サンクコスト効果は、「もったいない」
という感情が作用して、合理的な行動が難しくなる現象です。
例えば、映画を観に行ってどんなにつまらなくても、
「せっかくチケットを買ったんだから最後まで見よう」
と最後までダラダラと観続ける行動がこれに該当します。
同様に、「せっかく時間をかけたのだから…」
「ここまで頑張ったのだから…」
「今まで使ったお金がもったいない…」などの感情が働いて、
「このままだと損をする」と理解していても、
行動を変えることが難しいことがよくあります。
サンクコストとは、「サンク(沈んだ)コスト」と呼ばれ、
もう取り返しのつかないコストを指します。
イメージとしては、船の上から海にポチャンと
財布を落としてしまった場合のような状況です。
命の危険が伴うため、海に飛び込むことはできません。
また、飛び込んだとしても財布が見つかる保証はありません。
結局、諦めるしかない状況です。
合理的に考えれば、諦めることが適切です。
FXにおいても、サンクコストの考えは重要です。
「もう助かる見込みはない」というポジションに対しては、
早めに諦めて損切りすることが賢明です。
サンクコスト効果により、
「つい損切りできずに大きな損失を被ってしまった」
という過ちは、多くのトレーダーが犯しやすいものです。
損切りだけでなく、次のような感情も危険です。
「せっかく時間をかけて分析したのだから、少しでも利益が欲しい。」
や「頑張って勉強した知識を、せっかくだから使ってみたい。」
といった感情が働くと、普段はトレードしない場面で強引にエントリー
してしまうこともあります。
実際、FXはサンクコストの影響を受けやすい環境です。
通常の人間の感情でトレードをすると、
「もったいない」の連続で気が狂いそうになります。
サンクコストをスパッと捨てられないと、
FXで収益をプラスに持っていくことは難しいです。
対策としては、「今ポジションを持っていなかったらどうする?」
とフラットに考えることが重要です。
例えば、現在ロングポジションの含み損を抱えている場合、
「今からロングでエントリーしたいか?」
という質問を自分にしてみて、答えが「ノー」であるなら、
そのロングポジションを即座に切るべきです。
【サンクコスト効果対策】
ゼロベースで考えるクセをつける。