回はそんな時短ツールを存分に活用したmix手順を全部公開しちゃいます。
歌ってみたのmixに興味がある方は参考になると思うのでぜひ最後までお読みください。

使用DAW:Studio One Artist
OS:Windows 11
事前準備:DAWでテンポ等設定、instデータの読み込みが完了している

★手順のまとめ
①Vocalデータのトリートメント
②DAWへVocalデータの配置
③Nectar 3でVocalを整える
④melodyneでVocalエディット
⑤空間エフェクトの調整
⑥飛び道具
⑦ハモリの作成
⑧マスタートラックにOzone8

①Vocalデータのトリートメント

izotope社のRX8を使ってノイズ、吹き込み、ハムノイズ等の除去をします。
ノイズ除去はDe-clickのrandom clicksもしくはLow-latencyをSensitivity4.0〜6.0付近で調整しながら行います。
音源によってReverb除去をするときもあります。

②DAWへVocalデータの配置

1トラック1音源でデータを配置します。
楽曲によってはエフェクトの種類を変えるため、フレーズで分割して別トラックに配置することもあります。
頭出しがされていないデータの場合、元の楽曲と聴き比べながら適切な位置に配置します。この段階で大まかなパン振りもしてしまいます。

③Nectar 3でVocalを整える

izotope社のNectar3を使い、Vocalパートを簡単に整えます。
※これだけでは不十分ですが、かなり楽になるので多くのmix師が使用しています。
Vocal assistantで「Modern」「Light」を選びAIに調整してもらいます。その後EQで100Hz〜300Hz未満をノーカット、Diesserのスレッショルドを控えめに、Reverbのかかり具合を5〜8くらいにします。
書いてあることが分からなくても、なんとなく真似してみると聴き取りやすくなります。

④melodyneでVocalエディット

ピッチ補正、タイミング修正、1音ごとの音量調整がmelodyneひとつで出来ます。丁寧にノートの編集をしたい人はAssistant以上を使いましょう。
読み込むと自動で切り分けてくれますが、適切な位置ではないので手動で1音ごとに切り分け直します。この作業を丁寧に行うとピッチ補正したときの違和感が減ります。

melodyneでやることは3つ、ピッチ補正タイミングの修正1音単位での音量調整です。
楽曲によっては5時間以上掛かることも。特に音量調整はとても大切な作業なので最も時間を掛けています。

⑤空間エフェクトの調整

FXチャンネルにReverb、delayなどのエフェクトをそれぞれ単体で読み込みます(インサート)。
良く使うのはizotope社のNeoverb、waves社のManny Marroquin Reverb等です。ReverbをSendで使うときはNeoverbのDry/Wetを100パーセントにしています。
先ほどNectar3で掛けたReverbとあわせて、プレートとルーム/ホールを掛け合わせたりして楽曲に馴染ませます。各種Reverbの500Hz未満は大体ローカットします。

⑥飛び道具

楽曲によっては部分ごとに特殊なエフェクト効果が掛かっているので、その部分を別トラックに複製してエフェクトを掛けます。様々なエフェクトを使用するので、Waves社のWaves GoldやHorizonあたりを持っていると便利です。

⑦ハモリの作成

Vocalデータを複製し、トラックにバウンスしてからmelodyneでハモリパートを作成します。
シンプルに5度の音で重ねる場合と、元楽曲を完コピする場合、違和感なくクリエイトする場合などがあります。
ハモリパートはNectarのEQの位置をずらしたり、コンプレッサーの設定を変えたりしてVocalパートとぶつからないようにします。
ハモリパートを左右に降りたい時はWaves社のdoubler 4を使うことが多いです。メインパートとぶつかるので、真ん中(Direct)をミュートにしています。そのままだと左右のタイミングのズレが気になるので、Delayの左右差を短めにしてトラック自体のdelay設定もマイナス数msにしています。

⑧マスタートラックにOzone8

Izotope社のOzone8でマスタリングです。AI任せだと音が潰れすぎるので、スレッショルドを控えめにします。またEQが効きすぎている場合は控えめにします。
しっくり来ない場合、④〜⑦の工程に戻って再調整します。バランスを整えるのはmixで行い、マスタリングでは余り弄りすぎないようにします。
ここまでで歌ってみたのmixは完了です。最後にファイルを出力したら完成です。


いくらか説明を省いたものもありますが、基本的には上記の流れで作業しています。慣れてきたらエキサイター、トラックのマスキングやvocal synthなども活用して、歌ってみたの作品としてのクオリティを高めてみてください。

補足:各種プラグインは困っていないのでそのまま使用していますが、新規購入される方は最新版をご購入ください。

◇なんだか面倒くさそうだなと感じた方◇
全てこちらでやりますので、ご依頼お待ちしております。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す